第六段落の言葉一覧

 

【相図(あいず)】⇒合図。

【恭謙(きょうけん)】⇒慎み深く、へりくだるさま。

【会釈(えしゃく)】⇒軽くあいさつや礼を交わすこと。

【俳諧師(はいかいし)】⇒俳諧・俳句に巧みな人。俳人。

【病(や)みほうけた】⇒長く病んで、ぼけたようなさま。

【眺める(ながめる)】⇒じっと見つめる。感情をこめて、つくづくと見る。

【悔恨(かいこん)】⇒過ちを後悔して残念に思うこと。

【錯雑(さくざつ)】⇒まとまりがなく入りまじっていること。

【陰(かげ)】⇒物事の表面にあらわれない部分。裏面。

【日向(ひなた)】⇒物事の表面。表側。

【因縁(いんねん)】⇒運命。宿命。

【小心(しょうしん)】⇒気が小さくて臆病なこと。

【掻乱(そうらん)】⇒かきまわして乱す。

【伏見(ふしみ)】⇒京都市南部の区名。

【門を叩く(もんをたたく)】⇒ある場所を訪ねること。

【看病(かんびょう)】⇒病人に付き添って世話をすること。

【怠る(おこたる)】⇒すべきことをしないでおく。なまける。

【之道(しどう)】⇒槐本之道(えのもとしどう)のこと。江戸時代の俳人で、大坂蕉門の第一人者。

【手伝ひの周旋(てつだいのしゅうせん)】⇒家の手伝いをする人間の手配・なかだち。

【住吉大明神(すみよしだいみょうじん)】⇒現在の大阪府大阪市住吉区住吉にある住吉大社神社。

【本復(ほんぷく)】⇒病気が全快すること。

【花屋仁左衛門(はなやにざえもん)】⇒芭蕉が51歳で臨終を迎えることになる旅宿の主人の名前。

【調度(ちょうど)】⇒日常使う手回りの道具や器具類、また小型の家具。

【車輪(しゃりん)】⇒ここでは、「中心」を意味する比喩表現。

【万事万端(ばんじばんたん)】⇒あらゆること。

【世話を焼く(せわをやく)】⇒他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。

【勿論(もちろん)】⇒もちろん。

【恩を着せる(おんをきせる)】⇒物事を相手のためにわざわざ行ったかのように扱い、ありがたがらせようとする。本来は「恩に着せる」と言う。

【皆無(かいむ)】⇒全くないこと。

【行住坐臥(ぎょうじゅうざが)】⇒日常の振る舞い。

【夜伽(よとぎ)】⇒病人のために、夜寝ないで付き添うこと。

【行灯(あんどん)】⇒小型の照明具。

【浮世話(うきよばなし)】⇒世間話。

【耽る(ふける)】⇒一つの物事に熱中する。夢中になる。

【故に(ことさらに)】⇒特別に。わざわざ。

【孝道(こうどう)】⇒親孝行の道。

【釋く(とく)】⇒説く。相手に解るように話し聞かせる。

【述懐(じゅっかい)】⇒思いをのべること。

【苦笑(くしょう)】⇒おもしろくてではなく、仕方なくする笑い。返答にとまどったり、不愉快に思っても表面に出せない時などに思わずする笑い。

【調和(ちょうわ)】⇒全体がほどよくつりあって、まとまっていること。

【自己批評(じこひひょう)】⇒自分で自分のことを批評すること。「批評」とは、物事の是非・善悪などを指摘して評価を述べることを表す。

【疚しい(やましい)】⇒良心がとがめる。後ろめたい。

【扞挌(かんかく)】⇒食い違うこと。矛盾。

【掣肘(せいちゅう)】⇒制約。わきから干渉して人の自由な行動を妨げること。

【将に(まさに)】⇒まさに。

【反つて(かえって)】⇒かえって。逆に。

【明白(めいはく)】⇒あきらかで疑う余地のないさま。

【愈(いよいよ)】⇒いよいよ。

【供する(きょうする)】⇒身分の高い人などに差し出す。差し上げる。

【潔癖(けっぺき)】⇒不正なことを極度に嫌う性質。

【存外(ぞんがい)】⇒案外。思いのほか。

【繊弱(せんじゃく)】⇒弱々しいこと。かよわいこと。

【矛盾(むじゅん)】⇒二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。

【頻に(しきりに)】⇒しきりに。

【珠(たま)】⇒球形をなすもの。

【門弟(もんてい)】⇒門人。弟子。

【辛辣(しんらつ)】⇒きわめて手厳しいさま。

第七段落の言葉一覧

 

