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一人一人 一人ひとり 違い ひとりひとり表記 書き方 どちらが正しい

 

ひとりひとり」という言葉は、
漢字で書く場合とひらがなで書く場合があります。

また、お互いが混ざり合いながら使うこともあります。

一人一人」「一人ひとり」「ひとりひとり

このように、さまざまな表記がされている言葉ですが、
一体どれが正しい書き方なのでしょうか。

また、どのように使い分ければいいのでしょうか。

今回は「ひとりひとり」について詳しく解説しました。

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公文書では「一人一人」を使う

 

結論から言いますと、
どれを使っても決して間違いではありません。

言い換えれば、
「どれを使えば正しい」「どちらが正しい」などの定義はないということです。

ただし、
公文書」や「公用文」などでは「一人一人」を使うことが推奨されています。

実際に、「文部科学省」の「用事用語例」では、
以下のような記述がされています。

「ひとりひとり」=「一人一人」と書く。

この内容は、
平成23年3月の「文部科学省用字用語例」に載っています。

「文部科学省」の用語例では常用漢字表にならい、
「一人一人」と表記するように決めているのです。

なお、これは公文書や公用文など国が作成する文書に限った話ですので、
その他の業界では少々事情が異なります。

例えば、新聞やテレビなどの報道関係では、
微妙に使い分けがされているようです。

なので、その辺りの事情を詳しく説明していきたいと思います。

「一人一人」か「一人ひとり」か

一人一人 一人ひとり ひとりひとり

 

まず、そもそもなぜ2つの表記が存在するかと言いますと、
それは過去の歴史に起因しています。

元々昭和23年の内閣告示、「当用漢字表」では、
「ひとり」を「一人」と漢字で書くことができませんでした。

そのため、
昭和25年の『文部省刊行物表記の基準』及び昭和28年の「文部省用自用語例」では、「ひとり」とひらがなで書くことになっていたのです。

 

しかし、昭和48年に改訂された「当用漢字音訓表」の付表により、
「ひとり」は漢字で「一人」と書くことができるようになりました。

したがって、現在の「文部省用字用語例」では、
「ひとりひとり」は「一人一人」と漢字で書くようになったのです。

※厳密に言いますと、
新聞業界ではすでに昭和35年からの『新聞用語集』により、
「一人」と漢字で書くことが認められていました。

これは、昭和56年の内閣告示「常用漢字表」にも受け継がれています。

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新聞・テレビ業界での表記

新聞 報道 使い分け

 

一方で、現在の新聞業界では
「一人一人」ではなく「一人ひとり」などの表記も用いられています。

以下、実際の用例です。

  • 市民一人ひとりとどう結びつくかが問われている。
  • 侵略から我が国を守るため、最善の努力を尽くすことは、国民一人ひとりの努力であり、~

 

このように、新聞やテレビなどの報道業界で、
「一人一人」が使われていないのにはいくつか理由があります。

「ひとり」と書くことが、それまでの公用文・教科書などで定着していたため。

「一人一人」と書くと、前後に漢字が来た場合、漢字が続いて読みにくい印象を与えるため。

【例】⇒「私達一人一人」「一人一人決定する」など。

ただし、この理由もあくまで慣習的なもので、
同じ新聞社でも各新聞紙によってルールが異なります。

例えば、「共同通信社」の『新・記者ハンドブック(昭和50年)』では、「ひとり」の項目に「一人一人、一人びとり」と書き、後に訂正された『記者ハンドブック(昭和56年)』では「一人一人、一人ひとり」と表記されています。

すなわち、
どちらも使っても問題ないということです。

 

また、NHKの「NHK編新用字用語辞典(昭和56)」では、
次のような表記がされています。

ひとりひとり(一人一人)

この場合も、基本は「ひとりひとり」を使うが、
「一人一人」でも問題ないという意味です。

 

以上の事から考えると、
新聞業界ではどれを使ってもよいという結論になります。

しいて言うならば、「一人ひとり」を使うことが多いですが、
前述したように各新聞紙によって使い分けが異なっています。

この言葉は、「いちにんいちにん」と読まれれることはありません。

したがって、
公用文の場合のように「一人一人」と書いてもよいですし、
「一人ひとり」「ひとりひとり」と書いても構わないのです。

なお、「ひとり一人」という表記も一応は可能です。

ただし、現在では一般的ではない表記なので、
無理して使う必要はないでしょう。

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公用文・新聞以外での使い分け

 

補足すると、公用文や新聞以外での表記、例えば、
本や小説、レポートなどの場合もどれを使っても問題ありません。

これらの文章に関しては、
結局の所、書き手の意思や好みなども反映されてきます。

例を挙げると、
「ひとりひとりのおもてなし」という書き方だと
平仮名ばかりが続いて何となく稚拙な印象を与えてしまいます。

 

逆に、「一人一人審議する」のような場合だと、
漢字ばかりが続いて堅苦しい印象を与えかねません。

そんな時に、各人の裁量で
「一人一人のおもてなし」「一人ひとり審議する」のように書くわけです。

もちろん、
「漢字ばかりが続いて何がいけないんだ」と言う人もいるでしょう。

そこは、完全に個人の趣向の問題です。

無理に一つにこだわる必要はない、と考えて下さい。

まとめ

 

以上、内容を簡単にまとめると、

一人一人・一人ひとり・ひとりひとり」⇒どれを使っても意味自体に違いはない。

ただし、公文書公用文」では「一人一人」と書くことが推奨されている。

その他、新聞やテレビなどの報道関係、小説などではどれを使っても問題ない。

となります。

 

「公文書」や「公用文」以外では、
場面によってどれを使うか選択することができます。

後はそれぞれの判断によって自由に使い分けるようにしてください。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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