「賛否両論」という言葉は有名ですね。
新聞やテレビ、あるいは
ネットニュースなどでもよく使われています。
特に、「議論のテーマ」などを話し合う時に
よく目にするでしょう。
普段からよく使う四字熟語。
だからこそ、
具体的な使い方を覚えておきたい所です。
今回は、
そんな「賛否両論」について詳しく解説しました。
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賛否両論の意味
まずは、
基本的な意味です。
【賛否両論(さんぴりょうろん)】
⇒賛成意見と反対意見の二つがあること、またその二つのそれぞれの意見のこと。賛成と反対が対立して、意見がまとまらず、議論の余地があること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「賛否両論」とは、
「賛成意見と反対意見が対立し、まとまらないこと」を言います。
例えば、
以下のような使い方です。
「主人公が最後に死ぬ」という終わり方は、賛否両論がある。
よくドラマや映画などで、
バッドエンドな終わり方がありますが、
あなたは、「主人公が最後に死ぬ」
ということについてどう思うでしょうか?
当然、賛成の人もいれば反対の人もいますよね?
一つに答えが定まらないと思います。
このように、
「一つのテーマに対して、賛成と反対の両方がある状態」を
「賛否両論」と言うわけですね。
私たちは、
皆それぞれの考え方を持っています。
そして、価値観や道徳観は
誰一人として同じものを持っていません。
であれば、「一つのテーマ」に対して
意見がまとまらないのは当然と言えるでしょう。
そこで、
「答えが定まらない」「結論が出ない」
という意味でこの言葉を使うわけですね。
賛否両論の語源
次に、「賛否両論」の
「語源」を確認しておきましょう。
「賛否」は文字通り、
「賛成」と「否定」を表しています。
つまり、
「賛成」と「反対」と言い換えることができますね。
一方で、「両論」は「両方の議論」
すなわち、
「賛成と反対の相対する意見」を意味しています。
整理すると、
「賛否両論」=「賛成と反対の相対する議論」
となります。
ここから、「意見がまとまらない状態」
を表す四字熟語になるわけですね。
現在では、さらに派生して
「議論の余地がある」「議論のしがいがある」
という意味で使うこともあります。
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賛否両論の類語
続いて、「類語」です。
【議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)】
⇒多くの様々な意見が出ること。
「百出」とは「次々に現れ出ること」を言います。
【諸説紛紛(しょせつふんぷん)】
⇒色々な説があり、意見がまとまらないこと。
「紛紛」とは、
「色々なものが入り混じって乱れているさま」を意味します。
【甲論乙獏(こうろんおつばく)】
⇒お互いにあれこれ主張するため、議論がまとまらないこと。
甲の人が論ずると、乙の人がそれに反対することから。
【毀誉褒貶(きよほうへん)】
⇒様々な評判。様々な評価。
「毀・貶」は、「そしる(悪口を言う)」
この中でも、「議論百出」は
比較的よく使われる四字熟語ですね。
また、慣用句ですが
「水掛け論(みずかけろん)」という言葉もあります。
「水掛け論」とは、
「お互いが自分の主張にこだわり、意見がまとまらない」
という意味です。
「議論が延々とずっと続くような状態」を表すので、
基本的にネガティブな場面で使います。
逆に、「対義語」としては
「満場一致」が挙げられます。
【満場一致(まんじょういっち)】
⇒全員の意見が一致すること。違う意見のないこと。
主に、「満場一致で可決する」
のような使い方をしますね。
「議論のテーマ」に対してはもちろん、
国会の法案可決などにも使える言葉です。
この機会に覚えておくとよいでしょう。
賛否両論の英語
続いて、「英語訳」です。
「賛否両論」は、
「英語」だと次の3つの言い方があります。
①「pros and cons」 (賛否両論)
②「arguments for and against 」(議論に賛成か反対か)
③「opinions are divided about ~ 」(~で意見が分かれている)
①~③の英語訳は、
すべて自然な英語として使うことができるでしょう。
具体的には、以下のような使い方です。
There are pros and pons. (賛否両論があります。)
There are both arguments for and against on that subject.(その問題は、賛否両論あります。)
Opinions are divided about gun control regulations.(銃の規制については意見が分かれている。)
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賛否両論の使い方・例文
では、「賛否両論」の使い方を
例文で紹介しておきます。
- 漫画の実写化は、ファンの間でも賛否両論に分かれた。
- 監督の采配に、ネット上で賛否両論が巻き起こった。
- この論文の主張は、学者たちの間でも賛否両論に分かれている。
- 尊厳死の是非は、賛否両論を巻き起こすテーマである。
- 彼が下した決断には、いまだに賛否両論が起こっている。
- Twitterのタイムラインには、賛否両論の意見が入り乱れた。
見ての通り、
「賛否両論に分かれる」「賛否両論が巻き起こる」
などの用例が多いですね。
「賛否両論」の状態では、
「賛成と反対の意見、どちらが多いのか?」
などは全く分からない状態です。
両者ともお互いの言い分があります。
そして、
自分の主張に対してプライドを持っています。
なので、ニュースなどでは
「今、世間をにぎわしている話題」
という意味で使われることが多いですね。
いずれにせよ、
「答えが出ないような議題・テーマ」
に対してこの言葉を使うと思ってください。
まとめ
では、今回の内容のまとめです。
「賛否両論」=賛成意見と反対意見が対立し、まとまらないこと。
「語源」=賛成と反対の両方の議論が、対立することから。
「類語」=「議論百出・諸説紛紛・毀誉褒貶・甲論乙駁」。
「英語」=「pros and cons」「arguments for and against」「opinions are divided about~」
「賛否両論」が巻き起こるのは、
決して悪いことではありません。
人間は議論をすることにより、
頭脳や知能を発達させてきました。
この四字熟語が使われている社会こそ、
「健全な世の中である」とも言えるのではないでしょうか?
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国語力アップ.com管理人
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