【席に復する(せきにふくする)】⇒いったん離れた席に再び戻る。元の席にかえる。

【老実(ろうじつ)】⇒物事に慣れていて誠実であること。

【つつましい】⇒遠慮深い態度である。控えめで、しとやかである。

【伏眼(ふくがん)】⇒伏目(ふしめ)のこと。少しうつむきがちに、視線を下の方に向けること。

【誦(ず)しながら】⇒となえながら。「誦す(ずす・じゅす)」とは「声を出して唱える。口ずさむ」などの意味。

【厳か(おごそか)】⇒重々しくいかめしいさま。礼儀正しく近寄りにくいさま。

【相違ない(そういない)】⇒違いない。

【哄笑(こうしょう)】⇒大口をあけて笑うこと。どっと大声で笑うこと。

【堰(せ)かれ】⇒ふさがれ。さえぎられ。「堰く」とは、流れなどをさえぎって止める、ふさぐ。などの意味。

【ちぎれちぎれ】⇒いくつもにちぎれているさま。

【鼻の孔(はなのあな)】⇒鼻の穴。

【迸る(ほとばしる)】⇒勢いよく飛び散る。また、激しく流れ出る。

【笑を失した(わらいをしっした)】⇒思わず笑ってしまった。失笑した。

【慟哭(どうこく)】⇒悲しみのあまり、声をあげて泣くこと。

【悲愴(ひそう)】⇒悲しく痛ましいこと。

【名句(めいく)】⇒すぐれた句。有名な句。

【凄絶(せいぜつ)】⇒非常にすさまじいこと。

【誇張(こちょう)】⇒実際よりも大げさに表現すること。

【欠乏(けつぼう)】⇒乏しいこと。不足すること。

【智的(ちてき)】⇒知的。知識・知性の豊かなさま。

【哀慟(あいどう)】⇒悲しんで、泣き叫ぶこと。

【延いては(ひいては)】⇒ひいては。

【潔しとしない(いさぎよしとしない)】⇒自分の信念に照らし合わせて、許すことができない。

【嗚咽(おえつ)】⇒声をつまらせて泣くこと。むせび泣き。

【歔欷(きょき)】⇒すすり泣くこと。

【裾(すそ)】⇒物の端。下端や末端の部分。

【洟(はな)】⇒鼻。

【しめやか】⇒気分が沈んでもの悲しげなさま。しんみりとしたさま。

【冴(さ)えた】⇒精神的に「冷え切った」という意味。

【断続(だんぞく)】⇒ 切れたり続いたりすること。

第八段落の言葉一覧

 

【惻々(そくそく)】⇒悲しみいたむさま。

【念珠(ねんじゅ)】⇒数珠(じゅず)のこと。珠 (たま) を一つ繰るごとに念仏を唱えるところから。

【手頸(てくび)】⇒手首。

【皮肉屋(ひにくや)】⇒何かとよく皮肉を言う人。

【東花坊(とうかぼう)】⇒支考の俳号の一つ。

【莫迦(ばか)】⇒馬鹿。

【容子(ようす)】⇒様子。

【横風(おうふう)】⇒偉そうに人を見くだす態度をとること。

【無造作(むぞうさ)】⇒技巧をこらさないこと。念入りでないこと。

【雖も(いえども)】⇒言えども。

【感慨(かんがい)】⇒心に深く感じて、しみじみとした気持ちになること。

【野ざらし(のざらし)】⇒風雨にさらされて白骨化した人間の骨。特に、その頭骨。

【素懐(そかい)】⇒かねてからの願い。

【悦ばしい(よろこばしい)】⇒喜ばしい。

【ただ中(なか)】⇒まん中。

【相違(そうい)】⇒違い。差。

【発句(ほっく)】⇒短歌の最初の句。

【滅後(めつご)】⇒死後。

【臨終(りんじゅう)】⇒人が死のうとするまぎわ。死にぎわ。

【刻々(こくこく)】⇒時間を追って。時間がたつのにつれて。

【皮肉(ひにく)】⇒遠まわしに意地悪く非難するさま。

【他日(たじつ)】⇒後日。いつか別の日。(将来における不定の日を指した語。)

【終焉記(しゅうえんき)】⇒人が亡くなった際の死の状況とその前後を記録したもの。

【命終(みょうじゅう)】⇒命が尽きること。死ぬこと。

【侍する(じする)】⇒高貴な人や目上の人のそば近くに仕える。

【他門(たもん)】⇒ほかの一門。

【名聞(みょうもん)】⇒評判。名誉。

【利害(りがい)】⇒利益と損害。得することと損すること。

【打算(ださん)】⇒利害や損得を見積もること。

【屡(しばしば)】⇒しばしば。

【差支へない(さしつかえない)】⇒問題ない

【悼む(いたむ)】⇒人の死を悲しみ嘆く。

【窮死(きゅうし)】⇒窮迫のうちに死ぬこと

【先達(せんだつ)】⇒他の人より先にその分野に進み、業績・経験を積んで他を導く人。

【歎かずに(なげかずに)】⇒嘆かずに。

【薄暮(はくぼ)】⇒日が暮れようとする頃。夕暮れ。

【薄情(はくじょう)】⇒人情に薄いこと。思いやりの気持ちがないこと。

【厭世的(えんせいてき) 】⇒人生に悲観し、生きているのがいやになっているさま。悲観的。

【嘲る(あざける)】⇒ばかにして軽蔑する。

【徐に(おもむろに)】⇒落ち着いて、ゆっくりと行動するさま。

【冷然(れいぜん)】⇒少しも心を動かさず冷ややかな態度でいるさま。

【白眼(はくがん)】⇒冷たい目つき。

【性行(せいこう)】⇒人の性質と普段の行い。

【習気(しゅうき)】⇒身にしみついた習慣。癖。

第九段落の言葉一覧

 

