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綺麗 奇麗 違い 意味 使い分け

 

「きれい」という言葉は普段からよく使われています。ただ、これを漢字にすると2通りの表記があります。

「彼女は綺麗な人だ」「部屋を奇麗にする」

両方とも似たような漢字ですが、どのように使い分ければいいのでしょうか?今回は、「綺麗」と「奇麗」の違いについて詳しく解説しました。

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綺麗・奇麗の意味

 

まず、「きれい」の意味を辞書で引くと次のように書かれています。

【綺麗/奇麗(きれい)】

色・形などが華やかな美しさをもっているさま。

姿・顔かたちが整っていて美しいさま。

声などが快く聞こえるさま。

よごれがなく清潔なさま。

男女間に肉体的な交渉がないさま。清純。

乱れたところがないさま。整然としているさま。

⑦(「きれいに」の形で)残りなく物事が行われるさま。すっかり。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

上記のように、「綺麗」と「奇麗」は一つの項目として載っています。つまり、辞書としての意味はほぼ変わらないことになります。

大まかな意味としては、2つに分けられます。

1つ目は、「美しい」という意味です。

【例】

  • 彼女はきれいだ。
  • きれいな花が咲く。
  • きれいなドレスを着る。

そして、2つ目は「清潔」という意味です。

【例】

  • きれいな水。
  • きれいな部屋。
  • きれいな空気。

意味については、どちらも日常的に使われているので大丈夫でしょう。

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綺麗と奇麗の違い・使い分け

綺麗 奇麗 違い

 

「きれい」の大まかな意味は理解できました。では、実際のところ両者はどう使い分ければいいのでしょうか?

結論から言いますと、報道機関が「奇麗」もしくは「きれい」を使っているので、原則として「奇麗」を使う、ということになります。ただ、「綺麗」の方を使っても決して誤りではありません。

まず、分かりやすいように両者の語源を確認しておくと、「綺麗」の「」は「あやぎぬ。あや織りの絹」などの意味があります。転じて、「美しい」という意味で使われています。

一方で、「奇麗」の「」は「めずらしい・気味が悪い・あやしい」などの意味があります。これは「奇術」「奇怪」などの熟語があることからも分かるかと思います。

そして、両者に共通する「」は、「美しい」という意味です。

ここから漢字本来の意味を考えると、

綺麗」=純粋に美しい。

奇麗」=めずらしいほど美しい。気味が悪いほど美しい。

となります。

つまり、漢字の語源としては「綺麗」の方が正しいということになるのです。冷静に考えて、後者の意味で使うことはほぼないでしょう。

では、なぜ「奇麗」の方を使うべきなのかと言うと、その理由は過去の歴史にあります。実は「綺麗」の「」は常用漢字ではありません。

「常用漢字」とは「一般人が日常生活でこれくらいは使う」という目安を国が示したものです。この中に、「綺」という字は含まれていないのです。

厳密に言うと、元々は「綺」を使っていましたが、戦後の漢字改革でこのような難しい漢字は使わない方針になりました。

そのため、新聞やテレビなどの報道機関では、「きれい」もしくは「奇麗」を使っているのです。したがって、私たち一般人としては、原則として「奇麗」を使えば問題ないという結論になるわけです。

ただ、実際には両者を使い分ける場面も多々あります。そのあたりの使い方をもう少し詳しく説明していきたいと思います。

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綺麗と奇麗の具体的な使い方

綺麗 奇麗 使い分け

 

ここからは、具体的なケースを想定して使い分けを考えていきましょう。

①公文書で使う場合

 

公文書」とは国や役所が作成する文書のことです。

この場合は「奇麗」もしくは「きれい」を使うのが原則です。常用漢字を決めている張本人なため、当然と言えば当然ですね。

「綺麗」を使っても間違いではありませんが、多くの公文書では「綺麗」は使われていません。

②本や小説で使う場合

 

この場合はどちらを使っても問題ありません。なぜなら、本や小説などの個人の作品は自由に言葉を使ってよいからです。

「言論の自由」「発言の自由」などの言葉を聞いたことがあると思います。これらの作品には常用漢字は関係ないのです。

他には、音楽や映画なども自由に決めて問題ない対象と言えます。

③学校のテストで書く場合

 

学校のテストで、「きれい」が出題される可能性は極めて低いと言えるでしょう。ただし、もしも主題された場合は、「奇麗」を使っておくのが無難です。

なぜなら、学校教育というのは常用漢字を目安に行われているからです。通常、常用漢字外の「綺麗」のような言葉は、意味が正しくても使わないのが慣例です。

ちなみに、記述や論述の場合は漢字ではなく「きれい」と書くことを推奨します。

④メールや手紙で書く場合

 

メールや手紙で、「きれい」を漢字で書くこともあります。その場合は、相手にもよりますがどちらを使ってもよいでしょう。しいて言うなら、「綺麗」の方が相手に伝わりやすい印象はあるかもしれません。

「奇」という字は、「奇妙」「奇怪」などがあるように、一般的には「美」のイメージがありません。そのため、文脈次第では相手に誤解されてしまう可能性もあるからです。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

綺麗」=純粋に美しい。

奇麗」=めずらしいほど美しい。気味が悪いほど美しい。

使い分け」⇒原則として「奇麗」を使うが、「綺麗」でも誤りではない。

普段の文章では、どうしても漢字で書く必要があるというわけではありません。あくまで、どちらかを選ぶなら「奇麗」を使うという話です。ただし、公文書などで用いる場合は必ず「奇麗」の方を使うようにしましょう。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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