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ロゴスと言葉  要約 問題 解説 感想 テスト対策 現代文

 

『ロゴスと言葉』は、高校国語・現代文の教科書で学ぶ評論文です。ただ、実際に本文を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる人も多いと思われます。

そこで今回は、『ロゴスと言葉』のあらすじや要約、テスト対策などをわかりやすく解説しました。

『ロゴスと言葉』のあらすじ

 

本文は4つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①ロゴスというギリシア語には複雑多様な意味があるが、ロゴスの動詞にあたる<レゲイン>の基本的な意味は「とり集めて目の間に置く」ということである。「とり集める」といっても、ただ乱雑な集積をつくるのではなく、一定の尺度にしたがって多種多様な異物を一つのカテゴリーに括ることだから、<秩序化>と<統一>を含む概念と言えるだろう。そうしてみると、ロゴスという言葉はすでに分節され秩序化されている事物にラベルを貼り付けるだけのものではなく、その正反対に名づけることによって異なるものを一つのカテゴリーにとり集め、世界を有意味化する根源的な存在喚起力として捉えられていたことになる。

②ロゴスとしての<名=言葉>があって初めて世界は分節され、実質的なもろもろの差異が構造的同一性で括られることによって存在を開始する。ロゴスが生み出したカテゴリーこそが、一見自存的実体と思われていた<指向対象>だと言わねばならない。<語る>ことは真の意味で<名づける>ことであり、言葉による外界の解釈であり、それと同時に私たちの身と意識も差異化されるという相互作用がある。

③幼児が言葉を覚えていく過程で、すでに習得したいくつかのカテゴリーにまたがる言葉が新たに入ってくると、新しい指向対象が出現して混乱することがある。命名を繰り返すことで、知覚の上に刻一刻と密になる認識の網の目がかぶせられ、本能図式は言葉による再編成を強いられるのである。

④ヘレン・ケラーのエピソードも同じである。ヘレン・ケラーがwaterという語を認識した時、外界は以前とは別様に分節され、言葉の指向対象としての「水」になった。この「water」も実体的な一語なのではなく、彼女が習得したのは「最初の文節」つまりはwater/non-waterという差異化だったのである。

『ロゴスと言葉』の要約解説

 

要約ロゴスとは、一定の尺度にしたがって多種多様な異物を一つのカテゴリーに括ることであり、世界を有意味化する根源的な存在喚起力として捉えられていたものである。言葉によって外界は解釈され、差異化され、それと同時に私たちの身と意識のほうも差異化されるという相互作用が存在する。繰り返しの命名を通して、知覚の上に刻一刻と密になる認識の網の目がかぶせられ、本能図式は言葉によって再編成を強いられるのである。(196文字)

私たちは通常、ものがまず存在し、その後に人がものに名前を付ける。と考えがちです。ところが、筆者はそうではないのだと主張します。

筆者は、名前を付けること、つまり命名を通して私たちはこの世界を認識するのだと主張します。この事を、本文中では「言葉は名づけることで世界を有意味化する」「言葉により私たちの身と意識が差異化されるという相互作用がある」などのように表現されています。

具体的な例で言うと、本文中では「熊」が挙げられています。古来から、熊は名前を口にするだけで危険な害をなす可能性がある動物ということが信じられていたため、スラブ語では「蜂蜜」、古代高地ドイツ語では「褐色のもの」という仮の名で呼んでいた風習が存在しました。

これは「名が対象を出現させる」つまり、「言葉によって初めて物事が存在する」という筆者の主張を補足している例だと言えます。

このように、言葉と物事のどちらが先か?ということを論じた文章は入試においても出題されやすいです。大抵の場合、言葉によってこの世界の認識が始まるという内容のものが多いです。

初めからこの世界は認識されているというわけではなく、「<名=言葉>によってこの世界は初めて分けられる」という筆者の主張を読み取れるかどうかがポイントとなります。

『ロゴスと言葉』のテスト問題対策

 

問題1

次の文の下線部の漢字を答えなさい。

①自らの言動をセイサツする。

チツジョを乱す行動をしない。

③自分の部屋をセイトンする。

シンラバンショウの共鳴を感じ取る。

⑤観客の注意をカンキする。

⑥盛大にギシキを執り行う。

⑦新しい作品をヒロウする。

アミの目をくぐり抜ける。

解答①省察 ②秩序 ③整頓 ④森羅万象 ⑤喚起 ⑥儀式 ⑦披露 ⑧網
問題2

次の内、本文の内容を適切に表したものを選びなさい。

(ア)ロゴスというギリシア語は、「とり集めて目の前に置く」という基本的な意味があるが、「とり集める」と言っても多種多様な異物を一つのカテゴリーに括ることはできない。

(イ)ロゴスとしての言葉は、秩序化されている事物を言葉の力で分節化し、ラベルを貼り付けることで根源的な存在喚起力として捉えられていたことになる。

(ウ)ロゴスとしての<名=言葉>があって初めて世界は分節され、実質的なもろもろの差異が構造的同一性で括られることにより、存在を開始するのである。

(エ)ヘレン・ケラーが最初に覚えた言葉は実体的な一語であったため、彼女が習得したのは「最初の分節」つまりはwater/non-waterという差異化だったのである。

解答(ウ)
問題3

「繰り返し、繰り返し命名を通して、知覚の上に刻一刻と密になる認識の網の目がかぶせられ、本能図式は言葉による再編成を強いられる」とはどういうことか?次の選択肢の中から選びなさい。

(ア)感覚=運動的分節から言葉による分節へと移行していく象徴化過程において、カテゴリー同士が網の目のように結びつき、一つのカテゴリーとして統一化されていくということ。

(イ)自然の生物的な区切りではなく、非自然的な画定により、私たちが認識していなかったカテゴリー同士が混ざり合い、本能的に納得できるような言葉の認識ができるということ。

(ウ)「デンシャは人間か、人形か」という疑問から理解できたように、別のカテゴリー同士の命名を私たちの知覚で行い、本能的に理解できるような言葉として新たに作り直すこと。

(エ)新しい言葉を認識した時に、新しい指向対象が誕生し、カテゴリーが相互に入り混じって混乱し、次第に分節化されていなかった世界のイメージが書き換えられていくということ。

解答(エ)

まとめ

 

以上、本記事では『ロゴスと言葉』のあらすじや要約などについて解説しました。ぜひ定期テストなどの対策として頂ければと思います。なお、本文中の重要語句については以下の記事でまとめています。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。