国語の文法で、「主語」「述語」「修飾語」「接続語」「独立語」の5つが登場します。
内容的にはとても基礎的なことにも見えますが、どれも文を作る上で非常に重要なものです。
そこで今回は、よく出題されやすいこれらの言葉をなるべく分かりやすく解説しました。
主語・述語とは
「主語」とは「誰が」「何が」などに当たる部分を表します。
そして、「述語」とは「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる・ない」などに当たる部分を表します。
簡単な例を出しましょう。
- 花が 咲く。
- 天気が よい。
- 彼は リーダーだ。
- イスが ある。
上の4つの文は、「主語」と「述語」によって成り立っています。
前半の「誰が(何が)」にあたる部分は文の主題を示したものなので、この部分を「主語」と言います。
そして、後半の「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある・いる・ない」にあたる部分は、主語を説明する働きをしています。
そのため、この部分を「述語」と言います。
「主語」は、後ろの形が「~が」の形をとらない場合もあります。例えば、「~は」「~も」「~さえ」「~でも」などの形です。
この場合は、「~が」に置きかえてみて意味が通れば「主語」だと考えてください。
修飾語とは
「修飾語」とは「他の文節をくわしく説明する文節」のことを意味します。
こちらも例を出します。
- 花が きれいに 咲く。
- 天気が とても よい。
- 彼は 頭のよい リーダーだ。
- イスが 部屋に ある。
上の赤字部分を、「修飾語」と言います。
文は「主語」と「述語」だけでも一応は成り立ちます。しかし、主語と述語だけだと文として面白みがありません。
そこで、主語や述語をさらにくわしく説明するために「修飾語」をつけ加えるのです。
具体的には、「いつ」「どこで」「何で」「何を」「どんな」「どんなに」「どのくらい」などを説明する場合に使います。
つまり、「状況や様子・程度などを表す場合」に「修飾語」を使うということです。
なお、他の文節を説明する「修飾語」に対して、説明される方の文節を「被修飾語(ひしゅうしょくご)」と言います。
例えば、以下のような文があったとします。
「私は とても 悲しい。」
この場合、「修飾語」が「とても」、「被修飾語」が「悲しい」になります。
この時に「体言」を含む文節を修飾する方を「連体修飾語」と言い、「用言」を含む文節を修飾する方を「連用修飾語」と言います。
「体言(たいげん)」とは「名詞」を指し、「用言(ようげん)」とは、「動詞・形容詞・形容動詞」を指します。
例えば、以下の赤字部分は「連体修飾語」です。
- これは私の本です。
- 白い雲が浮かぶ。
なぜなら、両方とも「本・雲」という「名詞」を修飾しているからです。
一方で、以下の2つは「連用修飾語」です。
- 友達と楽しく過ごす。
- 本をたくさん読む。
こちらは両方とも「過ごす」「読む」という「動詞」を修飾しているため「連用修飾語」となります。
ポイントは、修飾語は必ず被修飾語の前に来るということです。
「修飾語」→「被修飾語」という順番は変わりません。このことを頭に入れておきましょう。
接続語・独立語とは
「接続語」とは「前後の文や文節をつなぐ文節」のことを意味します。
例えば、以下のような文です。
- この服は安い。だから、買う。
- 早く起きた。しかし、遅刻した。
上の赤字部分を「接続語」と言うわけです。
また、場合によっては以下のような形も「接続語」と言います。
- 暑いから、私は上着を脱いだ。
- うるさいから、彼らを注意した。
このように、「接続語」は理由や条件を表して前後の関係をつなげる時に使うのです。
そして、「独立語」とは「呼びかけ」「感動」「応答」「提示」などを表す文節のことを意味します。
- ねえ、早く行こうよ。(呼びかけ)
- ああ、すばらしい映画だ。(感動)
- はい、私が田中です。(応答)
- 富士山、それは日本一高い山です。(提示)
「独立語」は、主語・述語・修飾語のどれにもならず、他の文節とは直接関係しません。
つまり、他と関係せず独立しているので、「独立語」と呼ぶわけです。
「独立語」は文の最初に来ることが多く、その後に必ず「読点(、)」がつきます。
確認問題
それでは、今までの内容を理解できたか確認しておきましょう。以下に簡単な問題を用意しました。
次の文中から、主語と述語を抜き出しなさい。
①僕は きのう 大阪で ラーメンを 食べた。
②雨で ぬかるんだ 土に 太陽が 当たる。
③水は すべての 生命の 源です。
①僕は–食べた②太陽が–当たる③水は–源です
「述語」は、文の終わりに来ることが多いです。そのため、まずは「述語」を押さえ、次に「誰が(何を)」を見つけるようにしましょう。
次の文中から「修飾語」と「被修飾語」を抜き出しなさい。
①彼は やさしい 人だ。
②犬は とても 速く 走る。
③冷たい 冬の 風が 激しく 吹く。
①「修飾語」⇒やさしい 「被修飾語」⇒人だ
②「修飾語」⇒とても 「被修飾語」⇒速く
「修飾語」⇒速く 「被修飾語」⇒走る
③「修飾語」⇒冷たい 「被修飾語」⇒風が
「修飾語」⇒冬の 「被修飾語」⇒風が
「修飾語」⇒激しく 「被修飾語」⇒吹く
②の「速く」は、「とても」を受ける時は「被修飾語」となり、「走る」にかかる時は「修飾語」となります。
また、③の「冷たい-風が」は、間に「冬の」が入っています。つまり、「冷たい」と「冬の」の2つが「風が」を修飾しているわけです。
このように考えると、修飾語の後には必ず被修飾語が来るが、「修飾語のすぐ後に被修飾語が来るとは限らない」ということが分かると思います。
次の文から「修飾語」と「被修飾語」を抜き出し、「A」(連体修飾語)か「B」(連用修飾語)かを答えなさい。
①心地よい音楽が部屋中に響く。
②赤い鳥が長い首を少しかたむけた。
③次の瞬間、ふと悲しい気持ちになった。
①「心地よい(A)」⇒「音楽が」 「部屋中に(B)」⇒「響く」
②「赤い(A)」⇒「鳥が」 「長い(A)」⇒「首を」 「少し(B)」⇒「かたむけた」
③「次の(A)」⇒「瞬間」 「悲しい(A)」⇒「気持ちに」 「瞬間(B)」⇒「なった」 「ふと(B)」⇒「なった」
次の文から、「接続語」か「独立語」を抜き出しなさい。
①勉強は苦手だ。しかし、スポーツは得意だ。
②疲れたので、今日は休むことにした。
③呼んだが、彼は返事をしなかった。
④おや、おもしろそうな番組だね。
⑤こんにちわ、今日も授業を始めます。
⑥2月11日、それは建国記念日だ。
①しかし②疲れたので③呼んだが④おや⑤こんにちわ⑥2月11日
①~③は「接続語」、④~⑥は「独立語」となります。
まとめ
以上、本記事のまとめとなります。
「主語」=「誰が」「何が」などに当たる部分。
「述語」=「どうする」「どんなだ」「何だ」「ある」などに当たる部分。
「修飾語」=他の文節をくわしく説明する文節。
「接続語」=前後の文や文節をつなぐ文節。
「独立語」=「呼びかけ」「感動」「応答」「提示」などを表す文節。
いずれも文法の基礎である大事な用語です。これを機に、ぜひ正しい理解を深めて頂ければと思います。