『身体、この遠きもの』は、鷲田清一氏による評論文です。教科書・現代の国語にも載せられています。
ただ、本文を読むと意味の分かりにくい言葉が多く出てきます。そこで今回は、本作に出てくる語句や漢字を段落ごとにまとめました。
第一段落の語句一覧
【対照(たいしょう)】⇒二つのものを照らし合わせて比べること。
【固有(こゆう)】⇒そのものだけにあるさま。特有であるさま。
【身に沁む(みにしむ)】⇒心に深く感じる。
【身を入れる(みをいれる)】⇒一生懸命になる。
【身を焦がす(みをこがす)】⇒恋しい気持ちが抑え切れず、身をもだえ苦しめる。
【物質体(ぶっしつたい)】⇒物体。
【口唇(こうしん)】⇒「くちびる」の漢語的表現。
【透明(とうめい)】⇒ここでは、「何もない。意識されない。」といった意味。
【病の床にふす(やまいのとこにふす)】⇒病気で寝込む。
【にわかに】⇒急に。すぐには。
【はれぼったい】⇒体の一部がふくれてうっとうしいさま。ここでは、身体の不調により、その部分の存在感が増し、うっとうしく感じられるさまを表す。
【バイヤスをかける】⇒偏りを与える。※「バイヤス」とは「偏り」という意味。
【局面(きょくめん)】⇒ 物事の、その時の状況・状態。ここでは、わたしたちが生きて生活していく上で現れる一つの状態。
【意のままにする】⇒じぶんの思い通りに扱う。
【随意(ずいい)】⇒思いのままであること。意のままに自由にできること。
【そこかしこ】⇒あちこち。
【倦怠(けんたい)】⇒心身が疲れてだるいこと。
【抗う(あらがう)】⇒抵抗する。
【神秘(しんぴ)】⇒人間の力では解き明かせない不思議なこと。
【任意の他人(にんいのたにん)】⇒自分でない誰かを指名した、その人。「任意」とは「その人の自由意志にまかせること」という意味。
【人称としてのわたし】⇒話し手としてのわたし。「人称」とは、話し手・聞き手・話題の人といった文法的区別のこと。
【齟齬(そご)】⇒食い違うこと。
【乖離(かいり)】⇒結びつきが全くなくなること。
【埋没(まいぼつ)】⇒うずもれて見えなくなること。
【可塑的(かそてき)】⇒条件の変化を受けて、簡単に形が変わってしまう性質。「可塑」とは「思うように形づくれること」という意味。
第二段落の語句一覧
【自明(じめい)】⇒説明するまでもなく、明らかなこと。
【感触(かんしょく)】⇒肌に触れたときに受ける感じ。
【触知(しょくち)】⇒触れて知覚すること。
【接触(せっしょく)】⇒触れること。
【泥濘(でいねい)】⇒ぬかるみ。泥のぬかった場所。
【テリトリー】⇒領域。範囲。
【見ず知らず(みずしらず)】⇒今までに会ったことがなく、まったく知らないこと。
【至近距離(しきんきょり)】⇒きわめて近い距離。
【いらだたしい】⇒思い通りにならず、怒りを感じるさま。
【収縮(しゅうしゅく)】⇒ひきしまって小さくなること。
【生成(せいせい)】⇒物としての形が現れること。
【大づかみに(おおづかみに)】⇒細かいことにはこだわらず、物事の全体をおおよそとらえること。
【抽象的(ちゅうしょうてき)】⇒頭の中だけで考えていて、具体性に欠けるさま。
第三段落の語句一覧
【媒体(ばいたい)】⇒伝達の媒介となる手段。
【終生(しゅうせい)】⇒一生。
【逐一(ちくいち)】⇒一つ一つ順を追ってもれなく。何から何まで全部。
【制御(せいぎょ)】⇒自分の思う通りに動かすこと。
【むきだし】⇒隠さず、あらわにするさま。
【無防備(むぼうび)】⇒自分を守るための準備がないこと。
【表情を繕う(ひょうじょうをつくろう)】⇒本心などを悟られないように、自分の表情を作る。
【微調整(びちょうせい)】⇒仕上げのためのわずかな調整。
【一喜一憂(いっきいちゆう)】⇒状況の変化などちょっとしたことで、喜んだり不安になったりすること。
【誤差(ごさ)】⇒食い違い。
【理にかなう(りにかなう)】⇒理屈に合う。
【確固(かっこ)】⇒たしかなさま。しっかりして動かぬさま。
【子宮という密室(しきゅうというみっしつ)】⇒胎児がはぐくまれるところ。
【挿入(そうにゅう)】⇒中にさし入れること。
【補強(ほきょう)】⇒弱い部分や足りないところを補って強くすること。
【プロポーション】⇒均整。全体のバランス。
【容貌(ようぼう)】⇒顔つき。顔かたち。
【過剰(かじょう)】⇒必要以上に多いこと。
【固定観念(こていかんねん)】⇒正しいと思い込んで変えることのできない考え。
【金縛り(かなしばり)】⇒身動きがとれなくなること。
【硬直(こうちょく)】⇒固くなって曲げることができなくなること。
【ぎくしゃくとする】⇒こうかと思えばそうでなかったり、すっかりなめらかには落ち着かない。
まとめ
以上、今回は『身体、この遠きもの』に出てくる重要語句を簡単にまとめました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。なお、本文の要約やテスト対策については以下の記事で解説しています。