洗練された 意味 使い方 類義語 対義語 英語

「洗練」という言葉は、「洗練された部屋」「洗練されたデザイン」などのように使います。ただ、具体的な意味が分かりにくいと感じる人も多いと思われます。

そこで今回はこの「洗練」について、例を使いなるべく簡単にわかりやすく解説しました。後半では「類義語」や「対義語」「英語訳」などにも触れています。

洗練の意味

 

まず、「洗練」の意味を辞書で引くと次のように書かれています。

【洗練(せんれん)】

詩歌・文章の表現を推敲して、よりよいものにすること。

人柄や趣味などを、あかぬけのした優雅・高尚なものにすること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

洗練」とは「文章を推敲してよりよいものにすること」「人柄や趣味などを優雅・高尚なものにすること」などの意味です。

「洗練」は、「洗う」と「練(ね)る」が組み合わさったできた言葉です。

「洗う」というのは「洗濯」をイメージすると分かりやすいでしょう。つまり、臭いや汚れなどの余計なものを取り除くということです。

一方で、「練る」は「文章を練る」「技を練る」などの表現が分かりやすいです。こちらは文章をよりよいものにしたり、技を磨き上げて上品にしたりといったことです。

ここから漢字本来の意味を考えると「洗練」とは余計なものを取り除き、なおかつ磨き上げて上品にする行為を表す言葉であることが分かります。

洗練の使い方

 

では、「洗練」という言葉は実際にどのように使うのでしょうか?以下によく使われる代表的なものを3つ挙げました。

【洗練されたデザイン】

洗練されたデザイン ファッション

洗練されたデザイン」とは「余計な装飾が取り除かれていて、上品な印象を与えるデザイン」という意味です。

言いかえれば、「シンプルで高級なデザイン」と考えると分かりやすいでしょう。

「デザイン」というのは、凝り出すとキリがありません。そのため、あまり凝りすぎずに、単一または二色カラーなどで仕上げたすっきりしたデザインを「洗練されたデザイン」と言うのです。

これと似たような使い方としては、「洗練されたファッション」が挙げられます。

「洗練されたファッション」とは「余計な色・装飾などがなく上品なイメージを与えるファッション」という意味です。シンプルでありながら、なおかつ、おしゃれな印象を与えるような時に使う表現です。

【洗練された人】

洗練された人 雰囲気

洗練された人」というのは、様々な意味を含んだ表現です。例えば、「垢抜けた人」などが挙げられます。

「垢抜ける(あかぬける)」とは田舎臭さが抜けて都会的な雰囲気になることです。

田舎の学生が都会に出てくると、おしゃれな髪型や服装に変わることがあります。その場合、「彼は洗練された」「彼女は垢抜けた」などのように言います。

他には、知性や上品さを持った大人の男性・女性に対して「洗練された人」「洗練された女性」と呼ぶ場合もあります。

知性や上品さは、経験によって磨くことができます。そのため、人の能力や性質などに使うこともあるのです。

【洗練された文章】

洗練された文章 表現

洗練された文章」とは「無駄な言葉や表現がなく、すっきりした文章」という意味です。

文章というのは、最初に書いただけだとどうしても余計な言葉や表現が多くなってしまいます。そこで、文章を洗練することにより、読者に簡潔に伝えることができるのです。

一見すると小難しい言葉を付け加えたり、回りくどい書き方をした方が賢い文章にも見えがちです。

しかし、当たり触りのない普通の言葉しか使わなくても、文章というのは深い内容を表現することができます。そして、実際に文章を書くプロのライターもシンプルな書き方を意識しているのです。

なお、「文章」に対して使う「洗練」は「推敲」と同じ意味になります。「推敲」とは「文章を十分に吟味して練り直すこと」です。

洗練の類義語

 

続いて、「洗練」の類義語を紹介します。

垢抜ける(あかぬける)】⇒田舎臭さが抜けて都会的な雰囲気になること。
(いき)】⇒態度や身なりなどが垢抜けして、色気があること。
磨き上げる(みがきあげる)】⇒よりすぐれた状態にする。

