この記事の所要時間: 420

 

今回は
捨象」の意味を
解説したいと思います。

 

「捨象」の意味を難しいと
感じる人はとても多いようです。

特に、現代文の勉強をし始めた受験生だと、
何が何だかさっぱりですよね?

そのため、具体例も交えて
わかりやすく解説したいと思います。

 

まずは、基本的な意味から
押さえておきましょう!

スポンサーリンク

捨象の意味

 

捨象」は
しゃしょう」と読みます。

意味を調べると、
以下のように書いてあります。

【捨象(しゃしょう)】

事物または表象からある要素・側面・性質を抽象するとき、他の要素・側面・性質を度外視すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

概念を抽象する際に、抽出された諸表象以外の表象を考察の対象から切り捨てること。

出典:三省堂 大辞林

上記2つの辞書から引用しましたが、
やはり難しいですね。

 

捨象」とは、
概念からある要素を抽象するとき、他の要素を捨てること
を言います。

 

これだけでは、
非常に分かりにくいと思います。

 

なぜ分かりにくいかというと、
それは「概念」や「抽象」の意味が
分かっていない人がほとんどだからです。

そのため、
「概念」や「抽象」が分からない人は、
まず以下の記事を参照してください。

>>概念と観念の意味をわかりやすく解説

>>抽象的の意味をわかりやすく解説

 

簡単におさらいすると、
概念」とは、
観念の共通している部分を抽象してまとめたもの

抽象」とは、
共通要素を見つけてまとめる(一般化する)こと

という意味でした。

これらを踏まえた上で、
捨象」の意味を解説したいと思います。

 

※区別しやすいように、
捨象」を水色、「抽象」を黄色で記述します。

スポンサーリンク

捨象を図解で解説

 

捨象」というのは、
図を使って説明するとわかりやすいです。

 

下記の図は、
上に行けば行くほど抽象化されており、
下に行けば行くほど具体化されている
といえます。

抽象的 意味 わかりやすく 対義語 例文

右下の犬を例にしてみます。

Aさんはポチを、Bさんは小春を、
Cさんはタロウを飼っていました。

Aさんにとって、
「ポチ」は、「小さくて」「人懐っこくて」「食いしん坊」
という性質を持った具体的な存在です。

 

しかし、
そんな「ポチ」を「犬」と呼んだとき、
「ポチ」を抽象化したことになります。

 

なぜなら、
隣に住んでいる「小春」も「タロウ」も
同じ「犬」と呼べるからです。

 

このように、
同じ性質を持つもの同士の共通点(この場合は犬)
を抜き出して、一つの概念としてまとめること

抽象」と呼びます。

 

ただし、
ここで大事なポイントは、抽象するときは
必ず他の性質は切り捨てられるということです。

この場合だと、
「ポチ」を「犬」と呼んだ瞬間に、
「小さくて」「人懐っこくて」「食いしん坊」
といった性質は切り捨てられます。

 

そして、
この「ポチの性質を切り捨てること
を「捨象」と呼ぶのです。

つまり、
捨象」というのは、
具体的な形や特徴を切り捨てること
とも言うことができます。

捨象と抽象の違い

捨象 抽象 違い

 

捨象」と「抽象」の違いが
分からないという人は多いです。

 

この2つの違いは何でしょうか?

 

ここまでの内容を整理すると、

捨象」=概念からある要素を抽象するとき、他の要素を捨てること。

抽象」=共通要素を見つけてまとめる(一般化する)こと。

ということでした。

 

先ほどの例で言うと、

捨象」とは、
「小さくて」「人懐っこくて」「食いしん坊」
といったポチの性質を切り捨てることです。

一方で、「抽象」とは、
ポチ・小春・タロウの中から「犬」という
共通要素を見つけて、抜き出すことです。

 

したがって、
共通要素を抜き出すのが「抽象
その時切り捨てられるのが「捨象
いうことになります。

 

このように、
捨象」というのは、
抽象」と同時に行われます。

なぜなら、
共通要素を抜き出すときは、
必ずそれ以外の性質を一緒に切り捨てないと、
まとめることができないからです。

スポンサーリンク

捨象の使い方・例文

捨象 使い方 例文

捨象」という言葉は、実際に
どのように使えばよいのでしょうか?

以下に例文を用意しましたので、
確認しておきましょう。

 

  • ニャン太の「黒い」「爪が長い」「大人しい」という性質を捨象すると、猫ということになる。
  • 犬・猫・牛から「ほ乳類」という共通事項を抽象し、それ以外を捨象することにより、一般化した言葉とする。
  • 青森産のりんご、酸っぱいりんご、青いりんご、虫にかじられたりんごなど、世の中には多種多様のりんごがあるが、それらの特徴の全てを捨象すると、およそ「リンゴ」と呼ばれるものになる。
  • 捨象抽象を別の視点から見た言葉である。取り出された性質に注目すれば抽象、捨てられた性質に注目すれば捨象となる。
  • 物理学者は、実験結果の中から一つを抽象し、他を捨象することによって、普遍的な法則を発見する。

※「普遍的」の意味は、
以下の記事を参照してください。

>>普遍的の意味とは?対義語や使い方も解説

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

今回は
「捨象」について解説しました。

 

内容をまとめると、

捨象」=概念からある要素を抽象するとき、他の要素を捨てること。

ということでしたね。

 

分かりやすく
具体的な形や特徴を切り捨てること
と覚えても良いです。

ポイントは、「概念」や「抽象」と
セットで覚えることですね。

今回は以上となります!

スポンサーリンク