エゴイズム 意味 対義語 使い方 簡単に わかりやすく

「エゴイズム」という言葉をご存知でしょうか?「エゴ」という言葉は、一度は聞いたことがあるかもしれません。

最近では「エゴサーチ」などの言葉もよく使われるようになりました。ただ、その意味や具体的な使い方に精通している人は少ないかと思います。

そこで今回は、「エゴイズム」の意味や類語・対義語などをわかりやすく解説しました。

エゴイズムの意味

 

まず、「エゴイズム」の意味を調べると次のように書かれています。

【エゴイズム】

自分の利益を中心に考えて、他人の利益は考えない思考や行動の様式。利己主義。

哲学で、自我だけが確実に存在し、他は一切認識不能であるとする説。唯我 (ゆいが) 論。独我論。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

エゴイズム」とは「他人のことを考えず、自分の利益や快楽だけを追求する考え方」のことを指します。

一言で、「利己主義(りこしゅぎ)」と言いかえても構いません。

「利己主義」とは「自益を優先する考えのこと」を意味します。例えば、以下のような考え方です。

  • 仕事の手柄を全部自分のものにしようとする。
  • 獲得した賞金を全額独り占めしようとする。
  • みんなに用意した食事を一人で食べようとする。

このような特徴を持つ考えは、まさに「エゴイズム(利己主義)」だと言えます。

なお、「エゴイズム」は略して「エゴ」と呼ぶこともあります。

よく日常会話などで「彼の考えはエゴだ」というセリフを聞きますが、あれはつまり「彼は自分勝手でわがままだ」と解釈すればよいことになります。

エゴイズムの語源・由来

 

「エゴイズム」の語源は、ラテン語にあります。

エゴ」はラテン語で「ego」と言い、「自我・自己」という意味があります。そして、「イズム」には「主義・主張」などの意味があります。

つまり、「エゴイズム」を直訳すると「自己中心主義」となります。転じて、「エゴイズム」=「利己主義」という意味になるわけです。

元々、「エゴイズム」という言葉は、心理学の用語として日本に入ってきました。

精神科医のフロイトという学者が、「本能と道徳の間で揺れ動く自我」のことを「エゴ」と呼んでいたのです。

「本能」とは「道に財布が落ちていたら、我先にとすぐ盗んでしまおう」とするような欲望的な考えを意味します。

一方で、「道徳」とは「落とした人が悲しむから交番に届けよう」とするような理性的な考えを意味します。

この「本能」と「道徳」という2つの間で「どうしよう・・・」と揺れ動くものが「エゴ」なのです。

以上の事から考えますと、元々の「エゴ」は悪い意味の言葉ではなかったということが分かるかと思います。

「エゴ」は、単に「本能」と「道徳」の間で揺れ動くものを指していました。

ところが、時間が経過するにつれて、次第に「自分勝手な」「自己中心的な」という意味で使われるようになったのです。

現在では相手からこの言葉を投げられたときは、ネガティブな意味として捉えるのが一般的です。

エゴイズムの類義語・対義語

エゴイズム 類義語 対義語 言い換え

続いて、「エゴイズム」の「類義語」と「対義語」を紹介します。まずは、類義語からです。

私利私欲・自己中・自己中心主義・自分本位・身勝手

どれも自らの利益しか考えない意味を持つ言葉だと言えます。

他には、四字熟語の「我田引水」なども類義語と呼べるでしょう。

「我田引水(がでんいんすい)」とは「自分の都合のいいように行動すること」を意味します。

自分の田んぼにだけ水を引き入れる意から、このような意味となりました。

逆に、「エゴイズム」の「対義語」としては以下のような言葉が挙げられます。

他我(たが)・彼我(ひが)・非我(ひが)・オルトルイズム

この中で「対義語」として一番意味が近いのが「オルトルイズム(altruism)」です。

「オルトルイズム」は、日本語では「利他主義(りたしゅぎ)」と訳されています。

「利他主義」とは「他者に貢献することや、他者に利益を与えることを喜びとする考え」のことです。

例えば、以下のような考え・行動は、まさに「利他主義」と言えます。

  • 電車内では、常にお年寄りに席を譲る。
  • 被災地の人たちに義援金を寄付する。
  • ボランティア活動に積極的に参加する。

一般的には、「オルトルイズム」よりも「利他主義」を使うことの方が多いです。「利他主義」は、「者の益に貢献する」と覚えれば分かりやすいでしょう。

エゴイズムの長所・短所

 

エゴイズム」と「利他主義(オルトルイズム)」。

当たり前ですが、それぞれ全く正反対の考えです。もしも、「エゴイズム」の考えを前面的に押し出せば、当然周りから嫌われてしまうでしょう。

一方で、「利他主義」はどうでしょうか?他者に貢献することは確かに大事ですが、あまりに行き過ぎると自分を見失ってしまいます。

場合によっては、周りにエネルギーを使いすぎて、自分が疲れ果ててしまうこともあるでしょう。

もちろん、周りの利益を優先することは人間として大事なことです。ところが、それが過剰になりすぎると、必要以上に自分を傷つけてしまい、人生にマイナスになることもあるのです。

状況によっては、自分を優先することが大事なケースも多くあります。つまり、何事もバランスが大事ということです。

一般的には、「エゴイズム」は否定的な意味として、逆に「利他主義」は肯定的な意味として捉えられがちです。

しかし、実際にはそれぞれの長所・短所を考えて、調和のとれた考えをするのが賢明だと言えます。

エゴイズムの使い方・例文

 

最後に、「エゴイズム」の使い方を実際の例文で紹介しておきます。

  1. 環境破壊をいくらでもしていいという考えは、人間のエゴイズムである。
  2. 好きでもない習い事を無理矢理やらせるのは、親のエゴイズムと言える。
  3. 犬におしゃれな服を着させて満足するのは、飼い主のエゴイズムかもしれない。
  4. エゴイズムの特徴として、自己の利益しか考えないことが挙げられる。
  5. 彼女はSNSで自分のエゴサーチをして、ショックを受けたようだ。
  6. 彼は報酬を全部自分のものにしてしまうエゴイストとして知られている。

 

補足すると、「エゴサーチ」とは「自分の本名などをネットで検索して評判をチェックする行為」のことです。主に芸能人がネット上の評判を気にするような際に使われます。

また、「エゴイスト」とは「利己的な人(利己主義者)」のことを指します。英語では、名詞の後ろに「ist」をつけると、「~する人」という意味になります。

【例】

  • ピアノ+istでピアニスト(ピアノを弾く人)
  • バイオリン+istでバイオリニスト(バイオリンを弾く人)

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

エゴイズム」=他人のことを考えず、自分の利益や快楽だけを追求する考え方。利己主義。

類義語」=「私利私欲・自己中・自己中心主義・自分本位・身勝手」

対義語」=「他我・彼我・非我・オルトルイズム(利他主義)」

「利己主義」と「利他主義」はどちらもメリットがありますが、バランスが重要です。過度に行き過ぎた考えは、自分や周りを傷つけてしまう可能性があることも心に留めておきましょう。