ネットワーク上のコミュニケーション 具体例 要約 テスト対策問題 国語

「ネットワーク上のコミュニケーション」は、教科書・論理国語で学習する文章です。高校の定期テストの問題にも出題されています。

ただ、本文を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、本文のあらすじや要約、意味調べなどを解説しました。

「ネットワーク上のコミュニケーション」のあらすじ

 

本文は、四つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを紹介していきます。

あらすじ

①ネットワークでメッセージを頻繁に交換していると、感情を増幅するメカニズムがあるように思えることがある。メールのやり取りがきっかけで結婚にまで至った例もあれば、反対に深刻な感情的対立が生じる例もある。このような感覚は、通常は「文字だけ」という特徴に還元されがちだ。対面状況でのコミュニケーションでは、身振り・表情などの非言語コミュニケーションの果たす役割が大きい。ある実験だと、メッセージが伝える感情のうち、大きい順から顔、声、言葉となる。つまり、言葉の決定権がもっとも低いのだ。こうした研究結果を踏まえると、感情の増幅や「言葉足らず」によるすれ違いなど、ネットワーク上のコミュニケーションでしばしば発生していると思われる現象は、「文字だけ」という特徴に帰着すると考えられても無理はない。だが、コミュニケーション過程で制御が加わるのは、実時間を共有しているという前提があればこそだ。問題の本質は、実時間を共有していないために、コミュニケーションの制御が対面状況とは根本的に異なったアルゴリズムになってしまう点にある。

②実際のコミュニケーション過程では、フィードバックおよびフィードフォワード過程による制御を加えた複雑な曲面が存在する。会話は言葉を投げ合うだけではないし、身振りを示しあうだけでもない。対面状況でのコミュニケーションとは、<予測-反応-修正>が絡みあった複雑な過程なのである。話者相互が発信・受信の過程すべてに影響をおよぼしあっていることが、対面コミュニケーションの本質であり、その前提条件が実時間の共有なのである。

③ネットワークはきわめて「クールなメディア」である。受け手は自分の想像力を動員して、相手の表情、感情の動き、雰囲気などをメッセージの行間から読み取ろうとする。書かれた文章から判断した雰囲気を基準に、書かれた文章のニュアンスを決めるという自己循環過程が発生する。ネットワーク上のコミュニケーションでは、「相手の表情」自体が想像の産物なのだ。そこには自分で想像した相手の表情に、自分自身が反応するという一種のハウリング現象が発生する。

④ネットワーク上の紛争は、対面状況の悪い面を一層強調し暴走させる形で深刻化する。対面において相手の表情を誤解するところを、ネットワークでは相手の表情そのものを一方的に想像し、そこに誤解を重ねる。それゆえに、好意であろうと悪意であろうと、感情がハウリングを起こすのだ。対面状況の実時間の共有がそうした問題を抑制する。手紙や雑誌などのメディアに比べ、ネットワークはメッセージの交換頻度が高いため、対面に近い感覚が抱かれやすい。そして手紙でも雑誌論争でも、感情が過熱してくると頻度が高まる。ここにもまた、対面状況の悪い側面が強調されている。

「ネットワーク上のコミュニケーション」の要約&本文解説

 

200字要約ネットワーク上でのコミュニケーションに感情的対立が生じるのは、実時間を共有していない点にある。ネットワーク上では、「相手の表情」自体が想像の産物であり、自分で想像した相手の表情に、自分自身が反応するというハウリング現象が発生する。ネットの高頻度なやり取りは、対面のような錯覚を生み、感情の行き違いが深刻化する。このように、感情的衝突の原因は、実時間を共有できないというネットワーク構造そのものにある。(200文字)

この文章では、ネットワーク上のコミュニケーションが、対面とは異なる特徴を持ち、感情が増幅しやすい構造になっていることが説明されています。

筆者の主張は、「ネット上のやりとりで感情の誤解や衝突が起こりやすいのは、単に“文字だけ”だからではなく、実時間(リアルタイム)を共有していないことにある」という点です。

たとえば、LINEやメールなどのやりとりで、相手のちょっとした言葉が冷たく感じられたり、逆にすごく優しく感じられたりすることがあります。それは、相手の表情や声のトーンが分からないため、自分の想像で補う必要があるからです。

