「自由自在」という四字熟語をご存知でしょうか?主に「自由自在に操る」「自由自在に動き回る」といった使い方をします。
ただ、具体的にどのような場面で使うのか分かりにくい言葉でもあります。そこで今回は、「自由自在」の意味や語源、類義語、英語訳などを含め解説しました。
自由自在の意味・読み方
最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。
【自由自在(じゆうじざい)】
⇒自分の思うままにできるさま。思う存分に振る舞うさま。
出典:三省堂 新明解四字熟語辞典
「自由自在」は「じゆうじざい」と読みます。
意味は「自分の思うままにできるさま・思う存分に振る舞うさま」などを表したものです。
例えば、プロの料理人が自分の思うがままに食材を包丁で切っていたとしたら、「自由自在に包丁を操る」などのように用います。
また、パソコンの得意な人が自分の思うがままに使いこなしていたとしたら、「自由自在にパソコンを使う」などのように用います。
このように、「自分の思いのままに振る舞うこと」を「自由自在」と言うわけです。
自由自在の語源・由来
「自由自在」は、「自由」と「自在」の二語から成る四字熟語です。それぞれの意味を簡単に説明すると、以下のようになります。
「自由」=自分の意のままに振る舞うことができること。
「自在」=意のままであること。自分の思う通りにできること。
比較しても分かるように、どちらもほぼ同じ意味の語です。
元々、「自由」という語は古代中国における仏教用語で「好き勝手・自分勝手」などの意味で使われていました。つまり、「自分で勝手に物事を行うさま」を表した語だったということです。
ところが、明治初期に英語の「free(フリー)」の訳語に「自由」をあてたことで、現在のような意味になったと言われています。
「自由自在」は、この「自由」に対して「自在」という似た意味の語を重ね合わせた四字熟語ということになります。
自由自在の類義語
「自由自在」の「類義語」は以下の通りです。
この中だと「縦横無尽」は比較的よく使われます。「縦横」は「縦と横」、つまり「四方八方全ての方向」を指します。また、「無尽」は「尽きることが無い」と書くことから「限界がないこと」を表します。
この事から、「四方八方すべてに限界がないさま」⇒「制限なく、自由に行動するさま」を表し、「自由自在」とほぼ同じ意味の語(同義語)として使うことができます。
その他には、「思いのまま」「好き勝手に」などの語も類義語に含まれます。
自由自在の対義語
一方で、「自由自在」の「対義語」としては「手枷足枷(てかせあしかせ)」が挙げられます。
「手枷足枷」とは「行動の自由を束縛するもの」という意味で、「手枷足枷がはずれる」などのように用います。
「枷(かせ)」は「首や手足にはめて動けないようにする道具」を指します。転じて、ここでは「人の自由を制限するもの」という意味で使われています。
自由自在の英語訳
「自由自在」は、英語だと次のように言います。
「freely」(自由に・勝手に思い通りに)
「freely」は、名詞としての「free(自由)」を副詞にしたものです。英語ではこのように副詞の形として用いるのが一般的です。
例文だと、以下のような言い方です。
He speaks English freely.(彼は自由自在に英語を操る。)
The dog moves freely.(その犬は自由自在に動く。)
自由自在の使い方・例文
最後に、「自由自在」の使い方を例文で紹介しておきます。
- 彼女は日本語と英語を自由自在に操るバイリンガルである。
- 若者がパソコンを自由自在に使いこなすのを見るとうらやましく思う。
- 野生にいる動物は、自由自在に動くことができるのが特徴である。
- 渡した積み木は、自由自在に組み立ててもらって構いません。
- 今までの考え方にとどまるのではなく、自由自在な発想をしてもらいたい。
- 自由自在にカードを操るなんて、さすが彼はプロのマジシャンだね。
- 富士山を自由自在に上り下りできる人物など限られているだろう。
「自由自在」は「自分の思いのままに振る舞うさま」を表した四字熟語です。具体的な形のあるものから形がないものまで幅広い対象に使うことができます。
また、人間以外の動物にも使うことができるのが特徴です。この場合は、何にも束縛されず自由に動き回る動物などに対して使います。
なお、用例としては「自由自在に」「自由自在な」といったものが多いです。
まとめ
以上、本記事のまとめとなります。
「自由自在」=自分の思うままにできるさま・思う存分に振る舞うさま。
「語源・由来」=「自由」も「自在」も「自分の心のまま」という意から。
「類義語」=「縦横無尽・縦横自在・縦横無碍・変幻自在・三面六臂」
「対義語」=「手枷足枷」
「英語訳」=「freely」
「自由自在」という四字熟語は、対象の「自由さ」を強調した四字熟語です。これを機に普段の文章でも使って頂ければと思います。