「明朗闊達」という四字熟語があります。ビジネスで使われることも多く、履歴書の長所や自己PR欄に記している人もいます。
この「明朗快活」ですが、具体的にどのような性格を指すのでしょうか?似たような言葉である「明朗快活」との違いも気になる所です。
本記事では、「明朗闊達」の意味や読み方、語源、例文などを解説しました。
明朗闊達の意味・読み方
最初に、基本的な意味と読み方を紹介します。
【明朗闊達(めいろうかったつ)】
⇒明るくほがらかで、細事にこだわらないさま。
出典:三省堂 新明解四字熟語辞典
「明朗闊達」は「めいろうかったつ」と読みます。
意味は「明るく朗らかで、細かいことにこだわらない様子」を表したものです。
例えば、職場の上司が常に明るくて、部下の細かいミスなどにも寛容な性格だったとします。このような上司は、明るく朗らかで、細かいことにもこだわっていません。
よって、「明朗闊達な性格」と言えます。
他には、スポーツの監督であれば、陽気な性格で選手が細かいミスをしても非難しない人物なども「明朗闊達である」と言えます。
つまり、「明朗闊達」とは明るく朗らかで、なおかつ小さなことにもこだわらない性格を表した四字熟語ということです。言葉のイメージ通り、相手への褒め言葉として使うと考えて問題ありません
明朗闊達の語源・由来
「明朗闊達」は、「明朗」と「闊達」から成る四字熟語です。
まず、「明朗」とは「明るく朗(ほが)らか」という意味です。「朗らか」とは「心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るい様子」を表した言葉です。すなわち、「明朗」とはその人が明るい様子を漢字二文字で強調した熟語ということになります。
そして「闊達」とは「心が広く、相手のことを理解している」という意味です。「闊」には「心が広い・面積が広い」などの意味があります。また、「達」には「達人」「上達」などの熟語があるように「通ずる・理解する」という意味があります。
両者を合わせると、「明朗闊達」=「明るく朗らかで、心が広く相手を理解している」となります。転じて、「明るくて、細事にこだわらない様子」という現在の意味になるわけです。
以上の事を踏まえますと、「明朗闊達」には心の広さや器の広さなどの人間的に大人な要素が含まれているということが分かるでしょう。つまり、ただ単に明るい人に対しては使わないということです。
なお、「明朗闊達」を「明郎闊達」と書くのは誤記です。「ろう」の部分は「太郎」の「郎」ではなく「朗らか」の「朗」と書くのがポイントとなります。
明朗闊達の類義語
「明朗闊達」の「類義語」は以下の通りです。
4つ類語を紹介しましたが、この中では「明朗快活」が最もよく使われます。「明朗快活」とは「明るく元気であるさま」という意味です。
「明朗闊達」との違いですが、「明朗快活」には「心が広い」という意味までは含まれません。あくまで、「明るく元気である様子」を表しただけの四字熟語です。「快活」とは「元気ではつらつとした」という意味で、「明朗」とほぼ同じ意味の言葉です。
実際に履歴書の自己PR欄などの記入する際は、「明朗闊達」と「明朗快活」のどちらも使うことができます。ただ、履歴書などに関しては一般に「明朗快活」の方が使われる傾向にあります。
これは「心が広い」「度量が広い」などといった性質は、ある程度社会に出てそれなりの経験を積んだ人が持てるものだからだと言えます。したがって、もしもあなたが新卒の学生で履歴書に性格を記入するとするならば、「明朗快活」の方をおすすめします。
なお、まれに「明朗活発」と書く人もいますが、このような言葉は存在しないので注意してください。これは「闊達」と書くべき所を、似たような音である「活発」と書いてしまった誤用だと思われます。
明朗闊達の対義語
逆に、「明朗闊達」の「対義語」としては次の言葉が挙げられます。
「反対語」の場合は「気分が晴れなかったり、精神が落ち込んだりする様子」を表す四字熟語となります。どれもネガティブな意味を持つ言葉なので、普段の文章での用例は多くありません。
明朗闊達の英語訳
「明朗闊達」は、英語だと次のように言います。
「cheerful and open-minded」
「cheerful」は「元気な・ほがらかな」、「open-minded」は「広い心の・開放的な」などの意味です。両者を合わせることで、「元気で心が広い」⇒「明朗闊達」と訳すことができます。
「cheerful」の部分は、「bright(明るい・朗らかな・快活な)」など別の単語に言い換えることも可能です。
例文だと、次のような言い方となります。
She has a cheerful and open-minded personality.(彼女は明朗闊達な性格である。)
My father is bright and open-minded.(私の父は明朗快活である。)
明朗闊達の使い方・例文
最後に、「明朗闊達」の使い方を例文で紹介しておきます。
- 彼は明朗闊達な性格なので、クラスでは一番の人気者ですよ。
- 彼女は明朗闊達な女性なので、その場にいるだけで周りが明るくなる。
- わが校では、「明朗闊達」という教育方針を元に生徒達と向き合っています。
- 明朗闊達な上司なので、部下である私も仕事がやりやすくて感謝しています。
- 監督の明朗闊達な性格はさすがだ。選手たちも皆楽しんでいるのが伝わってくるよ。
- 彼は明朗闊達な指導者なので、選手達も失敗を恐れずに伸び伸びとプレーできるようだ。
「明朗闊達」は、上記のように学校や職場、スポーツなど様々な場面で使うことができます。いずれの場合も相手への褒め言葉など良い意味として使うのが基本です。
もしも自分の性格に対して述べる時は、履歴書の自己PR欄などで長所をアピールするような使い方をします。ただ、この場合は先述したように「明朗快活」の方が使いやすいです。
「明朗闊達」も自己をPRする際に使えないというわけではありません。しかし実際には「明朗闊達」は自分というよりは他人に対して使うことが多い四字熟語です。
まとめ
以上、本記事のまとめです。
「明朗闊達」=明るく朗らかで、細かいことにこだわらない様子。
「語源・由来」=「明るく朗らかで、心が広く相手を理解していること」から。
「類義語」=「明朗快活・英明闊達・自由闊達・闊達明朗」
「対義語」=「鬱々怏怏・精神鬱怏・陰々滅々」
「英語訳」=「cheerful and open-minded」
「明朗闊達」な性格であることは、素晴らしいことです。ただ、いくら明るい性格と言っても人が落ち込むような場面で細かいことを気にせず笑っていては元も子もありません。基本的には良い意味を持つ「明朗闊達」ですが、状況によっては短所にもなり得るということを覚えておきましょう。