日本人の「自然」は、現代文や論理国語の教科書で学ぶ評論文です。定期テストなどにもよく出題されています。

ただ、本文を読むと意味の分かりにくい言葉が多く出てきます。そこで今回は、日本人の「自然」に出てくる重要語句を段落ごとに簡単にまとめました。

第一段落の語句一覧

 

【解する(かいする)】⇒理解する。解釈する。

【及ぼす(およぼす)】⇒作用や影響が達するようにする。

【マクロ】⇒巨大であること。巨視的であるさま。

【ミクロ】⇒ごく小さいこと。微視的であるさま。

【目を向ける(めをむける)】⇒視線を向ける。着目する。

【分子(ぶんし)】⇒原子の結合体で、物質の化学的性質を失わない最小の構成単位。

【原子(げんし)】⇒物質の基本的構成単位で、化学元素としての特性を失わない最小の微粒子。

【極微(ごくび)】⇒ 非常に小さいいさま。

【人為的(じんいてき)】⇒自然のままでなく、人の手が加わるさま。

【いささか】⇒ほんの少し。わずか。

【抵抗(ていこう)】⇒すなおに受け入れがたい気持ち。反発する気持ち。

第二段落の語句一覧

 

【たかだか】⇒せいぜい。高く見積もっても。

【~にすぎない】⇒~以上のものではない。~でしかない。

【癒着(ゆちゃく)】⇒本来は離れているべきものが、強く結びつくこと。

【人は地に法り、地は点に法り、天は道に法り、道は自然に法る。】⇒人は大地を規範とし、大地は天を規範とし、天は道を規範とし、道はおのずからならあり方を模範とする。「法る」は「のっとる」と読む。

【苦心(くしん)】⇒あれこれと心をくだき、苦労すること。

【おのずからそうであること】⇒元からあった状態そのままであること。

【同化(どうか)】⇒知識などを取り込んで、完全に自分のものにすること。異なる性質や考え方などが感化されて同じになること。

【いわば】⇒言ってみれば。

【非名詞性(ひめいしせい)】⇒名詞らしさがないさま。

【しからしむ】⇒そうさせる。そのような結果にさせる。

【はからひ】⇒考え。判断。取り計らうこと。

【育む(はぐくむ)】⇒養い育てる。かばい守る。

【人為(じんい)】⇒人の力で何かを行うこと。人のしわざ。

【不慮(ふりょ)】⇒思いがけないこと。意外。不意。

【事態(じたい)】⇒物事の状態、成り行き。

【しきりに】⇒しばしば。たびたび。

【編纂(へんさん)】⇒色々な材料を集め、整理・加筆などをして書物にまとめること。

【乱世(らんせい)】⇒秩序が乱れて、戦乱や騒動などが絶えない世の中。

【軍記物(ぐんきもの)】⇒戦争・合戦を題材に、事実と空想をまじえて描いた作品。『平家物語』、『太平記』などを指す。

【左右する(さゆうする)】⇒思うままに動かす。大きな影響を与える。

【ヴァリエイション】⇒物事の変化。

【元来(がんらい)】⇒もともと。

【現今(げんこん)】⇒今。現在。

【本質的(ほんしつてき)】⇒物事の根本的な性質にかかわるさま。

【相違(そうい)】⇒二つのものの間に違いがあること。

第三段落の語句一覧

 

