水平展開 ビジネス 使い方 同義語 垂直展開 横展開

「水平展開」という四字熟語を聞いたことがあるでしょうか?主にビジネスシーンで使われるもので、企業の説明会やプレゼンなどではよく耳にします。

ただ、具体的にどう使えばよいのかが分かりにくい言葉でもあります。また、似たような言葉の「横展開」や「垂直展開」との違いも気になる所です。

そこで今回は、「水平展開」の意味や例文、同義語などを簡単にわかりやすく解説しました。

水平展開の意味・読み方

 

最初に、読み方と簡単な意味から紹介します。

【水平展開(すいへいてんかい)】

すでにある技術や知識を、違う分野や場所でも活かすこと。特に、ビジネスの現場などで用いられる。

出典:実用日本語表現辞典

水平展開」は「すいへいてんかい」と読みます。

意味は「すでにある技術や知識を、違う分野や場所でも活かすこと」です。

例えば、ある飲食店が一つの店舗で成功した技術を別の店舗にも活かし、同じような店舗を増やしたとします。いわゆる、「チェーン展開」と呼ばれるものです。最初は1つの店舗しかなかったものの、5⇒10⇒20のように徐々にその数を増やしていくようなイメージです。

このようなビジネス戦略は、すでにある知識や技術を別の場所でも活かしています。よって、「水平展開」だと言えるわけです。

「水平展開」は、チェーン店を増やす戦略以外にも用いられます。例えば、会社では「A」という部署で得られた経験を、「B」という違う部署でも活用するといったことはよくあります。

  • 営業部での経験を販売部にも活用する。
  • システム部での技術を経理部にも応用する。
  • 広告宣伝部でのノウハウを営業部にも活用する。

このような行為もすでにある知識を違う分野で活かしているので、「水平展開」と言えるわけです。つまり、「水平展開」とは「今までの経験やノウハウを他の場面でも活用すること」を表す四字熟語ということになります。

水平展開の語源・由来

 

「水平展開」は、「水平」と「展開」の二語から成る四字熟語です。

まず、「水平」とは「水面のように平らなこと」「重力と直角に交わった方向」などを表します。一言で言えば、「横方向」を意味する言葉です。

そして、「展開」とは「広範囲に広げること」「物事を繰り広げること」などを表します。段ボールや空き箱などを切り開いて平らに広げることも「展開」の一つです。

整理すると、「水平展開」=「横方向に物事を大きく広げること」となります。転じて、ビジネスでは「今ある事業やノウハウをさらに広げる」という意味で使われているわけです。

私たちの身の回りを見ても、人気のお店や服屋などは新しい店舗が次々とオープンしています。これも今までの経験を新しい場所で活かす「水平展開」の一つだと言えます。

水平展開の類義語

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続いて、「水平展開」の「類義語」を紹介します。

事業拡大(じぎょうかくだい)】⇒今行っている事業をさらに大きく広げていくこと。
新規参入(しんきさんにゅう)】⇒新しい市場へ入ること。今の事業を新しい分野や市場へ広げること。
横展開(よこてんかい)】⇒事業を横方向へとさらに広げていくこと。
新規事業の開拓(しんきじぎょうのかいたく)】⇒(新規参入と同じ意味で、)新しい分野へ事業を広げること。

この中だと、「横展開」が意味としては最も近いと言えます。「水平展開」と「横展開」はほぼ同じ意味なので、「同義語」と定義しても構いません。

ただ、厳密に言うなら「横展開」は事業以外の対象にも使われることがあります。例えば、自分と他に関係がある人へメールを送ることを「メールを横展開する」などのように言います。この点が「水平展開」と「横展開」の違いだと言えるでしょう。

他の類義語は、「事業の規模を大きくする」「事業を新しい場所へ広げる」などの意味を表したものです。「水平展開」とほとんど同じような意味ですが、必ずしも今までの実績やノウハウを活かすわけではないという点が異なります。

水平展開の対義語

 

逆に、「対義語」としては次の言葉が挙げられます。

垂直展開(すいちょくてんかい)】⇒今持っている知識や技術をさらに突き詰め、より良いものにすること。

「水平展開」は横方向へ事業を広くひろげることでした。対する「垂直展開」は、縦方向に深く事業を掘り下げることを意味します。

飲食店などで例えるなら、一つの店舗の売り上げを最大化することが「垂直展開」に当てはまります。具体的には、コストを下げたり値段を上げたりといったあくまでその店舗でできる内容を深く掘り下げていくことです。

「水平展開」と「垂直展開」は、どちらも事業をパワーアップするためには欠かせない手法であると言えます。

水平展開の英語訳

 

「水平展開」は、「英語」だと次のように言います。

horizontal expansion(水平展開)」

horizontal business network(水平展開・ビジネスを横へ広げる)」

「horizontal」は「水平の・地平線の」、「expansion」は「拡張」という意味です。水平線のように横に広くひろげていくことから、「水平展開」の訳として使うことができます。

また、もう一つの方は「ビジネスの網を横に広げていく様子」を表しています。企業文書などでは、こちらのほうがよく使われます。

それぞれの例文は以下の通りです。

Our company should promote horizontal expansion.(私たちの会社はもっと水平展開すべきである。)

This company is going to do horizontal business network.(この企業は水平展開を行う予定だ。)

水平展開の使い方・例文

 

最後に、「水平展開」の使い方を例文で確認しておきましょう。

  1. 現在持っている技術を新規市場へと水平展開していくつもりです。
  2. 今回の水平展開が上手くいかなかった原因は、会社全体にある。
  3. ビジネスでは、水平展開と垂直展開のバランスが特に重要である。
  4. 人気のゲーム商品のノウハウを他のゲーム機種にも水平展開していく。
  5. 過去に成功した事例を、他の部署へも水平展開するようにしてください。
  6. 新店舗をうまく水平展開することで、今後の利益の増加が見込まれます。
  7. 災害事例をその地域だけでなく他の地域にも水平展開していく予定です。

 

すでに説明したように、「水平展開」とは、今ある事業のノウハウを他の場所に広げることでした。したがって、基本的にはビジネスにおいて使われる言葉だと考えて問題ありません。

例文のように、店舗を新たに拡大したり新商品の技術を他に応用したりするシーンで使われます。最近では、「事業拡大」の方を使うケースもありますが、やはり「水平展開」をプレゼンなどで使う企業は多いです。

それだけビジネスを発展させる上で、必須の考えということです。会社内で企画文書などを作る時は、ぜひ上記例文のように使ってみてください。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

水平展開」=すでにある技術や知識を、違う分野や場所でも活かすこと。

語源・由来」=横方向に物事を大きく広げることから。

類義語」=「事業拡大」「新規参入」「横展開」「新規事業の開拓」

英語訳」=「horizontal expansion」「horizontal business network」

事業規模を大きくするには、「水平展開」を行うことが必須です。これを機に正しいビジネス用語として覚えて頂ければと思います。