であることとすること 教科書 語句調べ ノート プリント

『であることとすること』は、教科書に載せられている評論文です。高校の定期テストの問題などにもよく出題されています。 

ただ、本文中には意味の分かりにくい言葉も多く出てきます。そこで今回は、『であることとすること』に登場する重要語句を一覧にしてわかりやすくまとめました。

第一段落 権利の上に眠る者

 

【民法(みんぽう)】⇒家族や財産など、人間の私的な権利・義務を定めた法律。

【講義(こうぎ)】⇒大学の授業。

【時効(じこう)】⇒一定期間が経過すると、効力がなくなること。

【催促(さいそく)】⇒物事を早くするようにうながすこと。

【ネコババ】⇒こっそり自分のものとすること。

【不心得者(ふこころえもの)】⇒心の持ち方がよくない者。心がけの悪い者。

【善人(ぜんにん)】⇒善良な人。行いの正しい人。

【不人情(ふにんじょう)】⇒人情に欠けること。思いやりのないこと。

【規定(きてい)】⇒法令の個々の条文。

【根拠(こんきょ)】⇒物事が存在するための理由となるもの。

【趣旨(しゅし)】⇒文章で言おうとする事柄。

【権利の上に眠る者(けんりのうえにねむるもの)】⇒自分の権利を守るために何もしようとしない者。ここでは、「債権者であるというだけで、その権利を行使しない人」をたとえている。

