文武両道 意味 使い方 例文 類語 英語

文武両道」という四字熟語をご存知でしょうか?使い方としては、「文武両道に励む」「文武両道を目指す」などのように用います。

有名な四字熟語なので、一度は聞いたことがあるかもしれません。最近だと、企業の面接時や履歴書などにもよく用いられているようです。

ただ、具体的な使い方が分かりにくい言葉でもあります。そこで、本記事では、「文武両道」の意味や使い方、語源、類語などを詳しく解説しました。

文武両道の意味・読み方

 

最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。

【文武両道(ぶんぶりょうどう)】

学芸と武道の意。また、その両方にすぐれていること。

出典:三省堂 四字熟語辞典

文武両道」は「ぶんぶりょうどう」と読みます。意味は、「学芸と武道」「学芸と武道の両方にすぐれていること」を表したものです。

一つずつ説明すると、「学芸(がくげい)」とは「学問と芸術のこと」です。学校の授業で言えば、「学問」は国語や数学、英語など、「芸術」は音楽や美術などを意味します。

また、「武道(ぶどう)」とは「柔道・剣道・相撲など」を指します。一言で、「日本の国技」と言い換えても構いません。そして、「両道」は「両方の道」すなわち「二つの方面(両面)」という意味です。

以上の事から考えますと、「文武両道」は「学問と芸術」そして「武道」の2つが合わさった言葉であることが分かります。したがって、「①学芸と武道」「②学芸と武道の両方にすぐれている」という意味になるわけです。

このように2つの意味がある「文武両道」ですが、一般的には後者の②の意味で使われることが多いです。その中でも特に、「勉強とスポーツの両方に秀でている」という意味で使われることが多いです。

例えば、以下のような組み合わせです。

  • 「勉強」と「野球」
  • 「勉強」と「サッカー」
  • 「勉強」と「陸上」

元々、「文武両道」の「」は柔道や武道などの国技を指していました。しかし、最近では野球やサッカー、テニスなど大衆的なスポーツを指すことが多いようです。

意外に思うかもしれませんが、元々あった本当の意味から違う意味へと派生していくのは四字熟語の世界ではよくある話です。「時代と共に言葉の意味も変化していく」と考えれば分かりやすいでしょう。

文武両道の類義語

文武両道 類義語 言い換え

続いて、「文武両道」の「類義語」を紹介します。

左文右武(さぶんゆうぶ)】⇒文武の両方を重んじていること。「右文」は文筆を尊ぶこと、「左武」は武を尊ぶことを表す。
文事武備(ぶんじぶび)】⇒文事と武芸の両方を備えることが大切である。※「文事有る者は必ず武備有り」を略した言葉。
文武兼備(ぶんぶけんび)】⇒文事と武道の両方を兼ね備えていること。「兼備」とは兼ね備えていることを表す。
緯武経文(いぶけいぶん)】⇒文武の両方を備えた政治の理想的姿。「武」を横糸、「文」を縦糸に例えて美しい布を織ることから。
文武二道(ぶんぶにどう)】⇒文事と武事の二つの面。転じて、学術面と武術面を兼ね備えていること。

以上、5つの類義語を紹介しました。基本的には、「文学と武道の両方を重視する・どちらも兼ね備える」といった意味を持つ言葉となります。

全ての類義語に「文武」が含まれていますが、実は「文武」という言葉は最近になって使われるようになったものではありません。正確な起源は不明ですが、「司馬遷」の書いた『史記』に「文事ある者は必ず武備あり」という記述が残されています。

したがって、紀元前の太古の昔から、すでに日本では「文武両道は美しい」という考え方があったことになります。

文武両道の対義語

 

「文武両道」の「対義語」は、次の通りです。

浅学非才(せんがくひさい)】⇒学問、知識ともに乏しく、かつ才能もないこと。
無芸大食(むげいたいしょく)】⇒芸や才能などがなく、ただ大食するだけの人。また、その行為。
運動音痴(うんどうおんち)】⇒運動が苦手なこと。運動する感覚が鈍いこと。

「対義語」の場合は、「学問や芸術、運動能力などがない」という意味を持つ言葉となります。

いずれの場合も、基本的には良い意味として使われません。「浅学非才」に関しては、自分は無知・無能である事を謙遜するような時に使います。

文武両道の英語訳

 

「文武両道」は、英語だと次のように言います。

scholarship and the martial arts」(学問と武術)

both the literary and military arts」(文学と武術)

一つずつ説明すると、

  • 「scholarship」=「学問」
  • 「martial arts」=「武術・武道」
  • 「literary」=「文学の」
  • 「military」=「武術の」
  • 「art」=「術・わざ」」

という意味です。

「art」には「術・わざ」などの意があるため、後ろに付けることで「学術」や「武術」を表す言葉として使うことができます。例文だと、次のような言い方です。

He has scholarship and the martial arts.(彼は文武両道である。)

なお、簡易的な表現だと次のような言い方もできるでしょう。

「be good at both studies and sports」(勉強とスポーツの両方が得意である。)

「be good at」は「~が得意である」という意味の熟語です。

文武両道の使い方・例文

 

最後に、「文武両道」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 彼は剣道八段で学校の成績もトップだ。まさに文武両道である。
  2. 中学時代は、文武両道の精神で勉強と部活を両立してきました。
  3. 文化部ですが、スポーツも頑張り文武両道を目指すつもりです。
  4. 高校野球の強豪チームだが、文武両道にも励んできた学校です。
  5. 貴校の文武両道を掲げる精神に、私は大きな魅力を感じました。
  6. 文武両道を掲げる貴校の理念に、強く共感を得たのが理由です。
  7. 文武両道を心がけることは、無理だと主張する人もいる。

 

「文武両道」は、例文のように良い意味として使われる四字熟語です。理由は簡単で、多くの人は片方しか秀でていないためです。場合によっては、どちらも優れていないという人もいます。学問と武術、両方兼ね備えている人は貴重な存在なのです。

また、用例としては面接や履歴書などにおいて使われることが多いです。新しく進学する際は、前の学校の経歴を述べたり志望校の校風に言及したりします。例えば、「自己PR」「志望動機」といった内容です。

そんな時に、「文武両道に励んできました」「文武両道を実現したいです」などと言えば相手に好印象を与えることができます。しかも、さほど堅苦しくもなく一般的で分かりやすい四字熟語です。そのため、学生が自分をアピールするような場で、この四字熟語は比較的使いやすいのです。

もしも実際に使う際は、自分が学生時代に文武両道を実践してきた具体的なエピソードなどを交えて用いるのがよいでしょう。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

文武両道」=学芸と武道の両方にすぐれていること。

語源」=「学問と芸術」+「国技」の両方を合わせ持つことから。

類義語」=「左文右武・文事武備・文武兼備・緯武経文・文武二道」

対義語」=「浅学非才・無芸大食・運動音痴」

英語訳」=「scholarship and the martial arts」「both the literary and military arts」

勉強とスポーツの両立は簡単にできることではありません。それだけに実現できれば他と大きな差をつけることができます。この記事をきっかけに、ぜひ「文武両道」を目指してみてください。