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反復法 対句法 違い 例文

 

反復法」と「対句法」は、どちらも中学の国語で学ぶ内容です。

ただ、この2つは意味が似ているため、間違えやすいことでも知られています。

そこで本記事では、「反復法」と「対句法」の違いや使い分けを分かりやすく簡単に解説しました。

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反復法の意味・例文

 

まずは、「反復法」の意味からです。

【反復法(はんぷくほう)】

修辞法の一。同一または類似の語句を繰り返すもの。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

反復法」とは、分かりやすく言うと「同じもしくは似た言葉を繰り返す技法」のことです。

一言で「「畳句(じょうく)」「繰り返し」「リフレイン」などと呼ばれることもあります。

例えば、以下の例文は「反復法」を用いたものだと言えます。

①「痛い。痛い。

②「美味しい。美味しい。美味しい。

①は「痛い」という語句を2回繰り返しています。

2回繰り返すことで、その人が痛がっている様子が読者にリアルに伝わってきます。

また、②も「美味しい」という語句を3回繰り返すことで、本当においしい食べ物であることが理解できます。

このように、同じ言葉やセリフを繰り返す表現法を「反復法」と呼ぶのです。

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「反復法」は他にも種類があり、ただ単に同じ語句を繰り返すものだけではありません。

以下、よく用いられるものを5つ紹介しておきます。

①「首句反復(しゅくはんぷく)文や節の先頭の箇所だけを繰り返す技法

【例】⇒同じ色、同じ形、同じ姿をした動物たち。

②「結句反復(けっくはんぷく)」=文や節の最後に同じ語を繰り返す技法。

【例】⇒昨日は。今日も。明日も

③「前辞反復(ぜんじはんぷく)」=文の最後の語句と次の文の最初の語句を重ねる技法

【例】⇒酒はおいしいおいしいからこそ飲みすぎない。

④「隔語句反復(かくごくはんぷく)」=文の先頭の語句を最後で繰り返す技法

【例】⇒は逝去された、万歳新

⑤「同語反復(どうごはんぷく)」=ある言葉を同じ言葉もしくは似た言葉で繰り返す技法

【例】⇒とはパワーである。

「反復法」は、原則として同じ言葉をそのまま繰り返す技法ですが、⑤のように場合によっては似たような言葉で言い換えることもあります。

いずれにせよ、文の最初や最後、途中など様々な箇所で言葉を反復させる技法が「反復法」ということです。

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反復法の効果とは

 

反復法」の効果は主に3つあります。

①「強調できる」②「リズムを整える」③「注意喚起する

 

1つ目は、「強調できる」という点です。

「反復法」を使うことにより、文章の中で強調したい部分を主張することができます。

例えば、「私はもっと努力したい。」という一文があったとしましょう。

しかし、この一文だけだと、どれだけ努力したいのかがなかなか相手には伝わりません。

そこで、「反復法」を使った文に変えてみます。

「私はもっともっと努力したい。」

上記のようにすることで、「この人は本気で努力する気なのだな」ということが相手にも伝わります。

同じ言葉を繰り返しただけですが、2回言うことにより、文の中で強調したい箇所を相手にうまく伝えることができるのです。

そして2つ目は、「リズムを整える」という点です。

「反復法」をうまく使えば、文章のリズムを整えることができます。

【例】⇒「楽しく生き、楽しく働き、楽しく遊ぶ。」

仮に上記のような言い方ではなく、「楽しく人生を謳歌する。」などの文でも構いませんが、これだと何となく淡泊な一文になってしまいます。

そこで同じ語句である「楽しく」を複数回繰り返します。繰り返すことで、一定のリズムが生まれ、読者の心にも響くようになるということです。

3つ目は、「注意喚起する」という点です。

「反復法」を用いると、相手に注意喚起をすることができます。

【例】⇒必ず社長に書類を渡してください。必ずです。

上記の文は「隔語句反復」を使ったものです。「必ず」という語句を2回言うことにより、「書類を渡すこと」を相手に強く呼びかけています。

もちろん、1回だけでも注意を喚起することはできますが、あえて同じ言葉を繰り返すことにより読者の記憶にも残りやすくなるのです。

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対句法の意味・例文

 

続いて、「対句法」の意味です。

【対句法(ついくほう)】

修辞法の一。語格・表現形式が同一または類似している二つの句を相対して並べ、対照・強調の効果を与える表現。詩歌・漢詩文などに用いられる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