【妙に(みょうに)】⇒不思議と。奇妙なほど。

【請求(せいきゅう)】⇒金銭の支払いを相手に求めること。

【債権者(さいけんしゃ)】⇒金品を人に貸した時、返してもらうことを要求できる権利を持つ者。逆に、お金を借りていて返す義務がある者のことを「債務者」と言う。

【安住(あんじゅう)】⇒現状に満足し、それ以上を望まないこと。

【債権(さいけん)】⇒お金を貸した者が借り手に対して、その返還を請求する権利。⇔「債務」

【喪失(そうしつ)】⇒失うこと。なくすこと。

【ロジック】⇒論理。論理学。

【法理(ほうり)】⇒法律の原理。

【~にとどまらない】⇒~という範囲に収まらない。「一民法の法理にとどまらない」で、「単に民法の法律上の原則というだけではない」という意味。

【極めて(きわめて)】⇒この上なく。非常に。

【潜む(ひそむ)】⇒内部に隠れて外に現れない状態にある。

【憲法(けんぽう)】⇒国の根本的な原則を定めた法。

【保障(ほしょう)】⇒国や社会が状態を守ること。

【不断(ふだん)】⇒とだえないで続くこと。ずっと続くこと。※「不断の努力」で「絶えることのない努力」という意味。

【保持(ほじ)】⇒保ち続けること。

【基本的人権(きほんてきじんけん)】⇒人間が人間として当然もっている基本的な権利。

【多年(たねん)】⇒長年。長い年月。

【成果(せいか)】⇒あることをして得られたよい結果。

【プロセス】⇒過程。

【投射(とうしゃ)】⇒映し出すこと。ここでは、「自由獲得のプロセスを、将来へのメッセージとして込めること」を意味する。

【著しく(いちじるしく)】⇒はっきりわかるほど目立つさま。

【主権者(しゅけんしゃ)】⇒ここでは、「国の政治を最終的に決定する権力を持つ者」という意。

【怠る(おこたる)】⇒すべきことをしないでおく。

【事態(じたい)】⇒悪い状況や状態。

【警告(けいこく)】⇒よくない事態が生じそうなので、気をつけるように告げ知らせること。

【威嚇(いかく)】⇒威力をもっておどすこと。

【空疎(くうそ)】⇒中身がないこと。見せかけだけでしっかりした内容や実質がないこと。

【クーデーター】⇒非常手段による政権の拡大や奪取。

【掌握(しょうあく)】⇒自分の思いどおりにすること。全面的に自分の支配下に置くこと。

【血塗られた(ちぬられた)】⇒人の犠牲を背景にして成立・存続しているさま。

【道程(どうてい)】⇒道のり。過程。「血塗られた道程」で、「戦争や武力闘争を経てきた過程」を意味する。

【教訓(きょうくん)】⇒教えさとした内容。

【祝福(しゅくふく)】⇒喜び祝うこと。

【易しい(やさしい)】⇒単純でわかりやすい。

【擁護(ようご)】⇒侵害や危害から、かばい守ること。

【行使(こうし)】⇒権利を実際に使うこと。

【実質(じっしつ)】⇒実際に事物に備わっている内容や性質。

【近代(きんだい)】⇒15、16世紀以降~20世紀中頃までの時代。

【惰性(だせい)】⇒これまでの習慣や勢い。

【アームチェア】⇒肘掛け椅子。

【気性(きしょう)】⇒生まれつきの性質。

【甚だもって(はなはだもって)】⇒非常に。「はなはだ」を強めた言い方。

【荷厄介(にやっかい)】⇒物事が負担になること。負担になってもてあますこと。※荷物をもてあますことから。

【代物(しろもの)】⇒人やものを皮肉ったり卑しめたりしていう語。悪い意味での、もの。※「荷厄介な代物」で「重荷で面倒なもの」という意味。

第二段落 近代社会における制度の考え方

 

【しばしば】⇒よく。

【不断に(ふだんに)】⇒ずっと。絶え間なく。

【点検(てんけん)】⇒悪い箇所がないか検査すること。

【吟味(ぎんみ)】⇒物事を念入りに調べること。

【巣食う(すくう)】⇒悪い考えや病気などが宿る。

【偏見(へんけん)】⇒かたよった考え・見方。

【痛切(つうせつ)】⇒身にしみて強く感じるさま。

【偏向(へんこう)】⇒考え方がかたよっている傾向。

【相対的(そうたいてき)】⇒他との関係や比較によって成り立つさま。

【民主主義(みんしゅしゅぎ)】⇒国民一人一人が権力を所有する政治形態。

【人民(じんみん)】⇒国民。国家・社会を構成している人々。

【自己目的化(じこもくてきか)】⇒本来は目的を達成するための手段が、いつのまにか目的自体にすり替わってしまうこと。

【物神化(ぶっしんか)】⇒ただの事物が絶対化され、神のような力を持つこと。ここでは、何かのために作られた制度が大きな力を持ち、人間よりも絶対的な力を持つ状態を指す。

【辛うじて(かろうじて)】⇒やっとのことで。どうにか。

【本質的(ほんしつてき)】⇒物事の根本的な性質にかかわるさま。

【定義(ていぎ)】⇒物事の意味・内容を他と区別できるように、明確に言葉で限定すること。

【結論(けつろん)】⇒考えたり論じたりして最終的な判断をまとめること。

【内奥(ないおう)】⇒内部の奥深いところ。

【モラル】⇒道徳。倫理。

【ないしは】⇒あるいは。または。

【哲学(てつがく)】⇒世界や人生などの根本原理を追求する学問。

【プディング】⇒プリン。

【属性(ぞくせい)】⇒事物が本来持つ根本的な性質。

【検証(けんしょう)】⇒実際に物事に当たって調べ、仮設などを証明すること。

【極(きょく)】⇒ここでは「基準」と同じような意味。

【打破(だは)】⇒打ち破ること。

【実在論(じつざいろん)】⇒普遍的概念が実体として実在するという主張。例えば、人間という理念が個々の人間に先立って客観的に実在するという考え方。

【唯名論(ゆいめいろん)】⇒普遍的概念はあくまで名前だけのものであり、実在しないという主張。例えば、実在しているのは私やあなたという具体的な個だけであり、「人間」という物はあくまで概念上の物に過ぎないとする考え方。

