非難囂囂 意味 読み方 使い方 由来 類義語 英語

「非難囂囂」という四字熟語をご存知でしょうか?

「非難」はよく目にする言葉ですが、「轟轟」はあまり目にしない言葉だと思います。似たような漢字を使った「非難轟轟」を使っても良いのか気になる所です。

本記事では、「非難囂囂」の意味や語源、使い方、英語訳などを詳しく解説しました。

非難囂囂の意味・読み方

 

最初に、この四字熟語を辞典で引いてみます。

【非難囂囂(ひなんごうごう)】

過失やあやまち、欠点などをとりあげて、責め立て、とがめる声が大きくてやかましいさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

非難囂囂」は「ひなんごうごう」と読みます。

意味は「過失や欠点などを責める声がやかましいこと」です。

例えば、政治家が問題発言をして世間から大きな反感を買ってしまったとします。テレビやネットニュースなどで毎日、様々な人から叩かれてしまうような状態です。このような状態は、まさに「非難囂囂」だと言えます。

また、芸能人の不倫ニュースなども世間から非難されることがよくあります。事務所やスポンサーへ各方面からクレームが殺到するような事態です。このような事態も「非難囂囂」と言うことができます。

つまり、「非難囂囂」とは大勢の人が激しく非難する様子を表した四字熟語ということです。一言で、「大ブーイング」「大クレーム」などと言い換えても構いません。

何かをした結果、大勢から責められていれば、それは「非難囂囂」ということになります。

非難囂囂の語源・由来

 

「非難囂囂」は、「非難」と「囂囂」に分けることができる四字熟語です。

まず「非難」とは「相手の欠点や過ちなどを責めること」を表します。「悪い点を正してあげよう」などの思いやりの意思はなく、攻撃的に相手を責めるようなイメージの言葉です。

そして、「囂囂」とは「やかましいさま・騒がしいさま」を表します。

」は元々、「人が神にひざまずく姿」を表す文字で、「激しく音を鳴らして捧げる祈り」を意味していました。この事から「声がやかましい様子」を「囂囂」と書くようになったのです。

以上、両者を合わせることで、「相手の欠点や過失を責める声がやかましい様子」という現在の意味になることが分かります。

なお、「非難囂囂」は昔の中国にあった故事成語というわけではありません。正確な起源は不明ですが、日本で日本人により作られた造語である可能性が高いです。

非難轟轟は間違いか?

 

「非難囂囂」ではなく、「非難轟轟」と表記されることもあります。「非難轟轟」も決して誤りではない四字熟語です。

「轟」という字は、「車」が3つ重なることで構成された漢字です。

文字通り、多くの車が行ったり来たりする様子を表すので、「轟轟」は「大きな音が響き渡る」という意味があります。

使い方としては、「轟轟たる車輪の響き」などのように用いられています。その他、音が周囲に鳴り響くことを「轟(とどろ)く」と言ったりします。

したがって、「非難轟轟」は「車のように大きな音が響き渡るように、非難する様子」を表した四字熟語となります。

「非難囂囂」と「非難轟轟」の違いは、「音に対して使うかどうか?」という点にあります。

「非難囂囂」は、人々の声に対してのみ使い、音に対しては基本的に使いません。対して、「非難轟轟」は声も含めあらゆる音に対して使います。

ただ、どちらも「うるさいこと・やかましいこと」を表した四字熟語には変わりありません。そのため、現在ではそこまで厳密には区別されず、両方とも使われているという現状があります。

非難囂囂の類義語

非難囂囂 類義語 言い換え

「非難囂囂」の「類義語」は以下の通りです。

喧喧囂囂(けんけんごうごう)】⇒多くの人が口やかましく騒ぐさま。「喧喧」、「囂囂」ともに「騒がしいさま」という意味。
喧喧諤諤(けんけんがくがく)】⇒大勢の人が口々に意見を言い騒がしいさま。「喧喧」は「騒がしいさま」、「諤諤」は「遠慮なしに意見を主張するさま」を表す。
目くじらを立てる】⇒他人の欠点を取り立てて、責めること。目くじら(目の両端)を釣り上げるのは「怒った表情」を表すため。

この中で一番意味が近いのが、「目くじらを立てる」という慣用句です。ただ、全く同じ意味の言葉(同義語)というのはありません。

前者2つは、口やかましく騒ぐ様子を表しますが、相手の欠点を責めるという意味までは含まれていないです。 また、「目くじらを立てる」は激しく非難するというよりは、細かい欠点をネチネチと指摘するような時に使います。

非難囂囂の対義語

 

逆に、「対義語」としては次の言葉が挙げられます。

好評嘖嘖(こうひょうさくさく)】⇒非常に評判がよいさま。「好評」は「評判がよいこと」、「嘖嘖」は「口々に噂をする様子」を表す。
拍手喝采(はくしゅかっさい)】⇒拍手をしながら大声で褒め称えること。「拍手」は「手をたたくこと」、「喝采」は「声を出して褒め称えること」を表す。
名声赫赫(めいせいかくかく)】⇒世間でのよい評判が盛んなこと。「名声」は「よい評判」、「赫赫」は「勢いが盛んなさま」を表す。

「反対語」の場合は、評判が良かったり、相手を褒め称えたりする言葉となります。いずれも良い意味として使われるのが特徴です。

非難囂囂の英語訳

 

「非難囂囂」は、英語だと次のように言います。

blame~strongly」(~を強く責める)

criticize~strongly」(~を強く批判する)

「blame」は「非難する」、「criticize」は「批判する」という意味の動詞です。「強く」という意味の「strongly」を付けることで、相手を激しく非難する意味として使えます。

例文だと、それぞれ次のような言い方です。

He was strongly blamed by the children.(彼は子供達から強く責められた。)

The police officer was strongly criticized by the public.(その警察官は国民から強く非難された。)

その他、「find fault with~」(~の欠点を探す)という意味の熟語を使う方法もあります。

Don’t find fault with him.(彼の欠点を探さないでくれ。)

非難囂囂の使い方・例文

 

最後に、「非難囂囂」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 彼女のSNSは、炎上発言もあったため非難囂囂でした。
  2. 政府の対応に対し、国民からは非難囂囂の声が上がった。
  3. 急な予定変更でイベントは中止となり、各所から非難囂囂でした。
  4. 前回の反省を生かし、今回は非難囂囂になることがないようにしよう。
  5. 与党の不祥事により、世論からは非難囂囂の声が目立つようになった。
  6. 法案が可決されると、巷ではかつてないほどの非難轟轟の声が上がった。

 

「非難囂囂」は、問題や不手際などがあった結果、大勢の人から騒がしく責められるような時に使う四字熟語です。

普段の会話などでも使うことができますが、一般的な場面ではそこまで使われません。どちらかと言うと、新聞やテレビなどのニュースにおいて使われます。

特に、政治的なニュースにおいて、政府の過失に対して国民が非難するような際に使われることが多いです。

使い方としては、「非難囂囂の声が上がる」といった言い回しが主なものとなります。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

非難囂囂」=過失や欠点などを責める声がやかましいこと。

語源・由来」=相手の欠点を騒がしく責めることから。

類義語」=「喧喧囂囂・喧喧諤諤・目くじらを立てる」

対義語」=「好評嘖嘖・拍手喝采・名声赫赫」

英語訳」=「blame~strongly」「criticize~strongly」

「非難囂囂」は「騒がしく責め立てるさま」を表した言葉です。また、似たような言葉の「非難轟轟」が使われることもあります。両方ともぜひ正しい意味を理解して頂ければと思います。