記号的メディアと物理的メディア 要約 意味調べノート あらすじ 解説 テスト問題

「記号的メディアと物理的メディア」は、教科書・論理国語で学習する文章です。高校の定期テストの問題にも出題されています。

ただ、実際に文章を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、本文のあらすじや要約、意味調べなどをわかりやすく解説しました。

「記号的メディアと物理的メディア」のあらすじ

 

本文は、四つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①コミュニケーションという言葉は、広い意味で用いられている言葉である。実にさまざまなタイプのやりとりが、この名で呼ばれている。それらをここでは、用いられているメディアのタイプに応じて位置付ける。

②記号的なメディアの特徴は、その意味がコード化されていることにある。また、文字や単語といった小さな単位に分割可能であるということや、メッセージを物理的にも時間的にも離れた地点に送ることができるということも、記号的なメディアの特徴である。

③記号的メディアの対極にあるのが、「物理的」なメディアである。物理的なメディアによるコミュニケーションは、コード化されていない、物理的な接触を介したものである。物理的なコミュニケーションは連続的で、参加者が同じ時間・空間を共有していることが必要だ。手話は記号的メディアと物理的メディアの中間に位置付けられる。ジェスチャーは、手話よりは物理的なメディアだ。人と動物のあいだでも、記号的なやりとりと物理的なやりとりの両方が行われている。

④このほうに、私たちがコミュニケーションに用いているメディアは、記号的か物理的かという基準を設けることによって、相対的にその特徴を整理することができる。ただし、私たちはたいていひとつの場面で複数のメディアを併用しているということに注意すべきだ。

「記号的メディアと物理的メディア」の要約&本文解説

 

200字要約コミュニケーションには、記号的メディアと物理的メディアがある。記号的メディアは意味がコード化され、小さな単位に分割可能であり、離れた地点にも送信できる。一方、物理的メディアはコード化されず、接触を伴い、同じ時間・空間の共有が必要となる。手話はその中間に位置し、ジェスチャーはより物理的である。人間と動物間のやりとりにも両者が存在する。私たちは通常、これらを組み合わせて使っている点に注意すべきである。(200文字)

本文では、コミュニケーションにおけるメディアを「記号的メディア」と「物理的メディア」に分類し、それぞれの特徴を整理しています。

「記号的メディア」とは、文字や単語のように意味がコード化されており、小さな単位に分割可能なものです。例えば、手紙やメール、書籍などがこれに当たります。

一方、「物理的メディア」とは、コード化されていない、身体的な接触を伴うコミュニケーションを指し、参加者が同じ空間と時間を共有する必要があるものです。例えば、握手や身振り手振りによるやりとりが当てはまります。

手話はこれらの中間に位置し、記号的な要素と物理的な要素の両方を持ちます。また、人間と動物のコミュニケーションにも、記号的やりとり(訓練された合図など)と物理的やりとり(スキンシップなど)が混在しています。

このように、筆者は、メディアを「記号的か物理的か」という軸で整理することで、コミュニケーションの多様な形態を理解しやすくなると述べています。

しかし、実際の場面では複数のメディアが同時に用いられることが多いため、それらがどのように組み合わされているのかを意識する必要があると結論付けています。

「記号的メディアと物理的メディア」の意味調べノート

 

【メディア】⇒情報を伝達する手段。

【比喩的(ひゆてき)】⇒ある物事を他の物事にたとえて表現するさま。

【解釈(かいしゃく)】⇒物事の意味を、自分なりに考えて理解すること。

【逸脱(いつだつ)】⇒本来の基準や枠から外れること。

【多様性(たようせい)】⇒さまざまな種類や特徴が存在すること。

【前提(ぜんてい)】⇒あることが成り立つための条件や基礎となる考え。

【分節化(ぶんせつか)】⇒全体を意味のある部分に分けること。

【デジタル】⇒連続するものを段階的に区切り、数字や記号で表現すること。

【~するや】⇒~するとすぐに。

【流通(りゅうつう)】⇒商品や情報などが広く行き渡ること。

【対極(たいきょく)】⇒正反対の立場。

【手取り足取り(てとりあしとり)】⇒細かく丁寧に教えるさま。

【接触(せっしょく)】⇒物や人が触れ合うこと。

【介する(かいする)】⇒間に入って仲立ちすること。

【~しうる】⇒~する可能性がある。

【盲導犬(もうどうけん)】⇒視覚障がい者の歩行を助ける訓練を受けた犬。

【相対的(そうたいてき)】⇒他と比較して成り立つさま。

【併用(へいよう)】⇒複数のものを同時に使うこと。

「記号的メディアと物理的メディア」のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

トクチョウを活かした商品。

ヒョウジュンの手続きで申請する。

カイシャクの違いが議論を生んだ。

リュウツウの仕組みを学ぶ。

キョウセイ的な参加は避けるべきだ。

解答①特徴 ②標準 ③解釈 ④流通 ⑤強制
問題2「記号的なメディアの特徴は、その意味がコード化されているということ」とあるが、「意味がコード化されている」とは、どういうことか?
解答記号とその意味の関係が、コミュニケーションに先立ってすでに決められていること。
問題3「発信者からメッセージを切り離す」とあるが、どういうことか?
解答文字や録音・録画といった技術を用いることにより、メッセージが発信者の手を離れて、物理的にも時間的にも離れた地点に送れる状態にすること。
問題4「つまり、物理的なコミュニケーションは、参加者の同期を前提にしています。」とあるが、「参加者の同期を前提にする」とは、どのようなことか?
解答参加者が同じ時間・空間の中で、物理的に接触して、連続的にコミュニケーションを行う必要があるということ。
問題5

次の内、本文の内容を表したものとして最も適切なものを選びなさい。

(ア)記号的メディアと物理的メディアは全く異なり、両者が同時に使われることはない。

(イ)記号的メディアはコード化されており、物理的メディアは非コード化されたコミュニケーションである。

(ウ)物理的メディアは主に人間同士のコミュニケーションで用いられ、動物とは使用されない。

(エ)手話は記号的メディアに分類され、ジェスチャーは物理的メディアとは無関係である。

解答(イ)記号的メディアはコード化され、物理的メディアは非コード化されていると本文に述べられているため、(イ)が正解。(ア)は「両者を併用することが多い」という本文の主張と矛盾し、(ウ)は「人と動物の間でも両者のやりとりが行われている」とあるため誤り。(エ)も「手話は両者の中間に位置する」とあるため不適切。

まとめ

 

今回は、「記号的メディアと物理的メディア」について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。