「サイゼリヤ」は、イタリアン料理のファミリーレストランとして非常に有名です。学生や社会人など、多くの人が実際にお店に行った経験があるかと思われます。
ただ、この「サイゼリヤ」という名前はどんな意味を持っており、どこから来たのかという疑問があります。そこで本記事では、「サイゼリヤ」の意味や由来について詳しく調べました。
サイゼリヤの意味・由来
「サイゼリヤ」は、アルファベットで「saizeriya」と書きます。
この「saizeriya」について、同社は以前公式ホームページにて「イタリア語(古語)でクチナシの花に由来する」と紹介していました。
「クチナシの花」とは東アジアを中心に自生する白い花のことで、日本でも四国や九州などに生息しています。
毎年6月~7月頃の梅雨明けから初夏にかけて咲く花で、古くから鑑賞用・染料用と親しまれてきました。以下、実際の画像となります。
このクチナシの花ですが、花言葉として「幸運を運ぶ」「喜びを運ぶ」「私は幸せ者」「洗練」「優雅」「清潔」などの意味があります。
そのため、「お客様に幸せを感じてもらえることが、私たち店側の幸せである」という意味を込めて、「サイゼリヤ」と名付けたと紹介されていたようです。
実際に、クチナシの花は洗練されたような美しさを放ち、香りを嗅いだだけでも心が豊かになるほど素敵な花だと言われています。
サイゼリヤはイタリア語?
しかし、その後の経緯を追ってみると、同社の公式ホームページから「サイゼリヤはクチナシの花に由来する」などの文言は削除されていたようです。
削除された理由については不明ですが、現在のサイゼリヤのホームページには、詳細な名前の由来については書かれていません。
そこで改めて「クチバシの花」を調べてみると、この花はイタリア語だと「gardenia(ガルデーニア)」と表記するのが正しいようです。
見て分かるように、明らかに「saizeriya」とは異なる言葉です。
イタリア語は元々ラテン語から派生した言語ですが、ラテン語であってもクチナシの花は同様に「gardenia(ガルデーニア)」と表記します。
したがって、「サイゼリヤはイタリア語のクチバシの花から派生したものである」という説はかなり怪しいことが分かります。
その他には、「サイゼリヤの創業日は7月7日であり、同じ7月7日の誕生花もクチナシの花だから」という説や、「”クチナシ”=”(店が)朽ちない”から名付けたもの」などいくつかの説があります。
ただ、これらの説も「サイゼリヤ」がイタリア語由来でないとなると、真偽が不明な説と言えそうです。
サイゼリヤの本当の由来は?
「サイゼリヤ」の歴史をさらに調べると、今存在してるお店は、元々は違う洋食店から引き継いでいることが分かりました。
サイゼリヤの創業者であり会長でもある正垣泰彦氏は、東京理科大学在学中に、洋食店「サイゼリヤ」で働いていたそうです。
そして、実際にその洋食店で働いていたところ、その経営手腕を認められて、大学四年時に譲り受けたのだそうです。
ということは、元々あった「サイゼリヤ」という名前を使っているだけで、サイゼリヤの会長がサイゼリヤという名前を発案したわけではないことになります。
念のため、正垣氏の経歴を調べてみると次のように書かれています。
1946年 – 兵庫県に生まれる。
1963年 – 佼成学園高等学校卒業。
1964年 – 東京理科大学理学部物理学科入学。
1967年 – 洋食店「サイゼリヤ」を譲受。
1968年 – 東京理科大学卒業、「サイゼリヤ」をイタリア料理店として再オープン。
以上の事から、「サイゼリヤの本当の由来は元々の店舗を作った人にしか分からない」と言えるのだけは確かです。
正垣氏自身は、元の洋食店から店舗名の由来を聞いているかもしれません。ただ、もしかしたら会長自身ですら「サイゼリヤ」の由来を知らないという可能性もあります。
彼が学生時代に「どのような人物から事業を譲り受けたのか?」ということまでは、残念ながら調べても情報はできませんでした。
また、サイゼリヤのカスタマーサポートに聞いても、出典については「分かりません」との回答でした。そのため、真相は闇の中と言えそうです。
まとめ
「サイゼリヤ」の由来は、一般には「イタリア語のクチナシの花から来たもの」と言われています。ただ、詳しく語源を調べていくと実はそうではなさそうであることが分かりました。
ただ、由来がどうであろうとサイゼリヤ自身が魅力的なお店である事に変わりはありません。今後も安くておいしい料理を提供し続ける会社であってほしいと思います。