【転回(てんかい)】⇒方針などを大きく変えること。

【ドグマ】⇒教義。ある宗教が真理と認めている教えの内容。

【ふるいにかける】⇒多くの中からよいものを選び出す。

【領域(りょういき)】⇒ある力・作用・規定などが及ぶ範囲。

【先天的(せんてんてき)】⇒生まれつきであるさま。

【権威(けんい)】⇒他の者を服従させる威力。

【機能(きのう)】⇒ある物が本来備えている働き。「機能集団」で、ここでは「ある目的のために作り出された、しっかりとした組織を持つ集団」を意味する。

【効用(こうよう)】⇒ききめ。

【関心事(かんしんじ)】⇒特に興味を引かれている事柄。

【血族(けつぞく)】⇒血のつながったもの同士。

【無差別(むさべつ) 】⇒差別のないこと。同一のものとして扱うこと。

【謳歌(おうか)】⇒ほめたたえること。

【進展(しんてん)】⇒物事が進歩・発展すること。

【習慣(しゅうかん)】⇒長い間繰り返し行ううちに、そうするのが決まりのようになったこと。

【ギャップ】⇒大きなずれ。食い違い。

【非近代的(ひきんだいてき)】⇒近代的でないさま。

【過近代的(かきんだいてき)】⇒近代的すぎるさま。

第三段落 徳川時代を例にとると

 

【典型(てんけい)】⇒同類ないし同種のものの中で、それらの特性を端的に示しているもの。

【対照(たいしょう)】⇒全く性質の違う物同士を並べ比べたとき、その違いがきわだつこと。

【明瞭(めいりょう)】⇒はっきりしていること。

【出生(しゅっせい)】⇒ある土地・境遇の生まれであること。

【家柄(いえがら)】⇒先祖から受け継いでいる家の格式。

【建て前(たてまえ)】⇒原則として立てている方針。表向きの考え。

【譜代の臣(ふだいのしん)】⇒代々同じ主家に仕えた家臣。

【株仲間(かぶなかま)】⇒江戸時代、商工業者が幕府や諸藩の許可を得て結成した独占的な同業組合。

【家元(いえもと)】⇒技芸の道でその流派の本家として正統を受け継ぎ、流派を統率する家筋、またはその人。

【貢献(こうけん)】⇒役に立つように、力を尽くすこと。

【振る舞い(ふるまい)】⇒挙動や態度。

【各人(かくじん)】⇒ひとりひとり。

【分に安んずる(ぶんにやすんずる)】⇒与えられた身分に満足する。

【秩序(ちつじょ)】⇒社会・集団などが、望ましい状態を保つための順序やきまり。

【同郷(どうきょう)】⇒同じ地方の出身であること。

【同族(どうぞく)】⇒同じ血筋・系統に属していること。

【既定(きてい)】⇒すでに決まっていること。

【未知(みち)】⇒まだ知らないこと。

第四段落「である」社会と「である」道徳

 

【名主(なぬし)】⇒江戸時代、郡代や代官の支配下にあり、町や村を治め、税の取り立てなどを行った役人。

【形(かた)】⇒きまったやり方。

【おのずから】⇒自然に。

【識別(しきべつ)】⇒物事の種類や性質などを見分けること。

【要件(ようけん)】⇒必要な条件。求められる条件。

【言葉遣い(ことばづかい)】⇒物の言い方。言葉の使いぶり。

【見当(けんとう)がつかない】⇒さっぱり想像ができない。

【相互に(そうごに)】⇒お互いに。

【判明(はんめい)】⇒ 明らかになること。はっきりとわかること。

【別段(べつだん)】⇒特別。

【討議(とうぎ)】⇒意見を述べ合うこと。

【養う(やしなう)】⇒育て蓄える。力や習慣をしだいにつくり上げる。

【道徳(どうとく)】⇒善悪をわきまえて正しい行為をなすための決まり。

【軌道に乗る(きどうにのる)】⇒物事がうまく運ぶ。調子よく順調に進む。

【赤の他人(あかのたにん)】⇒全く縁もゆかりもない他人。完全に無関係な人。

【公共(こうきょう)】⇒社会一般。おおやけ。

【パブリック】⇒公的。

【儒教(じゅきょう)】⇒中国春秋時代の思想家である孔子が唱えた道徳・教理をまとめた学問。

【五倫(ごりん)】⇒儒教で人の守るべき五つの道。父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信。

【君臣(くんしん)】⇒君主と臣下。

【朋友(ほうゆう)】⇒友達。友人。

【人倫(じんりん)】⇒人として守るべき道。

【要(かなめ)】⇒ある物事の最も大切な部分。

【典型的(てんけいてき)】⇒その類の特徴をよく現しているさま。

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