「垢」というのは、泥臭さや田舎臭さを表しています。つまり、これらの余計なものを取り除くということです。「垢抜ける」は基本的に人の見た目に対して使います。

「粋」に関しては主に「粋な人」「粋な姿」などの使い方をします。また、「男女の人間関係についてよく理解している」という意味で使うこともあります。

最後の「磨き上げる」は「よりよいものにする」という意味です。「腕を磨き上げる」「経験を磨き上げる」など形のないものに対しても使えるのが特徴です。

洗練の対義語

 

一方で、「洗練」の「対義語」は以下のような言葉があります。

野暮(やぼ)】⇒言動や趣味などが、洗練されていないこと。
粗野(そや)】⇒言動が下品で荒々しく、洗練されていないこと。
無骨(ぶこつ)】⇒洗練されていないこと。無作法なこと。

「野暮」は「洗練されていない・人情の機微に通じていない」などの意味を持ちます。「野暮」自体でも使えますが、「野暮ったい人」「野暮ったい趣味」のように後ろに「ったい」を付けることもあります。

また、「粗野」は「下品で荒々しい」という意味が強調されます。主に「粗野な発言」「粗野なふるまい」などの使い方をします。

最後の「無骨」は「無作法なこと・失礼なこと」という意味です。主に「無骨な人」「無骨なふるまい」などの使い方をします。

洗練の英語訳

 

「洗練」は、英語だと次のように言います。

refined(精製した・洗練された・上品な)

elegant(優雅な・上品な・気品の高い)」

sophisticated(洗練された・教養のある・精巧な)」

「refined」は元々、「油などの原料を精製する」という意味で使われていました。転じて、現在では「上品な」という意味でも使うことができます。

また、「elegant」は男性だと「優雅な」、女性だと「上品な」という意味で使います。相手に対して気品の高いイメージを与える時に使います。

最後の「sophisticated」は理系用語で「複雑で高機能な」といった意味です。人間に対して使う場合は「教養のある・人生経験が豊富な」などの意味で使います。

どれもよく使われている英単語ですが、この中では「sophisticated」が一番使いやすいでしょう。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

This product is a refined product.(この商品は精製品である。)

He is a person who gives an elegant impression.(彼は優雅な印象を与える人だ。)

She started to wear sophisticated clothes.(彼女は垢抜けした服を着るようになった。)

洗練の使い方・例文

 

最後に、「洗練」の使い方を実際の例文で紹介しておきます。

  1. A社の住宅は、屋根や外壁などが洗練されたデザインである。
  2. この家具は、見た目や雰囲気に洗練された美しさを感じる。
  3. ウエイターたちの手際のよい洗練された動きに感心した。
  4. 彼の書く文章は論理的で、かつ洗練されたものとなっている。
  5. 彼女は20歳とは思えないほど、洗練された雰囲気を持っている。
  6. 彼の洗練された考え方には、誰もが尊敬の念を抱いている。
  7. 日本人は、世界でも有数の洗練された作法を身につけている。

 

「洗練」は、例文のように見た目や雰囲気、文章、人柄など様々な対象に使うことができます。

共通しているのは、磨き上げた結果「上品ですっきりしたものになる」ということです。

余計なものを省き、優雅・高尚な状態になっていれば、それは「洗練されている」と言えます。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

洗練」=文章を推敲してよりよいものにすること。人柄や趣味などを優雅・高尚なものにすること。

使い方」=「洗練されたデザイン・洗練された人・洗練された文章」など。

類義語」=「垢ぬける・粋・磨き上げる」「対義語」=「野暮・粗野・無骨」

英語訳」=「refined「elegant」「sophisticated」

「洗練」は、余計なものを取り除き、磨き上げて高尚にすることです。覚え方としては、「ってるので上品になる」と考えれば分かりやすいでしょう。