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自問自答 意味 使い方 例文 類語 対義語 英語

 

自問自答」という四字熟語をご存知でしょうか?

使い方としては、「自問自答を繰り返す」「自問自答する日々を送る」などのように用います。ただ、具体的にどのような意味を持っているのか分かりにくい言葉でもあります。

そこで本記事では、「自問自答」の意味や使い方・類語などを詳しく解説しました。

自問自答の意味・読み方

 

最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。

【自問自答(じもんじとう)】

自らに問いかけて自ら答えをいうこと。納得がいかないことや疑問を、自分自身で反芻(はんすう)すること。また、あれこれ考えて思い悩むこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

自問自答」は「じもんじとう」と読みます。意味は、「自らに問いかけて、自らが答えを言うこと」です。

また、「納得いかないことや疑問に対して反芻すること」「あれこれと思い悩むこと」などの意味で使われることもあります。

「反芻(はんすう)」とは「頭の中で繰り返し考えること」だと考えて下さい。

例えば、今まで怠けた生活を送っていた人が、先輩のアドバイスにより心を入れ替えたとします。そして、今後の生き方について自らへ問いかけて、あれこれと頭の中で思い悩んで答えを出したとします。

このような場面では、「彼は自問自答した結果、もう一度頑張る決意をした」などと言うことができます。

つまり、自分自身の内面に問いかけ、苦悩の末に自ら答えを見つけることを「自問自答」と呼ぶわけです。主に自責の念にかられ、反省の意味を込めて用いられる場合が多いです。

自問自答の語源・由来

 

「自問自答」は、「自問」と「自答」から成る四字熟語です。

まず、「自問」とは字の通り「自分に問う」という意味です。

自分自身の心に「本当にこの判断でいいのか?」「大丈夫なのだろうか?」などとあれこれ考えながら心の声を聞いているような状況です。

そして、「自答」とは「自分で答える」という意味です。他人に頼らずに、自分自身で答えを引き出す様子を表しています。

以上、両者をわせることで「自問自答」は「自分の心の声を問き、答えを導く行為」を表す言葉であることが分かります。転じて、「あれこれ思い悩むこと」「繰り返して考えること」などの意味としても使われているわけです。

人間は常に頭の中で自分のことを考えています。「自問自答」とは、そのような毎日の生活において無意識に行っていることを表した四字熟語となります。

なお、この四字熟語は中国の故事に由来するようなものでありません。正確な起源などは不明ですが、日本で日本人により作られた四字熟語だと言われています。

自問自答の類義語

自問自答 類義語 言い換え 対義語

 

「自問自答」の「類義語」は以下の通りです。

自己観察(じこかんさつ)】⇒自分の意識やその状態を自ら観察すること。仏教用語の一つの「内観」と同意。「精神を集中して、自分の内面に心を向けること」を表す。
沈思黙考(ちんしもっこう)】⇒物事を静かに深く考えること。「沈思」は「冷静に思いをめぐらすこと」、「黙考」は「静かに考えること」を表す。
審念熟慮(しんねんじゅくりょ)】⇒正しい道を知るために、物事の本質を明かそうと深く考えること。「審念」とは「思うことを明確にすること」、「熟慮」とは「物事を深く考えること」を表す。

上記のように、自らのことを考えたり思い詰めたりする言葉となります。自分の内面に対して、深く見つめ直すような言葉であれば、「類義語」となります。

ただ、全く同じ意味の言葉、すなわち「同義語」と呼べるようなものはありません。

自問自答の対義語

 

逆に、「対義語」としては次の2つがあげられます。

無念無想(むねんむそう)】⇒あらゆる雑念がなく、無我の境地に至ること。※単に何も考えていないことを指すこともある。
明鏡止水(めいきょうしすい)】⇒雑念がなく、一点の曇りもない澄み切った状態のさま。

「対義語」の場合は、どちらも雑念のない状態を表した四字熟語です。あれこれ思い悩む様子とは、正反対の意味の言葉となります。

自問自答の英語訳

 

 

「自問自答」は、英語だと次の4つの言い方があります。

 

①「self-question self-answer(自問自答)」

②「ask oneself (自分自身に問う)」

③「answer one’s own question (自分自身の質問に答える)」

④「wonder to oneself (自分自身に不思議に思う・悩む)」

 

①は直訳なので、普段の文章の中では使いにくい表現です。②は直訳すると「自問」、③は「自答」という訳になります。

この中では④の「(~かしらと思う)」という意の「wonder」は使いやすい表現です。そのため、実際の文章で使う際には④を使うことを推奨します。

例文だと、次のような使い方です。

I have been wondering about my own future.(私は自身の将来について自問自答しているところです。)

He is wondering to himself  how to keep in touch with the expedition team.(彼はどうやって探検隊と連絡を取り続けようか自問自答している。)

「wonder」の後に「about」が続くこともあります。「wonder about~」で、「~について思案する・~について自問自答する」という意味になることも覚えておくとよいでしょう。

自問自答の使い方・例文

 

最後に、「自問自答」の使い方を例文で紹介しておきます。

 

  1. 「このままでいいのか。」と心の中で自問自答を繰り返した。
  2. 今後の自分の生き方について、もう一度自問自答をすることにした。
  3. 妻の死に対して「夫としてもっとできたのでは?」と自問自答を重ねた。
  4. 友人の死に対して、私は何度も自問自答を繰り返すことになった。
  5. 最近自分の過去の失敗を振り返り、自問自答の日々を送っています。
  6. 長年自問自答を重ねていたいたが、ついに納得する答えを出すことができた。
  7. ぶつぶつと自問自答をする日々を過ごすのも、長い人生においては大事だろう。

 

「自問自答」は、「自分自身の問いに自分で答えること」を表す四字熟語でした。この時の問いというのは、すでに説明したように過去の反省や後悔などの自責の念を元に行われることが多いです。

例えば、身内の死や過去の大きな失敗などといったものです。このような「悔やんでも悔やみきれない苦悩を、自分自身で問いかけて自ら答えを探していく」という意味で使うのが、本来の使い方だと言えます。

また、言い回しとしては「自問自答を繰り返す」「自問自答を重ねる」などが多いです。これはつまり、何度も考えることなので、「繰り返す」「重ねる」が多くなるということだと考えられます。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

自問自答」=自らに問いかけて、自らが答えを言うこと。あれこれと思い悩むこと。

語源・由来」=自分の心の声を問いて、答えを導きだすことから。

類義語」=「自己観察・沈思黙考・審念熟慮」

対義語」=「無念無想・明鏡止水」

英語訳」=「wonder to oneself」

「自問自答」は、自分の内面へ問いかける意味を持つ四字熟語です。思慮深い人間というアピールをする時にも使えますし、周りの人間と悩みを共有したいときにも使えます。ぜひ普段の文章の中で使ってみてはいかがでしょうか。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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