【断末魔(だんまつま)】⇒息を引き取るまぎわ。臨終。

【弾指(だんし)】⇒きわめて短い時間。

【痰(たん)】⇒気管から出る粘液。

【無理由(むりゆう)】⇒理由がないこと。

【驚悸(きょうき)】⇒驚いて胸がどきどきすること。

【風流の行脚(あんぎゃ)】⇒俳諧の道を極めるために諸国を歩き回ること。

【総身(そうみ)】⇒全身。からだ全体。

【切迫(せっぱく)】⇒さしせまること。

【冬晴(ふゆばれ)】⇒穏やかに晴れわたった冬の日。

【園女(そのじょ)】⇒斯波園女(しばそのめ)のこと。蕉門の俳人で、夫とともに本職は医者。女性らしい句風を持つ。

【水仙(すいせん)】⇒ヒガンバナ科の多年草。

【病間(びょうかん)】⇒病気にかかっている間。

【句作(くさく)】⇒俳句や連句を作ること。

【徘徊(はいかい)】⇒あてもなく、うろうろと歩きまわること。

【終焉(しゅうえん)】⇒死を迎えること。臨終。最期。

【初時雨(はつしぐれ)】⇒その年初めて降る時雨。「時雨」とは、秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨。

【追々(おいおい)】⇒時間が経つにつれて、だんだんと。

【険悪(けんあく)】⇒状況などが悪化して油断ができないこと。

【刻銘(こくめい)】⇒克明。細かいところまで念を入れて手落ちのないこと。

【正視(せいし)】⇒まともに見ること。直視。

【挫折(ざせつ)】⇒意欲や気力をなくすこと。

【事によると(ことによると)】⇒もしかすると。

【無愛想(ぶあいそう)】⇒愛想のないこと。そっけなくつっけんどんなこと。

【上眼(うわめ)】⇒上目(うわめ)。顔を上げないで、目だけで上のほうを見ること。

第十段落の言葉一覧

 

【病床(びょうしょう)】⇒病人の寝る床。

【蝋(ろう)のような】⇒蝋人形のような。

【褪せた(あせた)】⇒もとの色やつやが薄くなった。

【頤(おとがい)】⇒下あご。

【凍(い)てつく】⇒こおりつく。

【赴く(おもむく)】⇒ある場所に向かって行く。

【寂光土(じゃっこうど)】⇒極楽浄土のこと。

【黙然(もくぜん)】⇒口をつぐんでいるさま。何も言わずに黙っているさま。

【頭を垂れる(こうべをたれる)】⇒頭を前に下げる様子。へりくだったり、相手に敬意を表したりして、謙虚な振る舞いをするさまを意味する表現。

【禅客(ぜんかく)】⇒ 禅の修行僧。

【明方(あけがた)】⇒明け方。夜の明けようとするころ。夜明け方。

【朗らか(ほがらか)】⇒心にこだわりがなく、晴れ晴れとして明るいさま。

【雑念(ざつねん)】⇒気持ちの集中を妨げるいろいろな思い。

【毫も(ごうも)】⇒少しも。ちっとも。

【虚夢(きょむ)】⇒現実にはあるはずのない夢。

【超越(ちょうえつ)】⇒普通に考えられる程度をはるかにこえていること。

【常住涅槃の宝土(じょうじゅうねはんのほうど)】⇒極楽浄土のこと。

【咨咀逡巡(しそしゅんじゅん)】⇒物事が進まずためらうこと。

【欺く(あざむく)】⇒だます。言いくるめる。

【桎梏(しっこく)】⇒人の行動を厳しく制限して自由を束縛するもの。

【屈する(くっする)】⇒負けて服従する。屈服する。

【漸く(ようやく)】⇒ようやく。

【解放(かいほう)】⇒束縛されたり制限されたりしている状態から自由になること。

【恍惚(こうこつ)】⇒心を奪われてうっとりするさま。

【つまぐる】⇒爪先または指先で順に数えること。

【眼底を払つて去つた如く(がんていをはらってさったごとく)】⇒眼中に入らなくなったように。

【唇頭(しんとう)】⇒口先。

【恭しい(うやうやしい)】⇒相手を敬って、礼儀正しく丁寧である。

【礼拝(れいはい)】⇒礼しておがむこと。

第十一段落の言葉一覧

 

【古今(ここん)】⇒昔から今日に至るまで。

【倫を絶す(りんをぜっす)】⇒他と比べて技量などが並外れている。

【悲歎(ひたん)】⇒かなしみなげくこと。

【溘然(こうぜん)】⇒にわかなさま。突然であるさま。人の死などにいう。

【属纊(しょっこう)】⇒臨終。

まとめ

 

以上、本記事では『枯野抄』に出てくる漢字や重要語句をわかりやすくまとめました。言葉の意味が分かれば、本文の内容も理解しやすくなるはずです。ぜひ定期テストなどの対策として頂ければと思います。