保証 保障 違い 補償 意味 使い分け

「ほしょう」という言葉は、その使い方によって漢字が異なります。

「身分を保証する」「自由を保障する」

さらに、似たような言葉で「補償」が使われることもあります。そこで今回は、「保証・保障・補償」の違いについて詳しく解説しました。

保証の意味

 

まずは、「保障」の意味からです。

【保証(ほしょう)】

間違いがない、大丈夫であると認め、責任をもつこと。

債務者が債務を履行しない場合に、代わって債権者に債務を履行する義務を負うこと。 

出典:デジタル大辞泉(小学館)

保証」には二つ意味があります。一つ目は、「人や物に対して責任を持つこと」という意味です。

この場合は、以下のように使います。

 商品の品質を保証する。

つまり、「品質に責任を持つ」ということです。

「保証」の「証」という字は、「証明」の「証」からきています。

「証明」とはウソや間違いがないことを認めることなので、そこには必ず責任が発生します。したがって、「人やモノに対して責任を持つこと」を「保証」というのです。

二つ目は、「債務者が債務を履行しない場合に、代わって債権者に債務を履行する義務を負う」という意味です。

「債務者」とは「お金を借りている人」、「債権者」とは「お金を貸している人」を指します。そして、「債務を履行(りこう)する」とは、「お金を払うことを実行する」という意味です。

つまり、お金を借りている人が返さない場合、代わりの誰かが、貸している人へ返す義務を負うことを「保証」というわけです。

例えば、「債務者」=Aさん、「債権者」=Bさん、「連帯保証人」=Cさんのような設定があるとします。

AさんはBさんから100万円を借りていました。ここで、CさんはAさんの連帯保証人となりました。

もしもAさんが100万円を返せなくなった場合、CさんがBさんに100万円を返す義務が発生します。

この時、Cさんのことを「借金の保証人」や「連帯保証人」などと呼ぶのです。このように、法律の世界ではお金の貸し借りに必ず「保証人」がつくことになります。

保障の意味

 

次に、「保障」の意味です。

【保障(ほしょう)】

ある状態がそこなわれることのないように、保護し守ること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

保障」とは「国や社会が状態を保護して守ること」を意味します。例えば、以下のような使い方です。

 国が最低限の生活を保障する。

この場合は、「最低限の生活という状態を守る」という意味です。

「保障」の「障」には「障害(barrier・バリアー)」という意味があります。

「バリアー」とは攻撃や不安から自分を守るものです。よって、攻撃や不安がないように守ることを「保障」と言うわけです。

一般的には、守る対象は生活や自由、安全、人権など国や社会が守るべきものが多いです。

補償の意味

 

最後に、「補償」の意味です。

【補償(ほしょう)】

損失を補って、つぐなうこと。特に、損害賠償として、財産や健康上の損失を金銭でつぐなうこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

補償」とは「損害が出た場合の穴埋めをお金で行うこと」を意味します。こちらも例文を紹介しておきます。

 交通事故の損害を補償する。

つまり、交通事故によって起きた損害をお金で解決するということです。

「補償」の「償」には、「償(つぐな)う」という意味があります。

償(つぐな)う」とは「埋め合わせる」という意味です。したがって、何か損害が出た場合に、その損失分をお金で埋め合わせることを「補償」と言うわけです。

保証・保障・補償の違い

保証 保障 補償 違い 使い分け

ここまでの内容を整理しておくと、

保証」=人や物に対して責任を持つこと。

保障」=国や社会が状態を守ること。

補償」=損害が出た場合の穴埋めをお金で行うこと。

ということでした。

まず最初に、「保証」と「保障」の違いを整理してきましょう。

この二つの違いを一言で言うと、何を対象にするかだと言えます。

「保証」は、人や物を対象にします。一方で、「保障」は自由や安全など状況や状態を対象とするのです。

さらに付け加えると、「保証」は責任が強調され、「保障」は守ることが強調される言葉と覚えておけば完璧でしょう。

そして、残った「補償」ですが、「補償」に関してはそもそも損害を受けないと使われない言葉です。したがって、「補償」は家や自動車など、実際に損害を受けた場合に初めて使われる言葉と覚えておきましょう。

なお、それぞれの「類義語」は以下の通りです。

【保証の類義語】⇒「誓う・約束する・引き受ける・太鼓判を押す

【保障の類義語】⇒「保護・無事・安全・警備・セキュリティー

【補償の類義語】⇒「補填・償い・代償・対価・弁償・埋め合わせ

「保証」は、「大丈夫である」と約束するような言葉、「保障」は「安全を請け合い、保護すること」、「補償」は「損失を埋め合わせる言葉」となります。

使い方・例文

 

最後に、それぞれの使い方を例文で紹介しておきます。

【保証の使い方】

  1. この冷蔵庫は、メーカーの保証期間がとても長い。
  2. 役所で身分を保証する書類を、提出するように言われた。
  3. 軽い気持ちで借金の保証人になってはいけないと学んだ。
  4. 保証協会から、安い金利で融資を受けることとなった。
  5. この商品は、品質を保証するようなものではありません。

【保障の使い方】

  1. 日本は憲法によって自由が保障されている国だ。
  2. 日本とアメリカの間で安全保障条約が結ばれる。
  3. 年金のおかげで、老後の生活がある程度保障される。
  4. 若者の社会保障費の負担は年々増え続けている。
  5. 昨今は人権の保障が叫ばれる時代になった。

【補償の使い方】

  1. 津波による災害を補償するシステムが整備された。
  2. 事故にあったため、保険会社から補償金が支払われた。
  3. 今回の地震により。損害補償の額が1億を超えた。
  4. 遺族補償年金の支給要件を確認してください。
  5. 損害保険の、補償内容や補償金額を確認する。

 

補足すると、「給与」に関しては使い方が決まっているわけではありません。

例えば、コロナウイルスによる休業で給与が大幅に減ってしまった場合、企業が月の給与を全額支援したりするのは「保証」です。なぜなら、「企業が責任をもって部下達の面倒を見ます」という意味合いだからです。

しかし、国などが減少分を部分的に支援するような場合は、「補償」の方を使います。なぜなら、この場合は「給与の損失分を限定的に埋め合わせる」という意味だからです。

このように、「ほしょう」という言葉は、扱う対象によっても微妙に異なってきますので、状況に応じてうまく使い分けるようにしてください。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

保証」=人や物に対して責任を持つこと。「人や物」が対象。

保障」=国や社会が状態を守ること。「状況や状態」が対象。

補償」=損害が出た場合の穴埋めをお金で行うこと。損害を受けて初めて使われる。

いずれの「ほしょう」も、日常生活でよく使われる漢字です。ぜひ正しい使い方を理解していただきたいと思います。