【客体的(きゃくたいてき)】⇒主観から独立して物事を見るさま。

【対象的(たいしょうてき)】⇒認識や意志などの作用が物事に向けられるさま。

【主体的(しゅたいてき)】⇒自分の意志・判断に基づいて行動するさま。

【対峙(たいじ)】⇒向き合って立つこと。

【主観的(しゅかんてき)】⇒表象・判断が、個々の人間の心理的性質に依存しているさま。

【恣意(しい)】⇒自分勝手な考え。自分の思うままに振る舞うこと。

【超人為性(ちょうじんいせい)】⇒普通の人よりも能力がはるかに超えていること。

【客観的(きゃっかんてき)】⇒主観または主体を離れて独立に存在するさま。

【合法則性(ごうふそくせい)】⇒自然や歴史社会の現象が一定の法則に従って起こるものであること。

【規則性(きそくせい)】⇒一定の規則やルール、パターンなどが認められること。

【趣を異にしている(おもむきをことにしている)】⇒様子が違っている。

【超越的(ちょうえつてき)】⇒ある限界や枠、普通に考えられる程度などからはるかに超えているさま。

【具体的(ぐたいてき)】⇒はっきりとした実体を備えているさま。個々の事物に即しているさま。

【個物(こぶつ)】⇒他と区別される、一つ一つの物。

【実践的行為(じっせんてきこうい)】⇒実際にする行い。

【あくまでも】⇒どこまでも。

【下位概念(かいがいねん)】⇒二つの概念の内、一方が包摂される関係のとき、包摂される方の概念のこと。「概念」とは「物事の大まかな意味・内容。あるものに対する大まかな理解やイメージ。」という意味。

【包摂(ほうせつ)】⇒ある概念を、より一般的な概念で包み込むこと。例えば、りんごという概念は果物という概念に包摂され、野球という概念はスポーツという概念に包摂される。

【上位概念(じょういがいねん)】⇒二つの概念の内、一方が包摂される関係のとき、包摂する方の概念のこと。

【枠組み(わくぐみ)】⇒物事のおおよその仕組み。

【普遍的対象概念(ふへんてきたいしょうがいねん)】⇒意志や認識などの作用を向けるものとして広く行き渡った考え。「普遍的」とは「広く行き渡るさま。」という意味。

【花鳥山水(かちょうさんすい)】⇒花、鳥、山、川などの自然の風景。

【一括(いっかつ)】⇒多くの物事を一つにまとめること。

【主観的情態性(しゅかんてきじょうたいせい)】⇒その人の見方による心のありかた。

【情感(じょうかん)】⇒物事に接したときに心にわき起こる感情。人の心に訴えるような、しみじみした感じ。

【あはれ】⇒しみじみと心を動かされること。しみじみとした情趣があること。

【無常(むじょう)】⇒この世の中には、永遠不変のものはないということ。

【見て取る(みてとる)】⇒見て感じ取る。

【不測の偶発事(ふそくのぐうはつじ)】⇒思いがけず偶然に起こること。

【きわめて】⇒とても。非常に。この上なく。

【摂理(せつり)】⇒自然界を支配している法則。

【椿事(ちんじ)】⇒思いがけない重大な出来事。

第四段落の語句一覧

 

【差異(さい)】⇒違い。

【庭園(ていえん)】⇒計画的に草木・池などを配し、整えられた庭。

【幾何学(きかがく)】⇒図形や空間の性質を研究する数学の一部門。

【趣(おもむき)】⇒そのものが感じさせる風情。しみじみとした味わい。全体から感じられるありさま。

【人口を排して(じんこうをはいして)】⇒人口を退けて。

【旨としている(むねとしている)】⇒目的としている。狙いとしている。

【象徴的(しょうちょうてき)】⇒ある物事を象徴するさま。「象徴」とは「抽象的な事物を、具体的な事物で理解しやすい形で表すこと」という意味。

【人為の極致(じんいのきょくち)】⇒人のすることの極み。

【写実的(しゃじつてき)】⇒現実を、主観をまじえずありのままに表現しようとするさま。

【表意的(ひょういてき)】⇒意味を表すさま。

【表意(ひょうい)】⇒意味を表すこと。

【鋭敏(えいびん)】⇒ 感覚などが鋭いさま。敏感。

【感受性(かんじゅせい)】⇒外界の刺激や印象を感じ取る能力。

【鑑賞(かんしょう)】⇒芸術作品を見て、そのよさを味わうこと。

【帯びる(おびる)】⇒ある性質や傾向を持つ。「という性格を帯びる」で「という性格を傾向的に持つ」という意味。

第五段落の語句一覧

 

【一様(いちよう)】⇒全部同じようすであるさま。

【外的実在(がいてきじつざい)】⇒人間の外部に実際に存在すること。

【束縛(そくばく)】⇒制限を加えて行動の自由を奪うこと。

【自在性(じざいせい)】⇒思いのままである性質。

【契機(けいき)】⇒きっかけ。動機。

まとめ

 

今回は、日本人の「自然」に出てくる重要語句をまとめました。ぜひノート代わりにして頂ければと思います。なお、本文の要約などについては以下の記事で解説しています。