已己巳己 意味 読み方 使い方 例文 同義語 類義語

已己巳己」という四字熟語をご存知でしょうか?

初めて見た人は、すべて同じ漢字かと誤解する人も多いと思われます。しかし、よく見ると微妙に異なる漢字であることが分かります。

今回はそんな不思議な四字熟語である「巳己巳己」の意味や語源、使い方を詳しく解説しました。

已己巳己の読み方・意味

 

最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。

【已己巳己(いこみき)】

⇒(已・己・巳と、それぞれの字形が似ているところから)互いに似ているものをたとえていう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

已己巳己」は「いこみき」と読みます。

先頭と末尾の「已」は、「已然(いぜん)」「已来(いらい)」などの熟語があるように「」とよむ漢字です。

そして二番目の「己」は、「自己(じこ)」「利己(りこ)」などのように「こ」と読む漢字です。三番目の「巳」は、「巳年(みどし)」という言葉があるように「」と読む漢字です。

以上、三つの漢字を合わせて、「いこみき」と読む四字熟語ということになります。一回ではなかなか覚えられないため、「いこみき」「いこみき」と何度も復唱することを推奨します。

そして意味ですが、「已己巳己」とは「互いに似ていること・見分けがつかないこと」などを表したものです。

例えば、双子というのは顔がよく似ています。その中でも、周りの人からすると見分けがつかないほどよく似ている双子も存在します。このような双子は、互いに似ていて見分けがつかないので「已己巳己」と言うことができます。

「已己巳己」を使う対象は、何も人に限定されるわけではありません。人間以外だと、例えば犬や木々などの動植物も当てはまります。

その他には、モノや見た目、考え・文章など、互いに似ているものであればあらゆる対象に使える四字熟語ということになります。

已己巳己の語源・由来

 

已己巳己」という四字熟語は、「それぞれの字の形が似ていること」を語源とします。別の言い方をするなら、昔の逸話などが元になって作られた言葉ではないということです。

一般的には、四字熟語というと中国の話から来る場合がほとんどかと思われます。しかし、「已己巳己」の場合はあくまで日本で作られた造語なのです。

それぞれの元になった漢字は、本来は次のように読みます。

  • 「已」=「やむ(已む=終わる)
  • 「己」=「おのれ・つちのと
  • 「巳」=「み(へび)・し

比較すると分かるようにどれも違う意味や読み方の漢字です。これらをつなぎ合わせても、「已己巳己」=「やむ・おのれ・み・おのれ」というよく分からない意味になってしまいます。

したがって、「已己巳己」には明確な由来はないのです。この四字熟語は、単に「漢字の見た目によって生まれたもの」だと考えて問題ありません。

巳己巳己の類義語・対義語

已己巳己 類語 対義語続いて、「已己巳己」の「類義語」をご紹介します。

  • 瓜(うり)二つ
  • 似た者同士
  • クリソツ
  • 分身
  • 同然
  • 不変
  • 画一的
  • 類似
  • 大同小異

「已己巳己」は「見分けがつかないこと」を表す四字熟語でした。したがって、「似ている」「そっくり」などの意味を持つ言葉が類義語となります。

この中だと「瓜二つ」はほとんど同じ意味の言葉なので、「同義語」だと言えます。「瓜二つ」とは、縦に二つに割った瓜のように、親子や兄弟などの顔・形がよく似ていることを例えた慣用句です。

四字熟語だと、最後の「大同小異」は比較的よく使われる言葉です。

「大同小異(だいどうしょうい)」とは「だいたいは同じだが、細かい点に違いがあること」という意味です。両者を比較しても、大きな差がないような時に使われます。

逆に、「対義語」としては次のものが挙げられます。

  • 相違
  • 異種
  • 別個
  • 別々
  • 別物
  • 不一致

こちらは「お互いが異なる」という意味を持ちます。簡単に見分けが付いたり、全く似ていない者同士を表すような言葉が反対語となります。

已己巳己の英語訳

 

「已己巳己」は、「英語」だと次のように言います。

all the same(全く同じ・ほぼ同じ)」

one and the same(全く同じの~・ほぼ同じの~)」

英語では、「同じ様子」を表す時は「same」を使うのが一般的です。「全く」や「ほぼ」を意味する「all」や「one」を付ける形で熟語として用います。

例文だと、以下のようになります。

They said that children are all the same.(彼らは子供なんてほぼ同じだと言った。)

That was one and the same thing.(それはほぼ同じ出来事であった。)

已己巳己の使い方・例文

 

最後に、「已己巳己」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 二匹の犬が生まれたが、已己巳己なくらい似ていたので驚いた。
  2. バターとマーガリンは、已己巳己に見えるほど似ている。
  3. この家具屋は、已己巳己のように同じ色のイスが並んでいる。
  4. 言われてみれば、「土」という字と「士」という字は已己巳己である
  5. 已己巳己のように私に意見を合わせようとするのはやめてくれ。
  6. 僕たち双子はよく已己巳己と言われるが、性格は全く異なる者同士だ。
  7. 彼らは已己巳己のように見た目が似ているので、時々間違える人がいる。

 

「已己巳己」は、互いに似ているもの同士を例えるようなときに使います。したがって、使い方としては「已己巳己のように」「已己巳己なくらい」などが語尾につくことが多いです。

また、すでに説明した通りこの四字熟語は幅広い対象に使うことができます。

世の中には人や動物、食べ物など「似ているけども、実際は異なる」というものが数多く存在します。そのような見分けが付にくいものを、「已己巳己」という四字熟語を使って表すのが本来の使い方だと言えるでしょう。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

已己巳己(いこみき)互いに似ていること・見分けがつかないこと。

語源・由来」=「それぞれの字の形が似ていること」から。

類義語」=「瓜二つ・似た者同士・クリソツ・分身・同然・類似」など。

対義語」=「相異・異種・別個・別々・別物・不一致」

英語訳」=「all the same」「one and the same」

「已己巳己」を初見で読める人は、ほとんどいないかと思われます。もしもそんな時に一言でスラっと読めたら周りに自慢できるかもしれません。ぜひこれを機に正しい読み方や使い方を理解して頂ければと思います。