『オカピの胃袋はいくつか』は、今井むつみによる文章です。教科書・現代の国語にも採用されています。
ただ、本文を読むとその内容が分かりにくい箇所もあります。そこで今回は、『オカピの胃袋はいくつか』のあらすじや要約、語句の意味などを解説しました。
『オカピの胃袋はいくつか』のあらすじ
私たちは世界について、多くの知識を持っている。ことばを自然に覚えたように、世界について非常に多くの事を知らないうちに身につける。しかし、どうして直接経験したことがないこと、教えてもらっていないことを知ることができるのだろうか。
例えば、「オカピ」という動物はシマウマに似ているが、あとからキリンの仲間であることが分かった。私たちは、キリンの仲間と聞いただけで、草食動物だと思ったはずである。また、蹄もキリンと同じように二つに分かれている、と思い、さらに複数の胃を持っていてウシのように徐々に食べ物を消化していくと思った人が多いのではないか。
これらはすべて正解である。このように、オカピはキリンの仲間であるという知識から、私たちはオカピについてさまざまなことを類推することができるのだ。
私たちは、一つのことを知れば、それを元に、似た事例について類推することができる。それによって、直接経験していなくても、教えてもらっていなくても、おのずと世界について多くのことを身につけていくのだ。
『オカピの胃袋はいくつか』の要約&本文解説
私たちは、一つのことを知れば、その知っていることを元に、様々な物事を推測することができます。例えば、「オカピ」という動物は、ほとんどの人が直接見たり、直接触れたりしたことはありません。
しかし、シマウマやキリン、ウシなどの似たような動物のことは知っているため、「オカピ」=「キリンの仲間」という一つの知識を得られれば、オカピについて様々な情報を推測することができます。
その結果、見たこともない動物である「オカピの胃袋はいくつか」という情報ですら知ることができます。
このように、直接経験していなくても、教えてもらっていなくても、私たちは一つのことを知れば、それを元に、似た事例について類推することできるのです。
『オカピの胃袋はいくつか』の意味調べノート
【膨大(ぼうだい)】⇒きわめて数の多いさま。
【知識(ちしき)】⇒ある事柄について、知っている内容。
【経験(けいけん)】⇒実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。
【突然(とつぜん)】⇒予期しないことが急に起こるさま。だしぬけであるさま。
【事典(じてん)】⇒物や事柄を表す言葉を集めて、一定の順序に並べて説明した書物。百科事典など。
【特徴(とくちょう)】⇒他と比べて特に目立つ点。
【蹄(ひづめ)】⇒牛・馬・羊・象など、有蹄類の足先にある硬い角質の爪。
【ちなみに】⇒それに関連して。ついでに。
【除く(のぞく)】⇒その範囲に加えないようにする。除外する。
【反芻(はんすう)】⇒一度飲み下した食物を口の中に戻し、かみなおして再び飲み込むこと。
【徐々に(じょじょに)】⇒少しずつ進行したり変化したりするさま。
【類推(るいすい)】⇒類似の点をもとにして、他を推しはかること。
【おのずと】⇒ひとりでに。自然に。
『オカピの胃袋はいくつか』のテスト対策問題
次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。
①社会人としてケイケンを積む。
②トツゼンの出来事。
③トクチョウのある顔立ち。
④食べ物をショウカする。
⑤複数のいぶくろを持つ。
⑥様々なことをルイスイする。
次の内、本文の内容を表したものとして適切でないものを選びなさい。
(ア)私たちは世界についての非常に多くのことを、自然に、知らないうちに身につける。
(イ)オカピが最初に見つかった際は、シマウマの仲間だと発表されたが、あとからキリンの仲間だと分かった。
(ウ)オカピはキリンの仲間であることから、ウシのように徐々に食べ物を消化していくことはできない。
(エ)私たちは、一つのことを知れば、それを元に、似た事例について類推していくことができる。
まとめ
以上、今回は『オカピの胃袋はいくつか』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。