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閲読 意味 使い方 類義語 閲覧 違い

 

閲読」という言葉は、書物を読む際に使う言葉です。特に、新聞や雑誌・チラシなどに対してよく使われている印象だと思います。

ただ、似たような言葉で「閲覧」や「校閲」、「査読」などが使われることもあります。そこで今回は「閲読」の意味や使い方、類義語などを含め詳しく解説しました。

閲読の意味・読み方

 

まず、「閲読」を辞書で引くと次のように書かれています。

【閲読(えつどく)】

書物・書類などの内容を調べながら読むこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

閲読」とは「書物や書類などの内容を、調べながら読むこと」を意味します。

例えば、「文献を閲読する」などのように用います。

文献というのは、研究上の参考資料となる専門的な書物のことです。

多くの情報が詰まっているため、大学生などが論文を書く際に調べながら読むのが一般的です。

このように、「閲読」というのはただ書物を読むという行為ではなく、そこに「調べる」という行為が加わった言葉となります。

一言で「読む」と言っても、流し読みのようにさっと読んだり、部分的に読んだりなど様々な読み方があります。

ただ、あくまで「閲読」というのは「読むこと」と「調べること」を並行して行うわけです。

閲読の類義語

閲読 類義語 閲覧 査読 校閲

 

続いて、「閲読」の類義語を紹介します。

閲覧(えつらん)】⇒調べながら読んだり見たりすること。
玩読(がんどく)】⇒文章の意味をじっくりと味わいながら読むこと。
熟読(じゅくどく)】⇒文章を一つ一つ丁寧に読むこと。
校閲(こうえつ)】⇒文書の誤りや不備をよく調べ、訂正すること。
査読(さどく)】⇒学術誌に投稿された学術論文を、専門家が読んでその内容を査定すること。

基本的には、何かの文章を読みこんだり、じっくりと丁寧に読んだりする言葉が類義語となります。

ただ、全く同じ意味の言葉というのはありません。どれも微妙に意味が異なります。

そのため、ここではよく使われる「閲覧・校閲・査読」との違いを説明しておきます。

閲読と閲覧の違い

 

「閲読」と「閲覧」はほぼ同じ意味として使うことができます。

ただ、「閲覧」の方は図や写真、絵などが含まれた文章を対象とすることが多いです。例えば、チラシやパンフレット、Webサイトなどにおける文章です。

逆に、「閲読」の方は文字ばかりが書かれている文章に対して使われることが多いです。例えば、古文書や専門書、文献などといったものです。

これはなぜかと言いますと、「閲覧」の「」という字は「ご覧になる」などの言葉があるように、「見ること」に焦点を当てた言葉だからです。

一方で、「閲読」は「読」が入っているように、「読むこと」に焦点が当てられた言葉だからです。そのため、両者の意味に微妙な違いが出てくるということです。

閲読と校閲の違い

 

「閲読」と「校閲」も似ていますが意味が異なる言葉同士です。

まず、「校閲」の方は「完成前の原稿を読み、誤りがないか調べること」を指します。

一方で、「閲読」は「書籍や文献などすでにできあがった文書を読むこと」を指します。

要するに、完成する前か後かで両者に違いが出てくるということです。完成前の原稿を「閲読する」とは言わないので注意してください。

閲読と査読の違い

 

査読」とは「学術論文を専門家が読み、その内容を査定すること」を意味します。

「閲読」と「査読」の違いを一言で言うなら、「専門家が読むかどうか」だと言えるでしょう。

どちらも「しっかりと読む」という点は共通しています。しかし、「閲読」は一般人から主婦、ビジネスマンなど様々な人を主語にすることができます。

一方で、「査読」の方はある特定分野の専門家しか主語になりません

「査読」の「査」は「査定」などがあるように、「物事の可否を審査する」という意味があります。したがって、対象の可否をしっかりと判断できる人が主語になるのです。

閲読の英語訳

 

「閲読」は、英語だと次のように言います。

 

①「read(読む)」

②「peruse(熟読する・精読する)」

 

①は平易な単語なので、様々な場面で使うことができます。逆に②は形式ばった単語なので、論文や文献などを読む時に使うのが適しています。

残念ながら、英語では「調べながら読む」という意味に適した単語はありません。そのため、ある程度割り切って「しっかりと読む」という訳の単語を使えばよいでしょう。

例文だと、それぞれ以下のような言い方です。

She reads the newspaper every day.(彼女は毎日新聞を読む。)

You should peruse a doctoral dissertation.(君は学術論文を読むべきだ。)

閲読の使い方・例文

 

最後に、「閲読」の使い方を例文で紹介しておきます。

 

  1. 歴史の資料を閲読し、当時の状況を事細かく調査する。
  2. 文学書を閲読したかいもあり、試験の内容はすぐに理解できた。
  3. 事件の記事をちゃんと閲読し、必要な情報を集めるべきだ。
  4. 閲読性を制限し、書物を不特定多数に読めないようにする。
  5. 朝日新聞の閲読率を算出して正確な数値を出しました。
  6. 4月1日における日経新聞の閲読率は、〇〇%でした。
  7. 憲法第21条及び判例により、閲読の自由を保障する。

 

「閲読」は、文献や文学書など「調べること」が前提となる書物を対象とすることが多いです。

新聞なども基本的に娯楽のためではなく、情報収集するために読む人がほとんどである事からも分かるかと思います。

逆に言えば、調べることが目的でなければ、たとえ文献や新聞であろうと「閲読」を使うのは適していないと言えます。

なお、「閲読率」とは「ある特定のターゲット層の中で、実際に該当物を閲読している割合のこと」を言います。

最もよく使われるのが、「新聞閲読率」です。

例えば、A新聞を購読している人で、ある日付の新聞を全体の7割の人が閲読していたとすると、閲読率は「70%」となります。

閲読率は、広告を載せたりする時にどれくらい効果があるかを測定するために使われます。新聞以外にも、雑誌などにも使われている指標です。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

閲読」=書物・書類などの内容を調べながら読むこと。

類義語」=「閲覧・玩読・熟読・校閲・査読」など。

英語訳」=「read」「peruse」

「閲読」という言葉は、出版業界や広告業界など様々な分野で使われています。これを機に、「閲覧」などと一緒に意味を覚えておきましょう。

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国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・宅地建物取引士など。

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