得意満面 例文 使い方 類語 言い換え 英語

「得意満面」という四字熟語をご存知でしょうか?主に普段の会話で使われ、「得意満面の表情を浮かべる」などのように言います。

ただ、具体的な使い方や由来が気になる言葉でもあります。そこで今回は、「得意満面」の意味や語源、類義語・英語訳などをなるべく簡単に解説しました。

得意満面の意味・読み方

 

まずは、読み方と基本的な意味からです。

得意満面(とくいまんめん)

事が思いどおりに運び、誇らしさが顔全体に表れるさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

得意満面」は「とくいまんめん」と読みます。

意味は「物事が思い通りに運び、誇らしさが顔全体に表れるさま」を表したものです。「誇らしげ」とは「誇りに思っている様子・自慢げである様子」などの意味です。

例えば、運動会の競技で一位になった男の子が、顔全体に勝ち誇った表情を浮かべていたとします。そんな時は、「彼は得意満面で喜んでいた」などのように言うことができます。

また、テストで満点を取った女の子が親や先生からほめられて、非常に誇らしげな表情をしていたとします。この場合も、「彼女は得意満面な様子だった」などのように言うことができます。

つまり「得意満面」とは「何かの望みが叶い、喜びや嬉しさが顔中に現れた様子」を表した四字熟語ということです。

得意満面の語源・由来

 

「得意満面」は、「得意」と「満面」から成る四字熟語です。

まず、「得意」とは「満足して喜ぶこと」「誇らしげなこと」などの意味です。念のため、「得意」を辞書で引いてみます。

【得意(とくい)】

自分の思いどおりになって満足していること。

誇らしげなこと。また、そのさま。

最も手なれていて自信があり、じょうずであること。また、そのさま。得手 (えて)。

いつも商品を買ってもらったり取引したりする相手。顧客 (こかく)。お得意。

親しい友。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「得意」には複数の意味がありますが、ここでは①もしくは②の意味として使われていると考えて問題ありません。

そして、「満面」とは「顔中・顔いっぱい」という意味です。

「満」は「満タン」などの言葉があるように、「いっぱいになること」、そして「面」は「お面」などの言葉があるように、「顔」のことを表します。

この事から、「満面」は「(その人の)顔いっぱい」を表すことになります。

以上、両者を合わせることで「顔いっぱいで満足して喜ぶこと」⇒「誇らしさが顔全体に表れるさま」という意味になるわけです。

「得意満面」の語源をひもとくと、ちょっとやそっとの喜びではなく、非常に満足した喜びを表す四字熟語であることが分かるかと思います。

なお、この四字熟語は中国の故事などに由来するものではありません。正確な起源は不明ですが、日本で日本人により作られた造語であると考えられます。

得意満面の類義語

得意満面 類義語 別の言い方 反対語は

「得意満面」は、次のような類義語で言い換えることができます。

喜色満面(きしょくまんめん)】⇒喜ばしい表情が顔中に表れているさま。 「喜色」の「色」は「表情や様子」を表す意。
意気揚々(いきようよう)】⇒得意げで威勢のよいさま。いかにも誇らしげなさま。「意気」は「元気さ」、「揚々」は「盛んにすること」を表す。
有頂天外(うちょうてんがい)】⇒これ以上ないというほど大喜びすること。また、うれしさのあまり我を忘れてしまうこと。仏教で形ある世界の絶頂に位置する「有頂天」よりさらに高く外に出る意から。
欣喜雀躍(きんきじゃくやく)】⇒思わず小躍りするほど、大喜びをすること。 「欣喜」は「非常に喜ぶこと」、「雀躍」は「スズメが飛びはねるように喜んで小躍りするさま」を表す。

基本的には、喜んだ表情を浮かべたり、誇らしげな表情をしたりする言葉が類義語となります。

その他には、「鼻が高い」も類義語に含まれます。「鼻が高い」とは「得意なさま・誇らしいさま・ 自慢らしいさま」などの意味を表した慣用句です。

「得意満面」とほぼ同じ意味なので、同義語に近い言葉だと言えます。

ただ、厳密に言うと「鼻が高い」は、自分の身内を自慢するような際に使われます。例えば、「立派な息子を持って私も鼻が高い」といった用例です。

「得意満面」も身内に対して使うことはありますが、こちらは赤の他人や客観的な描写に対して使うことの方が多いです。

得意満面の対義語

 

逆に、「得意満面」の対義語としては以下の言葉が挙げられます。

意気消沈(いきしょうちん)】⇒元気をなくして、落ち込むこと。
失望落胆(しつぼうらくたん)】⇒希望を失って、がっかりすること。
垂頭喪気(すいとうそうき)】⇒元気をなくして、がっかりすること。
肩を落とす(かたをおとす)】⇒気力を失ったり、落胆したりするさま。

対義語は、元気や希望などをなくし、気分が落ち込む様子を表した言葉となります。その他、ことわざだと「青菜に塩」も反対語に含まれます。

「青菜に塩」とは「人が急に元気をなくし、しょげるさま」を意味します。青菜に塩を振りかけると、しおれてしまうことからできたことわざです。

得意満面の英語訳

 

「得意満面」は、英語だと次のように言います。

with a proud look」(誇らしげな顔つきで)

with a proud expression」(誇らしげな表情で)

「proud」は、「誇りに思う・自信ありげな」などの意味を持つ形容詞です。また、「look」は「顔つき」、「expression」を「表情」を意味します。

この事から、「誇らしげな顔つき(表情)」⇒「得意満面」と訳すことができます。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

She smiled with a proud expression.(彼女は得意満面な顔で笑みを浮かべた。)

He came back with a proud look.(彼は得意満面な表情で帰ってきた。)

その他には、「triumphant」(勝ち誇った・得意の)、「in high spirits」(威勢よく・元気よく)などの表現を使うことも可能です。

得意満面の使い方・例文

 

最後に、「得意満面」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. テストで100点を取ったその生徒は、得意満面の笑みを浮かべていた。
  2. 彼女は釣り上げた大きな魚を持ち上げ、得意満面に私たちへ見せた。
  3. 彼は受験に受かった当時のことを、得意満面な顔をして話し始めた。
  4. 逆転ホームランを放った選手が、得意満面にベンチへと戻ってきた。
  5. 人間は成功を確信すると、思わず得意満面の笑みが出てしまうものである。
  6. 得意満面な表情をするのもいいが、あまり見せすぎるのもよくないと思うよ。
  7. 彼は大きな契約を取って得意満面になっているが、少しは周りの人間の事も考えた方がいい。

 

「得意満面」は、誇らしげで喜ばしい表情が顔中に出ているさまを意味します。したがって、使う場面としては何らかの成功体験などを収めた人に対して使うのが適切だと言えます。

ただ、場合によっては得意げな表情を見せすぎると反感を買ってしまうことも少なくありません。そのため、例文6や7のように否定的な意味として用いることもあります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

得意満面」=物事が思い通りに運び、誇らしさが顔全体に表れるさま。

語源・由来」=顔いっぱいで満足して、誇らしげに喜ぶことから。

類義語」=「喜色満面・意気揚々・有頂天外・欣喜雀躍」

対義語」=「意気消沈・失望落胆・垂頭喪気・肩を落とす」

英語訳」=「with a proud look」「with a proud expression」

「得意満面」は、四字熟語の中でも比較的使われやすいです。正しい意味を知った上で、実際に使って頂ければと思います。