中学国語の文法で「助詞」の種類を学びます。
①「格助詞」②「接続助詞」③「副助詞」④「終助詞」
この中で一番判別しにくいのが「副助詞」だと言われています。特に「格助詞」との区別は多くの人が間違えやすいです。
そこで今回は、この「副助詞」について覚え方や語呂合わせなどを含め分かりやすく解説しました。
副助詞とは
まずは、基本的な意味からです。
「副助詞」とは簡単に言うと「色々な意味を添(そ)える語」のことを表します。
これだけだと分かりにくいため、例文を出します。
- 勉強はした。(題目)
- 勉強もした。(同類)
- 勉強こそ大切だ。(強調)
- 勉強さえできない。(類推)
- 勉強ばかりする。(限定)
- 勉強などやめよう。(例示)
- 勉強するほど楽しい。(程度)
- 勉強か部活かをする。(並立)
- どんな勉強やら分からない。(不確か)
上の赤字部分が「副助詞」です。用言や体言だけでなく、色々な語についていることが分かるかと思います。
このように、色々な語について意味を添える語のことを「副助詞」と言うわけです。
「副助詞」は一般に、「強調・題目・限定・程度・例示」などの意味で使われることが多いです。
「副助詞」の意味を補足しておくと、「副」には「添(そ)える」という意味があります。
「添える」とは「何かをつけ加える」という意味です。つまり、元々ある語に意味を付け足すような時に「副助詞」が使われるわけです。
したがって、「副助詞」をつけなくても、文として意味が変わらない場合もあります。
【例】⇒机の上にペンなどがあります。(※「など」がなくても文が成立する。)
逆に言えば、「副助詞」以外の助詞は省くと意味が変わってしまうのが特徴と言えます。
副助詞の覚え方
「副助詞」は実際にどう覚えればよいのでしょうか?
以下はよく使われる「副助詞」の代表的なものです。
【は・も・こそ・さえ・まで・だけ・ばかり・でも・しか】
一応、「語呂合わせ」としては「歯もこそ冴え、魔手だけばかり、デモ鹿」などがあります。
この語呂合わせを呪文のように覚えてしまうのも一つの手です。
しかし、「副助詞」は他の助詞に比べてとにかく覚える数が多いです。一方で、同じ助詞の中で「格助詞」があり、その数は10語のみです。
したがって、「格助詞」をまず先に覚えて、「格助詞」でないのが「副助詞」と覚えるのが一番効率がよいでしょう。
「格助詞」とは「主に名詞に後ろにつく助詞のこと」です。
「格助詞」は、次のように全部で10語あります。
【を・に・が・と・より・で・から・の・へ・や】
この10語を、語呂合わせで「鬼が戸より出、空の部屋」で覚えてしまうのです。
そして、この10語に当てはまらなかったら「副助詞」かどうかを判断するという方法です。
例えば、以下のような文があったとしましょう。
私は野球かテニスをする予定だ。
この場合、「は」と「か」は「鬼が戸より出、空の部屋」には含まれていませんが、「を」は含まれています。
そのため、まず「を」を「格助詞」と判断します。そして残りの「は」と「か」は「格助詞」ではないので「副助詞」と判断するという方法です。
一般的には、このような判別方法で「副助詞」を見分けるのが主流です。
後は、「接続助詞」と「終助詞」がありますのでこの2つと混同しないことが大事になってきます。
ただ、「助詞」は全部で4種類ありますが、「副助詞」と似ているのは「格助詞」のみです。
残りの二つである「接続助詞」と「終助詞」は、「副助詞」とは全く意味も使い方も異なります。
したがって、「格助詞」を覚えてしまえば「副助詞」の見分け方はほぼ完成したと言っても過言ではありません。
練習問題
では、今までの内容を理解できたか確認しておきましょう。以下に、問題を用意しました。
①「副助詞」は、【(ア)体言(イ)用言(ウ)動詞(エ)色々な語 】について意味を添えるものである。
①⇒(エ)「副助詞」は動詞、形容詞、形容動詞など様々な語について意味を添えます。
次の下線部の「副助詞」の働きを(ア)~(オ)の中から答えなさい。
①この作品こそ一番である。
②50キロほどで走る車。
③彼は大学2年生だ。
④お菓子などはいかがですか?
⑤今回だけは特別に許す。
(ア)強調(イ)題目(ウ)限定(エ)程度(オ)例示
①⇒(ア)②⇒(エ)③⇒(イ)④⇒(オ)⑤⇒(ウ)
次の下線部の内、「副助詞」はどれか?
(ア)友達も加わる。
(イ)うそをつくな。
(ウ)高いので、買わない。
(エ)太陽が昇った。
①⇒(ア)
(イ)は「終助詞」、(ウ)は「接続助詞」、(エ)は「格助詞」です。
【を・に・が・と・より・で・から・の・へ・や】
「が」が「格助詞」だとわかれば、「副助詞」はすぐに分かるでしょう。
次の文中から「副助詞」をすべて抜き出しなさい。
①数学以外の勉強まで間に合わない。
②私はスーパーで野菜を買う。
③彼こそ私が求めていた人材だ。
④野球かサッカーをする。
⑤山田君も仲間に入れる。
①⇒「まで(程度・限度)」②⇒「は(題目)」③⇒「こそ(強調)」④⇒「か(並立)」⑤⇒「も(同類・添加)」※③の「だ」は「助詞」ではなく「助動詞」を指します。
まとめ
以上、本記事のまとめとなります。
「副助詞」=色々な意味を添える語。
【特徴】⇒主に「強調・題目・限定・程度・例示」などを示す。
【覚え方】⇒「格助詞」を先に覚え、それ以外を「副助詞」と判断する。
「格助詞」は全部で10語しかありません。一方で、「副助詞」の数はかなり多いです。そのため、「格助詞」をいかに早く覚えられるが「副助詞」を見分けるポイントだと言えるでしょう。