「底が割れる」という慣用句をご存知でしょうか?
主に人に対して使われ、「あの人は底が割れた」などのように用いられます。ただ、なぜ「底」という言葉を使うのか気になるという人も多いと思われます。
そこで今回は、「底が割れる」の意味や由来、類語・英語訳などを詳しく解説しました。
底が割れるの意味・読み方
最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。
【底が割れる(そこがわれる)】
⇒隠していることやうそが相手に見破られてしまう。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「底が割れる」は、「そこがわれる」と読みます。意味は、「隠し事や嘘などが相手に見破られてしまうこと」です。
例えば、家庭内の夫であれば、妻に対して仕事やプライベートなどの隠し事があるでしょう。あるいは、妻に隠しておきたくてバレないように嘘をつくこともあるかもしれません。
そんな時に、隠し事や嘘がバレてしまったのであれば、「底が割れた」などと言うことができます。つまり、この慣用句は自分の心の中の気持ちが相手に見透かされたり、見破られたりする様子を意味するということです。
底が割れるの語源・由来
「底が割れる」の「底」という言葉は、「その人の真の実力や力量」を意味しています。
一般的には「底」と聞くと、ビンの底や鍋の底、靴の底のようなものをイメージしがちですが、ここでは物理的な底を指しているわけではありません。「底」という言葉は、「底力」「底が知れない」などがあるようにその人が本来持っている力を指しています。
そして、「割れる」ですが、こちらは「身元が割れる」「面が割れる」などのように「明らかになる」という意味があります。モノを物理的に割るような場合でも、中から隠れていたものが現れます。この事から、「秘密などが明らかになること」を「割れる」と言うのです。
以上の事から、「底が割れる」⇒「その人本来の力が明らかになる」⇒「嘘や隠し事が明らかになる」という意味になるわけです。
底が割れるの類義語
続いて、「底が割れる」の類義語を紹介します。
類義語は「嘘がバレること」「真実が明らかになること」などを表したものとなります。基本的には、その人の心の中が見透かされたり見破られたりするような言葉であれば類義語と言えるでしょう。
なお、「底」を使った慣用句は他にもいくつかあります。
これらの言葉は類義語ではありませんが、「底」を使った関連語として覚えておくとよいでしょう。
底が割れるの英語訳
「底が割れる」は、英語だと次のような言い方があります。
①「find out(~であるとわかる)」
②「see through(~を見通す・見抜く)」
③「to reveal one’s true nature(本当の性質が現れ出る)」
①と②はよく使われる熟語表現です。また、③は少し長い表現ですが、相手の本性が現れるような時に使われます。
例文だと、それぞれ次のような言い方です。
I could find out who is lying.(誰が嘘をついているか底が割れた。)
It is important to see through a person.(人を見抜く力は重要である。)
I tried her to reveal her true nature.(私は彼女の本性を暴くために試した。)
底が割れるの使い方・例文
最後に、「底が割れる」の使い方を例文で紹介しておきます。
- 底が割れるとはこの事だ。すぐにばれるような嘘はつかない方がいい。
- 容疑者のアリバイ工作は、警察の調査でいとも簡単に底が割れてしまった。
- ようやく犯人の顔と経歴が判明したよ。底が割れるまで時間がかかったな。
- 彼の演技はお世辞にも上手とは言えないので、すぐに底が割れることが多い。
- これから新作映画を見る予定なので、底が割れるような発言はよしてくれ。
- 推理小説を読んでいたが、序盤で犯人の底が割れる分かりやすい展開となった。
「底が割れる」は、物事の結末や意図など隠しておきたいことが明らかになってしまうような時に使います。主に、映画やドラマ、推理小説などのストーリー展開がバレてしまうような時に使うことが多いです。
また、人対人の日常的な会話の嘘などにも使われることがあります。いずれの場合も、秘密が明らかになるような時に使うので、良い面・悪い面の両方を含んでいる言葉です。状況に応じてうまく使い分けるようにしてください。
まとめ
以上、本記事のまとめとなります。
「底が割れる」=隠し事や嘘などが相手に見破られてしまうこと。
「語源・由来」=その人本来の力が明らかになることから。
「類義語」=「化けの皮が剥がれる・馬脚を現す・襤褸が出る・尻尾を出す・地が出る」
「英語訳」=「find out」「see through」「to reveal one’s true nature」
人と話していて「底が割れる」ようなことは、日常生活でもよくあります。意味を覚えたからには、今後の文章でぜひ使ってみてはどうでしょうか?