共存共栄 意味 使い方 例文 類語 英語 ビジネス

「共存共栄」という有名な四字熟語があります。

ビジネスにおいてよく使われ、パナソニック創業者の松下幸之助氏なども使っていました。最近では、座右の銘やスローガンとして用いている人も多いようです。

本記事では、そんな「共存共栄」の意味や読み方、類語、反対語などを詳しく解説しました。

共存共栄の意味・読み方

 

最初に、「共存共栄」の意味を辞典で引いてみます。

【共存共栄(きょうぞんきょうえい)】

二つ以上のものが互いに敵対することなく助け合って生存し、ともに栄えること。「存」は「そん」とも読む。 

出典: 三省堂 新明解四字熟語辞典

共存共栄」は、「きょうぞんきょうえい」と読みます。

「存」は「そん」とも読めるため、「きょうそんきょうえい」と読む場合もあります。ただ、一般的には「きょうぞんきょうえい」と読むことが多いです。

そして意味ですが、「共存共栄」とは「二つ以上のものが敵対することなく、互いに助け合って栄えていくこと」です。

例えば、A社のライバル会社であったB社がいたとします。

通常であれば、A社とB社が手を組むようなことはありません。しかし、今後のビジネスを発展させていくために、お互いに手を結び共同で事業を開発したとします。

このような関係は、まさに「共存共栄」と言うことができます。

あるいは、一対一の関係でなくても構いません。近隣住民が皆で協力し、地域活性化を図ることなども「共存共栄」に含まれます。

お互いが争うことなく、共に助け合って発展していくことであればそれは「共存共栄」と呼べるのです。

共存共栄の語源・由来

 

「共存共栄」は、「共存」と「共栄」から成る四字熟語です。

まず「共存」は「生存する」と書くので「二つ以上のものが、一緒に生存すること」を表します。そして、「共栄」は「える」と書くので「二つ以上のものが、一緒に栄えること」を表します。

以上の事から、「共存共栄」は、「お互いが敵対することなく、共に栄えていくこと」という意味になるわけです。

「共」という字は「共演」「共通」「共感」などの熟語があるように、「一緒・同じ」という意味があります。この「共」を二回使って繰り返すことにより、「一緒に生存すること・栄えること」を表した四字熟語にしているということです。

共存共栄の類義語

共存共栄 類義語 言い換え 対義語 反対語

「共存共栄」の「類義語」は以下の通りです。

相互扶助(そうごふじょ)】⇒お互いが助け合うこと。
相互協力(そうごきょうりょく)】⇒お互いが協力すること。
相利共生(そうりきょうせい)】⇒両種ともに利益を受ける関係。
協調関係(きょうちょうかんけい)】⇒お互いが協調している関係。
一蓮托生(いちれんたくしょう)】⇒相手と行動や運命を共にすること。
二人三脚(ににんさんきゃく)】⇒二人が歩調を合わせ、協力して物事を行うこと。
一致団結(いっちだんけつ)】⇒特定の目的を達成するために、集団が心を一つにして協力すること。

「共存共栄」を言い換えた語は多くありますが、共通しているのは「お互いが協力する」ということです。お互いが手を取り合い、行動を共にする言葉であれば、それは類義語と呼べます。

その他、ことわざや慣用句だと「持ちつ持たれつ」「助け舟を出す」なども似た意味の言葉です。前者は「互いに助けたり助けられたりする様子」、後者は「相手が困っている時に助ける様子」を表します。

共存共栄の対義語

 

逆に、「共存共栄」の「対義語」としては以下の言葉が挙げられます。

独立独歩(どくりつどっぽ)】⇒他人には頼らず、自分の力だけで道を歩むこと。
弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)】⇒強い者が弱い者を餌食にして栄えること。
単独行動(たんどくこうどう)】⇒他人とは絡まず、自分一人のみで行動すること。
優勝劣敗(ゆうしょうれっぱい)】⇒強い者が生き残って栄え、弱い者は滅びていくこと。

反対語の場合は「助け合わない・協力しない」といった意味の言葉となります。この中でも特に「弱肉強食」や「独立独歩」はよく使われる四字熟語だと言えます。

共存共栄の英語訳

 

「共存共栄」は、英語だと次のように言います。

coexist and co-prosper with

coexistence and co-prosperity

「coexist」は「共存する」、「co-prosper」は「共栄する」という意味です。

それぞれ前に「co」を付けることで成り立つ単語ですが、「co」には「共同の」という意味があります。

この「co」に「exist(存在する)」「existence(存在)」、「prosper(栄える)」「prosperity(反映)」を付けることで、「共存共栄」と訳すことができます。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

I intend to coexist and co-prosper with him.(私は彼とは共存共栄を図るつもりです。)

I value the spirit of coexistence and co-prosperity.(私は共存共栄の精神を重視しています。)

共存共栄の使い方・例文

 

最後に、「共存共栄」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 弊社の経営理念は、共存共栄の精神でビジネスを進めていくことです。
  2. A社との取引を円滑にするためにも、共存共栄の関係でいたいものだ。
  3. 動物や植物たちとの共存共栄を図るためにも、環境問題は解決すべきである。
  4. この地域の商店街はすべてのお店が共存共栄し、地域活性化に貢献している。
  5. 共存共栄を図るために、今回このようなコミュニティーを用意致しました。
  6. 他国と条約を結ぶのは、両国間の共存共栄の関係を維持するためでもある。

 

「共存共栄」は、様々な対象に使うことができます。「人と人」「国と国」「会社と会社」など、その相手となる対象は限定されません。その中でも、ビジネスでは使いやすい四字熟語だと言えます。

ビジネスの世界では、「お互いが争うのではなく、両者が助け合って成長していく」という意味合いで使われることが多いです。言わば、「Win-Win(ウィンウィン)の関係」ということです。

相手を蹴落としてまで利益を追求していくのではなく、お互いが得になるようにビジネスを展開していくこと。それが、「共存共栄」のビジネスとしての意味だと言えます。

まとめ

 

以上、今回のまとめとなります。

「共存共栄」=二つ以上のものが敵対することなく、互いに助け合って栄えていくこと。

語源・由来」=二つ以上のものが一緒に生存し、一緒に栄えることから。

類義語」=「相互扶助・相利共生・相互協力・協調関係・二人三脚・一蓮托生・一致団結」

対義語」=「弱肉強食・優勝劣敗・独立独歩・単独行動」

英語訳」=「coexist and co-prosper with」「coexistence and co-prosperity」

「共存共栄」は、ビジネスだと取引先と協力することを意味します。顧客にだけ目を向けていては、ビジネスでは利益を最大化することはできません。売上を上げるためにも、そして会社を長く存続させるためにも「共存共栄」の精神が必要ということです。