『目に見える制度と見えない制度』は、中村雄二郎による評論文です。教科書・論理国語にも採用されています。
ただ、本文を読むと意味の分かりにくい語句が多く出てきます。そこで今回は、本作に出てくる重要語句を段落ごとに簡単にまとめました。
第一段落の語句一覧
健康な人間が普通とくに~
【不動産(ふどうさん)】⇒土地や建物など、動かすことのできない財産のこと。
【いや応なしに】⇒むりやり。相手に有無を言わせずに。
【抵抗物(ていこうぶつ)】⇒抗(あらがい)いがたいもの。
【拘束力(こうそくりょく)】⇒人の自由を奪う力。
【些細(ささい)】⇒取るに足らないさま。
【存在性(ありかた)】⇒ここでは、「物事の存在している状態」を表す。
【秩序(ちつじょ)】⇒統一されたまとまり。整った状態。
【過激(かげき)】⇒度を越して激しいさま。
【侵犯(しんぱん)】⇒不法に侵害すること。
【無視しがたい】⇒無視することがなかなかできない。
【規範(きはん)】⇒行動や判断の社会的基準。
【法規(ほうき)】⇒法律と規則。
【固有(こゆう)】⇒そのものだけにあること。
第二段落の語句一覧
そこでまず、交通法規や物権法など~
【相(そう)】⇒物事のありさま。
【間接的(かんせつてき)】⇒何かが間に立った状態で、物事が行われたり関係したりするさま。
【律する(りっする)】⇒一定の規範を設けて統制・管理する。
【成員(せいいん)】⇒団体・組織などを構成する人。メンバー。
【必需品(ひつじゅひん)】⇒なくてはならない品物。絶対に必要な品。
【帯びる(おびる)】⇒含み持つ。
【仲立ち(なかだち)】⇒両者の間に立って、事をとりもつこと。
【円滑(えんかつ)】⇒物事が何の支障もなく、すらすらと運ぶこと。
【意思の疎通(いしのそつう)】⇒互いに考えていることを伝え、認識を共有すること。
【従来(じゅうらい)】⇒今まで。これまで。
【原野(げんや)】⇒未開拓で人の手の入っていない野原。
【開墾(かいこん)】⇒山野を切り開いて、田畑にすること。
【合理的(ごうりてき)】⇒むだなく能率的であるさま。
【統御(とうぎょ)】⇒全体をまとめて支配すること。
【合理化(ごうりか)】⇒能率を上げるためにむだを省くこと。
【客観的(きゃっかんてき)】⇒特定の立場にとらわれず、物事を見たり考えたりするさま。
【ほかならない】⇒まさしくそうである。
第三段落の語句一覧
ところで、このように合理化され~
【万物(ばんぶつ)】⇒あらゆるもの。宇宙に存在するすべてのもの。
【定立された】⇒肯定的に判断され、定められた。
【実定的な法律】⇒現実に制定された法律。
【再組織(さいそしき)】⇒組み立て直すこと。
【公布(こうふ)】⇒成立した法令を、広く一般国民に知らせるために公示すること。
【施行(しこう)】⇒公布された法令の効力を発生させること。
【拘禁(こうきん)】⇒人を捕らえて、一定の場所に閉じ込めておくこと。
【まことに】⇒じつに。本当に。
【仮構的(かこうてき)】⇒想像によって作り出されたさま。
【既成(きせい)】⇒すでにできあがっていること。
【実定化(じっていか)】⇒実際に効力を持つような状態。
【裏付け(うらづけ)】⇒物事が確実なことを、他の面から証明すること。
【多かれ少なかれ(おおかれすくなかれ)】⇒多くても少なくても、いずれにしろ。程度の差こそあれ。
【惰性的(だせいてき)】⇒今まで続いてきた習慣のみによって、物事へ取り組むさま。
【慣性的(かんせいてき)】⇒外力が働かず、物体がその運動状態を保つさま。
【表面化(ひょうめんか)】⇒隠れていた物事が、おもてに現れること。
第四段落の語句一覧
さて、これまで私たちは、~
【典型(てんけい)】⇒同類のものの中で、その特性を最もよく示しているもの。
【成文化(せいぶんか)】⇒慣習として人々が了解していることや新たに決められたことを、文章として書き表すこと。
【慣習(かんしゅう)】⇒ある社会で古くから受け継がれてきている生活上のならわし。しきたり。
【習俗(しゅうぞく)】⇒ある地域やある社会で昔から伝わっている風俗や習慣。ならわし。
【結社(けっしゃ)】⇒特定多数の人が、共通の目的を達成するために集まって作った団体。
【葬制(そうせい)】⇒死者と別れる儀式に関する習慣。
【祭祀(さいし)】⇒神や祖先を祭ること。
【物忌み(ものいみ)】⇒ある期間中、特定の物事や行動を控えること。
【諸形態(しょけいたい)】⇒さまざまなありさま。
【習い性となる(ならいせいとなる)】⇒習慣としていたものが、いつのまにか本当の性質のようになる。
【しきたり】⇒昔からのならわし。
【ぎこちなさ】⇒動作などに不自然な様子があること。
【封建的(ほうけんてき)】⇒家来が君主に仕えるように、個人の自由や権利を認めないさま。
【束縛(そくばく)】⇒行動の自由を奪うこと。
【軛(くびき)】⇒馬車などで馬をおさえるための木の枠。転じて、自由を束縛するもの。
【家本位(いえほんい)】⇒家単位の考え方を、判断や行動のもとにすること。
【推し進める(おしすすめる)】⇒積極的に物事を進めさせる。発展させていく。
【近代的(きんだいてき)】⇒封建的な時代から解放され、個人の自由な考えを重視する時代になったさま。
【のっとる】⇒手本として従う。
【文化人類学(ぶんかじんるいがく)】⇒人類の文化について、研究して考察する学問。
【感受性(かんじゅせい)】⇒外からの刺激や印象を感じ取る働き。
【与えずにはおかなかった】⇒必ず与えた。※「~せずにはおかない」とは「自然に~する」「必ず~する」などの意味。
【合議(ごうぎ)】⇒二人以上の者が集まって相談すること。
【立案(りつあん)】⇒案を立てること。工夫して計画を立てること。
【検討(けんとう)】⇒様々な面から調べて、良いか悪いかを考えること。
【合目的的(ごうもくてきてき)】⇒ある物事が一定の目的にかなっているさま。
【下意識(かいしき)】⇒意識されてはいないが、思い出す努力によって意識化できる精神の領域部分。
第五段落の語句一覧
このように、私たち人間は~
【営む(いとなむ)】⇒怠ることなく励む。
まとめ
今回は、『目に見える制度と見えない制度』に出てくる重要語句をまとめました。ぜひノート代わりにして見直して頂ければと思います。なお、本文の要約などについては以下の記事で解説しています。