あなたは、
松島、三保松原、天橋立などを訪れたことがありますか?
これらの場所は、
白い砂浜と青い松林が続く美しい景勝地となっています。
このような海の光景を表す時にぴったりの四字熟語が「白砂青松」です。
今回は、日本の美しい風景を例えた言葉について、
意味や使い方を解説していきます。
それでは、確認していきましょう。
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白砂青松の読み方・意味
はじめに、読み方と基本的な意味です。
【白砂青松(はくしゃせいしょう/はくさせいしょう)】
⇒白い砂浜と青い松林。美しい海岸の風景をいう。
出典:三省堂 大辞林
読み方は、「白砂」を「はくしゃ」と「はくさ」と読む2通りがあります。
両方とも正しい表現なので、どちらを使っても問題ありません。
「白砂青松」とは、
「白い砂浜と青々とした松林が続いている美しい海岸の景色」という意味です。
白砂青松は、日本各地にある
「白い砂浜」と「青い松林がある海岸」のことを表しています。
1987年には、日本の松の緑を守る会が「白砂青松100選」を選定しました。
宮城県の松島、石川県の千里浜・安部屋海、静岡県の三保松原、京都府の天橋立、福岡県の海の中道など、39の都道府県で100か所の景勝地が登録されています。
特に松島と天橋立は「日本三景」にも入っています。
このように、美しい自然の風景の中でも特に
白い砂浜と青い松林の景色を「白砂青松」と言うわけです。
白砂青松の語源・由来
次に、「白砂青松」の語源と由来です。
ここでは、前半の「白砂」と後半の「青松」に分けて確認しましょう。
「白砂」は「白い砂」と書くので、
文字通り「白い砂浜」を意味します。
浜辺が白い砂で覆われていることを表す言葉です。
一方で、「青松」は「青い松」と書くので、
「青い松林」を意味する言葉です。
ここで言う松の木は主にクロマツを指していて、
海岸沿いに青々と生い茂っている松林を表しています。
まとめると、
「白砂青松」=海岸で見られる白い砂浜と青い松林が続いている風景。
となります。
元々この言葉の由来はかなり古く、
平安時代の書物「土佐日記」の中にはもう既に記されていたそうです。
以下、引用文です。
「松の色は青く、磯の波は雪のごとくに白く」
そして、江戸時代になると
防風林、防砂林として砂浜に松を植える「植林」が徐々に増えていきました。
その結果、
自然に生育していった松、人工的に植えられた松を含め、
このような景色が広がっていったわけです。
現在では、
海岸線の開発や道路の敷設工事などにより、
松林の景色は減少の一途を辿っています。
しかしながら、
有名な景勝地などでは、その景観を保つために
国の政策などで保護するようにしています。
そのため、今もなお
この四字熟語は普通に使われているということです。
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白砂青松の類語
続いて、「白砂青松」の類語です。
【花鳥風月(かちょうふうげつ)】
⇒美しい自然の風景。
「花鳥」とは、絵画の題材にされる自然の風物としての花・鳥を意味します。
「風月」とは、自然の風景として代表される風・月の意味です。
【風光明媚(ふうこうめいび)】
⇒自然の景色が美しいこと。
「風光」は「自然の眺め」、「明媚」は「美しく清らかな様子」を意味します。
【山紫水明(さんしすいめい)】
⇒山や川の景色が美しいこと。
「山紫」は「日光で山が紫色に映えること」、「水明」は「川の水が澄みきって流れている」という意味です。
【山容水態(さんようすいたい)】
⇒山や川の美しい景色。
「容」と「態」は、どちらも「様子・姿」を意味します。
ここでは、4つの類語を紹介しました。
「白砂青松」も含めて、どの四字熟語も、
「目にした自然の美しい光景」を表すときに使います。
ただし、少しずつニュアンスが違うので、
見た物の対象によって使い分ける必要があります。
海岸の風景を言うときは「白砂青松」、
山や川の景色を言うときは「山紫水明」や「山容水態」、
自然全体を表すときは「風光明媚」を使うようにしてください。
白砂青松の英語
続いて、「白砂青松」の英語です。
白砂青松を英語で表現すると、次のようになります。
「white sand and green pines(白砂と青松)」
「sandy beach dotted with pine trees(松林が点在する砂浜)」
「白砂」は、「white sand」と書いて「白い砂」の意味にするか、
「sandy beach」と書いて「砂浜」の意味にするかのどちらかです。
「松」は「pine」なので、「green pines」と書いて「青い松」にするか、
「pine trees」と書いて「松の木」にすることで表すことができます。
英文での使い方は、次の通りです。
I visited coastline of white sand and green pines last Sunday.(私は先週の日曜日に白砂青松の海岸線を訪れました。)
The pinery of Miho is beautiful stretch of sandy beach dotted with pine trees.(三保松原は白砂青松の美しい地です。)
基本的には、「of」の後に白砂青松を表す単語、前に場所を表す単語を置いて使います。
「~ of white sand and green pines」や「~ of sandy beach dotted with pine trees」と表現することで、「白砂青松の~」とできますね。
主語やofの前に具体的な場所を書くことによって、
どんな白砂青松の地かが英文で分かるようになります。
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白砂青松の使い方・例文
最後に、「白砂青松」の使い方を例文で紹介します。
- 千里浜・安部屋海は、車で走ることができる白砂青松の景勝地です。
- 三保松原は、駿河湾を望む美しい白砂青松の砂浜が広がっています。
- 海の中道は「うみなか」と呼ばれ、白砂青松の地として人気を集めている。
- ここから先は、何キロメートルも白砂青松の海岸が続いている最高の場所です。
- 白砂青松の美しい海水浴場で遊べるなんて、こんな素敵なことは他にありません。
- 千葉県の九十九里浜は、日本の白砂青松100選と日本の渚100選に選ばれている。
ここまで解説してきたように、
「白砂青松」は白い砂浜や青い松林の風景を表す言葉です。
とても良いイメージの言葉なので、
ほとんどの場合ポジティブな使い方をします。
特に、見とれてしまうような美しい光景を目にしたときに使いますね。
また、用例としては、
「白砂青松の砂浜」や「白砂青松の海岸」などの言い回しが多いです。
これは文字通り、
「砂浜」と「海岸」を含んだ四字熟語だからだと考えてください。
まとめ
では、今回のまとめです。
簡単におさらいすると、
「白砂青松」=白い砂浜と青い松林。美しい海岸の風景をいう。
「語源」=海岸で見られる白い砂浜と青い松林が続いている風景。
「類語」=「花鳥風月・風光明媚・山紫水明・山容水態」
「英語」=「white sand and green pines」「sandy beach dotted with pine trees」
ということでした。
「白砂青松」は、景色の美しさを表す時に使います。
白い砂浜と青い松林を将来に残すことができれば、
今後もこの言葉は使われ続けることでしょう。
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国語力アップ.com管理人
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