『戦争の不可能性』は、高校現代文における評論です。ただ、本文を読むと意味の分かりにくい言葉も多く出てきます。
そこで今回は、『戦争の不可能性』に登場する重要語句や漢字の読み方を一覧にして簡単にまとめました。
第一段落の語句一覧
【ファクター】⇒要素。要因。
【掛け値なし(かけねなし)】⇒物事を誇張して言わないこと。大げさに言わないこと。
【利害(りがい)】⇒利益と損害。
【不可避的に(ふかひてきに)】⇒避けることができない状態で。
【テクノロジー】⇒科学技術。
【飛躍的(ひやくてき)】⇒進歩・向上などの急激なさま。
【あいまって】⇒いくつかの事柄が互いに作用し合って。
【惑星的(わくせいてき)】⇒ここでは、戦争が地球規模になったことを表したさま。
【惨禍(さんか)】⇒悲惨な災害。
【未曾有(みぞう)】⇒これまでに一度も起こったことがないこと。
【廃墟(はいきょ)】⇒ここでは、「建物や街などが破壊されて崩壊したり、焼き尽くされて焦土と化したりした様子」を表す。
第二段落の語句一覧
【平和の回帰(へいわのかいき)】⇒戦争以前の平和な状態が戻ってくること。「回帰」とは「ひとまわりして、もとの所に帰ること」を意味する。
【顕著(けんちょ)】⇒はっきりして目立っているさま。
【核兵器(かくへいき)】⇒原子爆弾のこと。1945年8月に、アメリカによって広島と長崎に投下された。
【変容(へんよう)】⇒姿や形を変えること。
【最終兵器(さいしゅうへいき)】⇒ここでは、「最後の切り札的な兵器」という意味。
【消費(しょうひ)】⇒お金や物を使ってなくすこと。
【蕩尽(とうじん)】⇒財産をすっかり使い果たしてしまうこと。
【史上稀(しじょうまれ)】⇒歴史上めったにないこと。
【封じ手(ふうじて)】⇒ここでは、使うことを禁止されている技、の意。
【冷たい戦争(つめたいせんそう)】⇒冷戦のこと。第二次世界大戦後、アメリカ合衆国側の資本主義と、旧ソビエト連邦側の共産主義が、政治的に対立していたが、武力衝突は避けられていた状況のこと。
【レトリック】⇒修辞。表現上の事柄。
【破綻(はたん)】⇒物事がだめになること。
【余地(よち)】⇒物事をさらに行いうるゆとり。余裕。
【僥倖(ぎょうこう)】⇒思いがけない幸運。「強いられた僥倖」で、ここでは「強制された、思いがけない幸運」という意。
【シニカルな逆説(ぎゃくせつ)】⇒皮肉な逆説。意地の悪いパラドックス。
【むきだしの】⇒あからさまの。
【エアポケット】⇒ここでは、「空白の部分」の意。「不可能な戦争」の中にある「平和」という状況をたとえた表現。
第三段落の語句一覧
【通例(つうれい)】⇒(副詞的に用いて)一般に。通常。
【呼称(こしょう)】⇒呼び名。名まえ。
【隠蔽(いんぺい)】⇒事の真相などを故意に覆い隠すこと。
【交戦国(こうせんこく)】⇒戦争を行っている国。戦争当事国。
【係争地(けいそうち)】⇒当事者の間で争いとなっている土地。
【冠して(かんして)】⇒ここでは、「上につけて」の意。
【経緯(けいい)】⇒物事の筋道。いきさつ。
【相対的(そうたいてき)】⇒他との比較や関係の上に成り立つさま。
【明示(めいじ)】⇒はっきりと示すこと。
【露出(ろしゅつ)】⇒ここでは、あらわれ出ること、の意。
【国民国家(こくみんこっか)】⇒国民を主体としてつくられた国家。市民社会を基盤としてつくられた国家。
【矛盾(むじゅん)】⇒二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。
【消耗戦(しょうもうせん)】⇒互いに決定的な主導権を握れずに、戦力を投入し続けて疲弊していく戦い。
【一般概念(いっぱんがいねん)】⇒特定のものを考慮しない一般的な考え方。
【格下げ(かくさげ)】⇒ここでは、「戦争」という位置づけから「紛争」や「抗争」という位置づけに変わること。
【代理戦争(だいりせんそう)】⇒核兵器を保有しているなどの理由から、直接に戦うことのできない国の代わりに他の国が戦うこと。
【一環(いっかん)】⇒全体の一部分。
【恒常的(こうじょうてき)】⇒常に同じ状態であるさま。
【帰結(きけつ)】⇒最終的に落ち着いた結果。
【宙吊り(ちゅうづり)】⇒中途半端な状態でぶら下げられること。
第四段落の語句一覧
【対峙(たいじ)】⇒ここでは、互いににらみ合ったままの状態が続くこと。
【イデオロギー】⇒政治的・社会的な考え方。
【露呈(ろてい)】⇒むき出しになること。
【拘束(こうそく)】⇒行動や考え方の自由を制限すること。
【裁断(さいだん)】⇒物事の善悪・適否を判断して決めること。「道徳的に裁断」で「道徳的に戦争を悪であると断罪すること」を意味する。
【権威(けんい)】⇒他の者を服従させる威力。
【正当性(せいとうせい)】⇒社会通念上また法律上、正しく道理にかなっていること。
【抵触(ていしょく)】⇒ここでは、「触れること」の意。
【全般的変容(ぜんぱんてきへんよう)】⇒<世界戦争>の世紀によってもたらされた変化の全体。
【どのような堰(せき)を超えたのか】⇒越えてはならないどのような限界を越えたのか。
【愚劣(ぐれつ)】⇒おろかで、おとっていること。ばかばかしいこと。
まとめ
以上、今回は『戦争の不可能性』に出てくる語句をまとめました。ぜひノート代わりにして頂ければと思います。なお、本文の要約やテスト対策については以下の記事で解説しています。