筆者はこの現象を「ハウリング(自分の声が反響するように増幅すること)」に例えています。つまり、自分が想像した「相手の感情」に、自分が勝手に反応してしまうということです。

一方、対面での会話では、言葉だけでなく、表情や声、身振りなども含めて「予測→反応→修正」という流れでお互いに調整しながらコミュニケーションをしています。たとえば、相手の顔が曇ったらすぐに「言いすぎたかな?」と感じて言い直すことができます。これは実時間の共有があるからこそできることです。

ネット上ではこの「調整」がしにくいため、感情が誤解されやすく、それがどんどん大きくなってしまいます。こうした背景があるからこそ、筆者はネット上でのコミュニケーションには注意が必要だと伝えているのです。

「ネットワーク上のコミュニケーション」の意味調べノート

 

【増幅(ぞうふく)】⇒ 力や作用を大きくすること。

【近似的(きんじてき)】⇒ 正確ではないが、ほぼ近い状態であるさま。

【相矛盾(あいむじゅん)】⇒ 互いに食い違っていて、両立できないこと。

【帰着(きちゃく)】⇒ 最終的に、ある結果や結論に落ち着くこと。

【制御(せいぎょ)】⇒ 思いどおりにコントロールすること。

【自明(じめい)】⇒ 証明や説明をしなくても明らかであること。

【本質(ほんしつ)】⇒ 物事の根本的な性質や内容。

【局面(きょくめん)】⇒ 物事のある場面や状態。

【心象風景(しんしょうふうけい)】⇒ 感覚や記憶にもとづいて心の中に描き出された風景。

【眉をゆるめる】⇒ 安心したり笑顔になったりして、表情が和らぐ。

【眉をひそめる】⇒ 不快・心配などの感情を表し、顔をしかめる。

【波紋(はもん)】⇒ 水面に広がる波のように、影響が広がること。

【不倶戴天(ふぐたいてん)】⇒ 同じ天の下では生きていけないほど憎いこと。

【いささか】⇒ 少しばかり。わずか。

【掲載(けいさい)】⇒ 新聞や雑誌などに文章や写真をのせること。

【余地(よち)】⇒ あることができるゆとりや可能性。

【産物(さんぶつ)】⇒ ある結果として生じたもの。

【紛争(ふんそう)】⇒ 対立して争うこと。もめごと。

【抑制(よくせい)】⇒ おさえとどめること。制限すること。

【一晩寝かせる(ひとばんねかせる)】⇒ 一晩置いて、考えや気持ちを落ち着かせること。

【遮断(しゃだん)】⇒ さえぎって、通じなくすること。

【過熱(かねつ)】⇒ 度を超した状態になること。

「ネットワーク上のコミュニケーション」のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

①利益が社会にカンゲンされる。

②感情をセイギョできない性格。

③明るいフンイキの店だ。

④記事が新聞にケイサイされる。

フンソウが長期化している。

解答①還元 ②制御 ③雰囲気 ④掲載 ⑤紛争
問題2「このような感覚は、通常は『文字だけ』という特徴に還元されがちだ。」とあるが、「このような感覚」とはどのような感覚か?
解答ネットワーク上のやりとりにより、感情が増幅されていくような感覚。
問題3「利用できるチャネル」とあるが、具体的にどのようなものを指すか?例を挙げなさい。
解答相手の表情、身振り、声の大きさや調子、周囲の雰囲気
問題4「<わたし>に波紋が広がる。」とあるが、ここではどのようなことか?
解答<あなた>の失望の色が見える反応を受けた<わたし>の意識の中に、<あなた>に揺らぎを与えるかもしれないさまざまな感情が湧き起こること。
問題5ネットワーク上のコミュニケーションの問題について具体例を挙げ、その問題の解決方法を答えなさい。
解答例友人にメッセージを送った際、「冷たい」と言われて驚いたことがある。実際にはそのつもりがなくても、文字だけでは感情が伝わりにくく、相手に誤解されることがある。このような問題を防ぐには、相手がどのように受け取るかを意識して丁寧な言葉遣いを心がけたり、絵文字やスタンプを使って気持ちを補ったりすることが大切だと思う。また、重要な話は通話などで直接話すことで、誤解を減らすことができると思う。

まとめ

 

今回は、「ネットワーク上のコミュニケーション」について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。