『物語るという欲望』は、内田樹による文章です。教科書・論理国語にも掲載されています。
ただ、本文を読むと意味の分かりにくい語句が多く出てきます。そこで今回は、『物語るという欲望』に出てくる重要語句を段落ごとに簡単にまとめました。
第一段落の語句一覧
【批評家(ひひょうか)】⇒批評することを職業とする人。「批評」とは、物事の是非・善悪などを指摘して、自分の評価を述べること。
【主体的(しゅたいてき)】⇒自分の意志や判断に基づいて行動するさま。
【雄弁(ゆうべん)】⇒説得力をもって力強く話すこと。ここでは、比喩的に「物事をはっきりと表すこと」という意味で使われている。
【エピソード】⇒本筋とは直接関係のない、短くて興味ある話。
【玩具(がんぐ)】⇒おもちゃ。
【絶賛(ぜっさん)】⇒この上ないほどほめたたえること。
【中立的(ちゅうりつてき)】⇒どちらか特定の立場をとらずに、中間に立つさま。
【参与(さんよ)】⇒ある物事に加わり、関係を持つこと。
【媒介(ばいかい)】⇒ 両方の間に立って、仲立ちをすること。とりもつこと。
【一義的(いちぎてき)】⇒それ以外に意味や解釈が考えられないさま。
【頻度(ひんど)】⇒物事が繰り返し起こる度合い。
【破裂音(はれつおん)】⇒口の中で一度空気の流れを止め、その後に一気に開放して出す音のこと。例えば、「パ」「タ」「カ」「バ」「ダ」「ガ」といった音が破裂音にあたる。
【肖像画(しょうぞうが)】⇒特定の人物の肖像を描いた絵。「肖像」とは、人の姿や顔を写した絵・写真・彫刻などの像を意味する。
【ディテール】⇒細部。詳細。
【断片的(だんぺんてき)】⇒切れ切れで、まとまりのないさま。
【事象(じしょう)】⇒ある事情のもとで、表面に現れた事柄。現実の出来事。
【解釈(かいしゃく)】⇒言葉や文章の意味を解きほぐして明らかにすること。
第二段落の語句一覧
【必然的(ひつぜんてき)】⇒必ずそうなるさま。
【敵対(てきたい)】⇒対抗すること。敵としてはむかうこと。
【動機(どうき)づける】⇒何かを行うための意欲や目的意識を人に持たせる。
【生成(せいせい)】⇒新たにつくり出すこと。
【形容(けいよう)】⇒他のものにたとえて表現すること。
【相殺(そうさい)】⇒差し引きして、損得がないようにすること。
【相克(そうこく)】⇒対立しているものが相手に勝とうとして、互いに争うこと。
【整序(せいじょ)】⇒物事を秩序だて整えること
【あらがう】⇒抵抗する。逆らう。
【物語を開放状態にとどめ置こうとする】⇒物語を終息させずに、さらにさまざまな解釈を加えようとする。
【滋養(じよう)】⇒からだの栄養となること。また、そのもの。
【干渉(かんしょう)】⇒他人のことに立ち入って自分の意思に従わせようとすること。
【遭遇(そうぐう)】⇒思いがけず、ある出来事に出会うこと。
【増殖(ぞうしょく)】⇒増えること。
【重層化(じゅうそうか)】⇒物事がいくつもの層(レイヤー)として重なり合うこと。
【逆説的(ぎゃくせつてき)】⇒真理にそむくようでいながら、実際には真理をついているさま。
第三段落の語句一覧
【テクスト】⇒テキスト。文字で書かれた表現や文章。
【亀裂(きれつ)】⇒ひびが生じること。また、その割れ目。
【「橋」を架ける】⇒ここでは、「話の前後のつじつまを合わせる」という意味。
【奔放(ほんぽう)】⇒常識や規範にとらわれず、自分の思うままに振る舞うさま。
【思索(しさく)】⇒論理的に筋道を立てて考えること。
【弥縫(びほう)】⇒失敗や欠点を一時的にとりつくろうこと。
【脈絡づける】⇒物事に一貫したつながりをもたせる。
【つじつまが合わない】⇒筋道がよく通らない。理屈が合わない。
【断絶(だんぜつ)】⇒関係や結びつきがないこと。
【動員(どういん)】⇒ある目的のために、多くの人や物を集めること。
【要請(ようせい)】⇒願い出て、その実現を求めること。
【脈絡がない】⇒つながりがない。
【嚥下(えんげ)】⇒口の中の物を飲み下すこと。※「えんか」とも読む。
【同語反復(どうごはんぷく)】⇒ある言葉を同じ言葉もしくは似た言葉で繰り返すこと。(例)「一番最初」「馬から落馬する」「返事を返す」など。
【推論(すいろん)】⇒ある事実をもとにして、未知の事柄をおしはかり論じること。
【因果関係(いんがかんけい)】⇒二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること。
【飛躍(ひやく)】⇒順序や段階をふまずに、急にとびはなれたところに移ること。
【沈思(ちんし)】⇒深く考え込むこと。あれこれと考えめぐらすこと。
【平たく言う(ひらたくいう)】⇒簡単に言う。
【実定的(じっていてき)】⇒ここでは、「たとえ「断片」であっても、それが存在すること」を意味する。
【所与(しょよ)】⇒他から与えられること。また、そのもの。※「実定的な所与」で「すでにそこに物事が存在するという、与えられた感覚」を意味する。
【焦点化(しょうてんか)】⇒物事や問題において、「焦点」をしぼること。
【起動(きどう)】⇒動きや働きを起こすこと。
まとめ
今回は、『物語るという欲望』に出てくる重要語句をまとめました。ぜひノート代わりにして見直して頂ければと思います。なお、本文の要約などについては以下の記事で解説しています。