「家族団欒」という四字熟語をご存知でしょうか?主に「家族団欒の時間」「家族団欒がない」などのように用います。
普段からよく目にする印象ですが、具体的にどのように使うのかまでは知らない人が多いと思われます。また、似たような言葉で「一家団欒」があるので、両者の違いも気になる所です。
そこで本記事では、「家族団欒」の意味や語源、使い方などを含め詳しく解説しました。
家族団欒の意味・読み方
「家族団欒」は「かぞくだんらん」と読みます。意味は、「家族が集まり、仲良く楽しむこと」です。
例えば、家族全員がリビングに集まり、皆で食事をとって会話を楽しむことなどは「家族団欒」だと言えます。また、食事以外でも家族でテレビを見たりゲームを楽しんだりすることなども「家族団欒」です。
その他には、家族そろってレストランに行ったり旅行をして温泉に行ったりする行為なども当てはまります。
つまり、家族みんなで仲良く食事を楽しんだり、談笑したりすることを「家族団欒」と言うわけです。
ここで言う「家族」の定義ですが、一般には「父・母・子供2人」の4人家族であればこの4人のことを家族と呼びます。ただ、4人以外に祖父や祖母、孫などが同居している場合はそれらの人物も家族の一員に含めることになります。
家族団欒の語源・由来
「家族団欒」は、「家族」と「団欒」の二つの語から成る四字熟語です。
まず、「家族」とは「夫婦とその血縁関係者を中心に構成された、共同生活の単位となる集団」を表します。簡単に言えば、「血が繋がっている集団」のことです。
そして、「団欒」とは「親しい者たちが集まり、楽しく時を過ごすこと」を表します。
元々、「団」という字は「団子」などの熟語があるように「丸い」という意味を持つ漢字でした。
そして、「欒」という字は「無数の実がもつれたように絡まり合う木」を表し、「もつれて絡み合いながら、複数の人同士が和やかになる様子」を表すものでした。
この事から、「団欒」は「複数人同士が(丸くなって)和やかに楽しく過ごす」という意味になったわけです。
なお、「団欒」の「欒」を漢字で書く際は、真ん中にある「”言”」の部分から書き出します。
一見すると、左上の「”糸”」から書いてしまいがちですが、正しくは真ん中の「”言”」から書き始め、その後、左側の「”糸”」、右側の「”糸”」を書き、最後に下の部分の「”木”」を書きます。
覚え方としては、団欒をする際は「言」すなわち「お話」から始まると考えれば分かりやすいかと思います。
家族団欒の類義語
「家族団欒」の「類義語」は以下の通りです。
この中で最も意味が近いのが「一家団欒」です。「一家団欒」は「家族が一つに集まり楽しい時間を過ごすこと」なので、「家族団欒」の「同義語」と定義しても構いません。
ただ、厳密に言うならば「家族」は家族の中の個人一人を指すことがあるのに対し、「一家」は常に家族全体を表すという違いがあります。
例えば、「家族」は自分の母親一人だけに対して何かを相談するような際も「家族と相談する」などのように使います。「一家」には、このような個人を指し示す意味は含まれていません。
つまり、「一家団欒」の方が「家族全員が一つに集まる」というニュアンスが強いということです。
実際に使う際には、そこまで両者の違いを意識する必要はありませんが、一般的には、家族の人数が多い時の方が「大勢が一つに集まる」という意味で「一家団欒」を使う傾向にあります。
家族団欒の英語訳
「家族団欒」は、英語だと次のような言い方があります。
「family unity」(一家和合)
「family gathering」(一家の集まり)
「family reunion」(親族会・家族親睦会)
「unity」は「統一・結束」などを意味する単語です。「家族」を意味する「family」と合わせることで、「家族の統一」⇒「家族団欒」と訳すことができます。
また、「gathering」は「集まり・集会」、「reunion」は「再会・親睦会」などを意味する単語です。こちらもそれぞれ「家族の集まり」、「家族の再会」と訳すことから、同じく「家族団欒」を表す表現となります。
例文だと、それぞれ次のような言い方です。
She showed me a picture of family unity.(彼女は家族団欒の写真を私に見せた。)
He attended a family gathering on the weekend.(彼は週末に家族の集まりに出席した。)
We came home for the New Year and we all enjoyed the family reunion.(私たちは正月に帰省し、親睦会を楽しんだ。)
家族団欒の使い方・例文
最後に、「家族団欒」の使い方を例文で紹介しておきます。
- 最近は仕事も忙しく、家族団欒の時間が取れていないのが現状です。
- 食事の後は皆で集まってゲームをし、家族団欒の時間を過ごしました。
- お正月は家族そろってテレビを見て、家族団欒の時を楽しむのが恒例です。
- 夕飯は久しぶりに焼き肉を食べて、家族団欒のひとときを過ごしました。
- 昨日は誕生日だったので、ケーキをごちそうになり家族団欒を楽しみました。
- 子供の頃は両親が共働きで一人で過ごす機会が多かったので、家族団欒は苦手です。
- お盆やお正月などで帰省したとしても、家族団欒が苦痛に感じることもある。
「家族団欒」は家族同士が仲良く楽しい時を過ごすことです。したがって、基本的には良い意味として使われる四字熟語と考えて問題ありません。
ただ、昨今では娯楽の多様化などもあり、同じ空間にいたとしても子供がスマホを見るなどして家族団欒が楽しみにくい時代になりつつあります。そのため、家族同士で付き合うことを面倒くさいと感じたり苦痛だと感じたりする人も多いようです。
しかし、社会人になると家族同士で過ごすことができるのは人生でも限られた時間しかありません。前向きに考えるならば、このような家族同士で過ごす時間を大切にすれば、その後の人生においても大きな活力になると言えるのではないでしょうか。
まとめ
以上、今回は「家族団欒」について解説しました。
「家族団欒」=家族が集まり、仲良く楽しむこと。
「語源・由来」=血縁者同士が一つに集まり、楽しく時を過ごすこと。
「類義語」=「一家団欒・団欒のひととき・和気あいあい・一心同体・家族水入らず」など。
「英語訳」=「family unity」「family gathering」「family reunion」
「家族団欒」の「団欒」は「人が丸く囲い合い、楽しく過ごす」というのが原義です。したがって、「家族団欒」の本来の言葉のイメージとしては、家族同士が皆で食卓を囲い合い、楽しく笑い合いながら過ごすことだと覚えておきましょう。