連係 連携 違い 意味 使い方 例文

「連係」と「連携」は、どちらも普段から使われている言葉です。

連係動作」「連携して仕事を行う」

最近では、ITのシステムやデータにもよく使われているようです。さらに似たような言葉で「連繋」も目にします。

これらの言葉は、どのように使い分ければいいのでしょうか?本記事では、「れんけい」の違いについて詳しく解説しました。

連係の意味

 

まずは、「連係」の意味です。

【連係(れんけい)】

互いの間につながりのあること。他と密接な関連をもつこと。(※「連繋」とも)

出典:デジタル大辞泉(小学館)

連係」とは「互いの間につながりがあること」という意味です。主な使い方としては、以下の通りです。

  • 手足の連係動作。
  • 両者は何の連係もない。

一つずつ説明すると、「手足の連係動作」とは「手と足を一緒に動かす動作のこと」を意味します。最も分かりやすいのが「ダンス」です。

ダンスなどの動きは、手と足が密接に関わっていないと成り立ちません。このように、お互いにつながりがあって成り立つ動作を「連係動作」と言ったりします。

また、「何の連係もない」とは「お互いが何のつながりもない」という意味です。言いかえれば、「友達でもないし家族でもないし仕事仲間でもない」ということです。

以上、よくある2つの用例を紹介しました。このように、「お互いにちゃんとつながりがあること・密接な関係を持っていること」を「連係」と言うわけです。

なお、辞書の説明にもあるように「連係」は「連繋」と書く場合もあります。

連携の意味

 

続いて、「連携」の意味です。

【連携(れんけい)】

互いに連絡をとり協力して物事を行うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

連携」とは「互いに連絡を取り、一緒に物事を行うこと」という意味です。例えば、以下のように使います。

  • 野党が連携して選挙に挑む。
  • 国と国の連携を強化する。

こちらも一つずつ説明すると、「野党の連携」とは「与党以外のお互いの政党が協力し合い、選挙の勝利を目指す」という意味です。そして、「国と国の連携」とは「国同士が協力し合い、外交問題などを解決していく」という意味です。

このように、「連携」とは「同じ目的を持つ者同士が、互いに協力すること」を表す言葉となります。

連係と連携の違い

連係 連携 違い 使い分けは

ここまでの内容を整理すると、

連係」=互いの間につながりがあること。

連携」=互いに連絡を取り、一緒に物事を行うこと。

ということでした。

両者の違いを簡単に言うと、「連係」は「つながり(関係)」を表し、「連携」は「共同作業」を表す。と言えるでしょう。

「連係」は、「人と人」「物事と物事」のように何かのつながりを表す時に使います。一方で、「連携」は、「連携して行う」「連携して挑む」のようにお互いが協力して物事を行う時に使います。

さらに詳しく違いを述べるなら、「関係の密接度で言えば連係の方が上」とも言えます。どちらも「互いに連絡を保つ」という意味は共通しています。しかし、厳密に言うと、「連係」は「よく連絡を保つ」のに対し、「連携」は「連絡を保つ」という点が異なります。

理由については、両者の語源にあります。元々「連係」という漢字は、戦前まで「連繋(れんけい)」と書いていました。ところが、戦後の常用漢字の改定で「連繋」は難読漢字なので「連係」と記述することが決まったのです。

」は「繋(つな)ぐ」とも読むように「何かを結びつける」という意味がありました。ここから、「連係」=「つなぐ・結びつける」という意味で使われるようになったのです。

対して、「連携」の方は、「連絡提携」の略語として比較的新しくできた言葉と言われています。このような経緯もあり、現在では両者の意味に微妙な違いが生じているということです。

使い方・例文

 

最後に、それぞれの使い方を例文で紹介しておきます。

【連係の使い方】

  1. メンバー同士の連係を密にしていく。
  2. 彼らの間に、何か連係があるわけではない。
  3. 内外野の巧みな連係プレーで、ランナーを刺す。
  4. 密接な連係があるので、双方に問題が起こった。
  5. 社長の解任に連係し、役員達も降格となった。

【連携の使い方】

  1. 関係各社が連携し、ビジネスを展開していく。
  2. ボランティア団体と連携して、募金活動を行う。
  3. 目標を達成するために、彼と連携して仕事を進めた。
  4. 「TPP」は、「環太平洋経済連携協定」と呼ばれる。
  5. テレワーク定着の鍵は、データの連携だと言われている。

 

3.の「連係プレー」については補足しておきましょう。「内外野」とは、野球のポジションの「内野」と「外野」という意味です。

外野に打球が飛んだ時、内野手が外野手からボールを受け取り、ホームまでボールを投げることで打者をアウトにするというシーンを見たことがあると思います。このように、内野手と外野手が互いにつながり合って行うプレーを「連係プレー」と言うのです。

ただし、野球の連携プレーに関しては、見方によっては「内野手と外野手の共同作業」とも言えます。そのため、場合によっては「連携プレー」と書くこともあります。

この辺りの明確な境界線は実質あってないようなものだと考えてください。野球のプレーに関しては、どちらも使われているのが現状です。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

連係」=互いの間に(密接な)つながりがあること。

連携」=互いに連絡を取り、一緒に物事を行うこと。

違い」⇒「連係」は「よく連絡する」という「つながり」を表した言葉。「連携」は「一緒に行う」という「共同作業」を表した言葉。

「連繋」は戦前に使っていた古い言葉なので、今はほとんど使われていません。そのため、現在では「連係」か「連携」を使うようにしましょう。