この記事の読了時間: 548

所有 保有 違い 所持 意味

 

所有」と「保有

どちらも日常生活から法律の世界まで
幅広く使われている印象ですね。

「土地を所有する」「株式を保有する」

さらに似たような言葉で「所持」もあります。

これらの言葉の使い分けはどう行えばいいのでしょうか?

さっそく、確認していきましょう。

スポンサーリンク

所有の意味

 

まずは、「所有」の意味からです。

【所有(しょゆう)】

自分のものとして持っていること。また、そのもの。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

所有」とは、
(半永久的に)自分のものとして持っていること」を意味します。

多くは財産的に価値のある物に対して使うと考えて下さい。

【例】

  • 土地を所有する。
  • 山林を所有する。
  • 時計を所有する。

所有する対象は大小を問いませんが、
財産的でないものにはあまり使いません。

例えば、「ジュースを1本だけ所有する。」
のような使い方は誤用です。

 

「所有」を覚える点としては、以下の2点を押さえておきましょう。

①「半永久的に持つことが前提」②「形のあるものが多い

まず、「所有」は基本的に長く持つことが前提です。

なので、所有した後に
むやみやたらにすぐ売ったり貸したりはしません。

また、「形のあるものが多い」という点も重要なポイントです。

例えば、「家・土地・車・時計」などの財産は
すべて姿や形がありますよね。

このように、目に見えるような具体的なものを持つときに
「所有」を使うわけです。

 

所有」は「自分の有(ゆう)する」と書きます。

したがって、自分の所に具体的な物があり、
自由に使える状態にする行為が「所有」なのです。

保有の意味

 

続いて、「保有」の意味です。

【保有(ほゆう)】

自分のものとして持っていること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「保有」は辞書だと「所有」と同じような意味として書かれていますが、実際は異なります。

保有」とは、
(手放すまで)自分のものとして持っていること」を意味します。

【例】

  • 株式を保有する。
  • 権利を保有する。

 

「保有」を覚える点としては、以下の2点が大事です。

①「手放すことが前提」②「形のないものが多い

「保有」は、
半永久的ではなく一時的に持っているような場合に使います。

そのため、いずれは手放す時がやってくるのです。

株式などは分かりやすい例でしょう。

ずっと株を持っていて売らない人などいないですよね。

 

また、「形のないもの」を持つことが多いのも特徴です。

「株式」なども今は電子取引ですので、
実際には形があるものではありません。

このように、目に見えないような対象を持つときに
「保有」を使うわけです。

 

「保有」の語源も確認しておくと、
「保有」=「ってる」と書きます。

したがって、
手放すことが前提のものを「一時的に保っている
というのが本来の意味だと分かるかと思います。

スポンサーリンク

所有と保有の違い

所有 保有 違い 使い分け

 

ここまでの内容を整理すると、

所有」=(半永久的に)自分のものとして持っていること(形のあるものが多い)

保有」=(手放すまで)自分のものとして持っていること(形のないものが多い)

ということでした。

 

つまり、両者の違いを簡単に言うと、

形のあるものを半永久的に持つのが所有

形のないものを一時的に持つのが保有

だと言えます。

 

所有」の方は、
形のあるものを将来的に長い間持ち続けます。

したがって、今も将来もずっと持ち続けて
自分のものにするのが基本となるわけです。

よく法律用語で「所有権」が出てきますが、
まさにこれは「所有」の役割を表した言葉ですよね。

 

対して、「保有」の方は形のないものを
「一時的に持っている」あるいは「現在は持っている」
というニュアンスが強い言葉です。

そのため、仮に保有してたとしても
常に売買や貸借の対象となり、いずれは売却や返却・処分
などによって手元からなくなるのです。

 

これらの説明から両者を比較してみると、

「友達から借りたバッグを保有する」とは言いますが、
「友達から借りたバッグを所有する」とは言いません。

なぜなら、後者の方だと
「不法所持(勝手に自分のモノにすること)」になりかねないからです。

また、「所有権」という法律用語はありますが、
保有権」という法律用語は存在しません。

理由は簡単で、「一時的に持っていられる権利」
などあっても使い道がないからです。

スポンサーリンク

所持の意味

 

似たような言葉で「所持」もあります。

「所持」の意味も確認しておきましょう。

【所持(しょじ)】

身につけて持っていること。

法律で、物を事実上支配していると認められる状態。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

所持」とは、
身につけて持っていること」を言います。

使い方としては、以下の通りです。

  • 時計を所持する。
  • アクセサリーを所持する。

「所持」は「所有」と同様に、
「形のあるもの」に使うことができます。

この時点で「形のないもの」に使う「保有」とは異なる言葉
ということが分かるかと思います。

 

そして、「所持」と「所有」の違いですが、
人とモノとの距離によって使い分けるようにしてください。

「所持」は、人とモノとの距離が限りなくゼロの時に使います。

言い換えれば、
実際に肌身離さず持っているような時に
初めて使う言葉ということです。

逆に、「所有」の方は
人とモノの距離が離れているような時でも使えます。

 

なので、少しまぎらわしいのですが、
土地や車は手で持つことができないので「所持」とは言いません。

この場合は、「所有」と言います。

一方で、ペンや帽子など
身に着けることができるものは「所持」を使うのです。

ちなみに、パソコンやお金などは、
手に持っていたりカバンに入っていたりすれば「所持」になりますが、家に置いてあれば「所有」となります。

スポンサーリンク

使い方・例文

 

では、最後にそれぞれの使い方を
例文で確認しておきましょう。

 

【所有の使い方】

  1. この時計は私が所有する品である。
  2. 彼はお金持ちなので、高級外車を所有している。
  3. 東京ドーム1個分の広大な土地を所有する。
  4. クレジットカードを10枚所有する。
  5. 不動産の所有権を登記簿で確認した。

 

【保有の使い方】

  1. 株式を1000株ほど保有しているので、配当をもらった。
  2. 国民は「職業選択の自由」という権利を保有している。
  3. 著作権を保有しているテレビ局からクレームが来た。
  4. 核兵器を保有する国として、A国が認定された。
  5. 個人投資家が保有している資産は上昇傾向にある。

 

【所持の使い方】

  1. スマホを所持して出かける。
  2. 大金を所持しているので、気を付けないと。
  3. 入場時に、所持品を全て検査された。
  4. 麻薬を所持している疑いで逮捕された。

 

補足すると、核兵器など国が持つ兵器に関しては
保有」を使うことが多いです。

これは「形のない」などの
条件には当てはまらないので例外と考えて下さい。

個人ではなく、国家や政府など公の機関が主語になる時は
このように「保有」を使います。

まとめ

 

以上、内容を簡単にまとめると、

所有」=半永久的に持つこと。形のあるものが多く、基本手放さない

保有」=一時的に持つこと。形のないものが多く、手放すのが前提

所持」=身につけて持つこと。物との距離は限りなくゼロに近い

ということでした。

どれも普段からよく使う言葉なので、
ぜひこの機会に違いを覚えておきたいですね。

では、今回は以上です。

スポンサーリンク

The following two tabs change content below.

国語力アップ.com管理人

大学卒業後、国語の講師・添削員として就職。その後、WEBライターとして独立し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。 【保有資格】⇒漢字検定1級・英語検定準1級・日本語能力検定1級など。

最新記事 by 国語力アップ.com管理人 (全て見る)