対句法」とは「表現が同じもしくは似た句を並べ、対称・強調させる技法」のことです。

ここで言う「対(つい)」とは「反対」という意味ではなく、「セットになっていること」だと考えて下さい。

すなわち、「同じ構成で語が並んでいる」ということです。

「対句法」は、お互いをセットにさせる表現法なので、必ずしも語句同士が対照的である必要はないのです。

「対句法」の例としては以下のような文が挙げられます。

【例】⇒「青い空、白い雲。」

この場合、「色」+「もの」を組み合わせた一文となっています。両者をセットにすることで、「青い空」と「白い雲」が色鮮やかに広がる様子が読み手に伝わってきます。

これが例えば、「空は青くて、白い雲が浮かぶ。」などでも構いませんが、この言い方だと単に見えた景色を表したものに過ぎません。

例文のように、似た語句を2つ並べることにより、景色の鮮やかさをうまく表現しているのです。

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その他、主な「対句法」の例文を紹介しておきましょう。

【ことわざの中の対句法】

後は野となれ山となれ。(あとはのとなれやまとなれ)

上記のことわざは、「目先の問題さえ片付けば、あとはどうなっても構わない」という意味です。「なるようになれ」という無責任な様子を表したものです。

「野となれ」という部分と「山となれ」という部分が、同じ構成により並んでいるので、「対句法」と呼べます。

【詩の中の対句法】

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ ~

意味:雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けない 丈夫な体を持ち~

宮沢賢治による『雨ニモマケズ』という作品です。「雨ニモマケズ」という部分と「風ニモマケズ」という部分が同じ構成で並んでいます。

同じ自然現象である「雨」と「風」を対にすることで、詩の中にリズムと強調を加えたものとなっています。

他には短歌や俳句などを含めた作品も「対句法」が用いられることが多いです。

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対句法の効果とは

 

対句法」の効果は主に3つあります。

①「強調できる」②「リズムを整える」③「風情を与える

 

①と②は「反復法」と同じ効果です。

「対句法」を使うと、文の中で似た部分と異なる部分がはっきりと分かります。

したがって、筆者が何を強調しているか読者としても理解がしやすくなります。

また、一般に対となる語を2つ以上並べる場合、音数を一緒にするのが基本です。

そのため、対句によって語調が整えられ、文全体にリズム感が生まれるという効果が期待できます。

③の「風情を与える」に関しては、「文に趣(おもむき)を含ませる」と言い換えると分かりやすいでしょう。

例えば、「対句法」をうまく使えば、次のような文も作成することができます。

【例】⇒白い砂青い海赤い花。ここはまさに絶景である。

見て分かるように、3種類の色と自然の産物を組み合わせることにより、全体として風情や趣を感じさせる文となっています。

このように、「対句法」には文章全体に風情や趣を加え、全体として格式高いイメージを与えるという効果があるのです。

これは「反復法」よりも「対句法」にある効果だと言えます。

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反復法と対句法の違い

 

以上の事から考えますと、両者の違いは次のように定義することができます。

反復法」=同じ言葉をそのまま繰り返す技法。

対句法」=同じ構成で語を並べて、対称・強調させる技法。

つまり、「反復法」は同じ言葉を繰り返す技法なのに対し、「対句法」は同じ構成で語を対応させる技法ということです。

分かりやすい例で比較してみましょう。

以下の例文Aは「反復法」、例文Bは「対句法」です。

「A」=「違う違う、それは違うんだ。」

「B」=「ひょっとして違うかもしれない。もしかしてミスかもしれない。

「反復法」の場合は、そのまま同じ語句を繰り返す必要があります。この場合だと、「違う」という部分です。

一方で、「対句法」の場合は同じ語句を繰り返すのではなく、文の構成が対になっていればいいのです。

Bの文は、「ひょっとして」と「もしかして」、「~かもしれない」と「~かもしれない」が文の構成上、対になって表現されています。よって、「対句法」だと言えるのです。

別の言い方をするなら、「反復法は同じ言葉の繰り返し」「対句法は似た形の繰り返し」と定義しても構いません。

「対句法」の「対」は「お互いがセットになっていること」なので対応する言葉が同じでなくてもよいのです。

まとめ

 

では、本記事のまとめとなります。

反復法」=同一または類似の語句を繰り返すもの。(同一が原則)

対句法」=表現が同じもしくは似た句を並べ、対称・強調させる技法

違い」=「反復法」は同じ言葉を繰り返し、「対句法」は同じ構成で語を対応させる。

どちらも文章を作る上で非常に便利な技法です。ぜひ正しい意味を理解した上で使って頂ければと思います。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

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