空気を読む  要約 あらすじ 意味調べノート 解説 テスト問題

『空気を読む』は、香山リカ氏による評論文です。教科書・現代の国語にも載せられています。

この記事では、『空気を読む』のあらすじや要約、語句の意味などを含め解説しました。

『空気を読む』のあらすじ

 

本文は、内容により4つの段落に分けることができます。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①テレビの生放送番組では、本番が始まると、司会者、コメンテータたちが阿吽の呼吸で番組を進行させていく。そして、それぞれが期待される役割をこなし、発言を的確に行っていく。ここで優先されるのは、自分の意見や考えを主張することではなく、周囲の空気を読み取り、自分に期待されている役割をこなすことだ。最近の学生たちをみても、この「場の空気を読む」ことに必死になっているように感じる。こうなると、対話もコミュニケーションというよりは”空気を読み合うゲーム”になってしまう。

②日本人は、「自分の気持ちよりもまわりの秩序を大切にする」という人が多い。同級生や友人など、プライベートな関係で、これまで以上にまわりの雰囲気、空気の流れを気にする人が増えているのではないか。プライベートとはいえ、完全に私的な親子、恋人、夫婦などの関係ではなく、職場ほど公的でもないが恋人や夫婦ほど私的でもない「準パブリック」な関係で「空気を読み合う」というのが目立っているようだ。

③この「準パブリック」な関係の中で、人が「場の空気」を読んで自分の行動や発言をすり合わせていくのは、その場の「少数派」になるのがこわい、という気持ちがあるのだろう。「少数派」には「負け組」のようなネガティブなイメージがつきまとい、「安全な多数派」という状態が当然だというのが暗黙の了解になっている。精神分析学者であるドイッチェは、その場に自分を合わせて人格構造を作り変えてしまう人たちを「かのような人格」と名づけ、いつからか自らの空虚さに気付き、破綻をきたすと指摘している。

④自ら進んで自由な自分でいること、自分の意見や考えを自由に発言することを放棄し、場の空気を読み合ってまわりに合わせることだけにエネルギーを使っている現代人が目指す「自分にとって有利なゴール」とは、いったい何なのだろう。

『空気を読む』の要約&本文解説

 
200字要約現代では、「準パブリック」な関係の中で、場の空気を読んで自分の言動を周囲に合わせていく人が多いが、その場に自分を合わせて人格構造を作り変えることは、いつからか自らの空虚さに気づき、破綻をきたすという指摘がある。自由な自分でいること、自分の考えを自由に発言することを放棄し、場の空気を読み合ってまわりに合わせることにエネルギーを費やすのは、現代人にとって本当に有利なゴールなのか考える必要がある。(197文字)

筆者はこれまでの知識や経験から、「場の空気を読み合うことは人生において本当に有利なのか?」ということを読者に問いかけています。

まず冒頭では、現代人が相手やまわりの人間に対して「場の空気を読むこと」に必死になっていることが述べられています。特に、「準パブリック」な関係において、周囲の評価や見られ方を重視している人が多いことが問題視されています。

「準パブリック」な関係とは、職場ほど公的でもないが恋人や夫婦ほど私的でもない、両者の中間のような関係のことです。

「準パブリック」な関係の中では、自分だけがまわりと違う意見を言ってしまうと、その場の「少数派」になり、「負け組」になってしまうというネガティブなイメージを持つことが暗黙の了解になっています。

このような「準パブリック」な関係において、「少数派」になることを恐れて場の空気を読み合い、自由な自分でいることや自分の意見・考えを自由に発言することを放棄している現代人に対して、筆者は警報を鳴らしているのです。

全体を通して筆者が主張したい内容は、最後の第四段落に集約されていると言えます。

『空気を読む』の意味調べノート

 

【台本(だいほん)】⇒演劇・映画・放送などで、演出のもととなるせりふを書いた本。脚本。

【綿密(めんみつ)】⇒詳しく細かいこと。すみずみまで注意が行き届いていること。

【阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)】⇒二人以上で一緒に物事を行うときの、互いの微妙な気持ちが一致すること。

【的確(てきかく)】⇒まちがいがないこと。核心をついていること。

【意思(いし)】⇒思考。気持ち。

【淘汰(とうた)】⇒不必要なもの、不適当なものを除き去ること。

【口を開いた(くちをひらいた)】⇒話し始めること。

【肯定的(こうていてき)】⇒そのとおりであると同意するさま。

【敬遠(けいえん)】⇒表面では敬う態度で、実際にはかかわりを持たないようにすること。

【秩序(ちつじょ)】⇒整然とした状態。

【発揮(はっき)】⇒もっている能力や特性などを十分に働かせること。

【発症(はっしょう)】⇒病気の症状が現れること。

【忠誠(ちゅうせい)】⇒忠義を尽くすこと。

【プライベート】⇒個人的な物事であるさま。私的。

【クローズ・アップ】⇒特定の事柄を大きく取り上げること。

【~に相当する(~にそうとうする)】⇒当てはまること。

【気心が知れる(きごころがしれる)】⇒何でも包み隠さず話せる。親しい。

【すり合わせる】⇒複数の意見や案などを、納得できる内容に調整すること。

【非凡(ひぼん)】⇒平凡でないこと。普通より特にすぐれていること。

【象徴(しょうちょう)】⇒抽象的なものを具体的な形のあるもので表すこと。

【機能(きのう)】⇒あるものが本来備えている働き。

【倫理(りんり)】⇒人として守り行うべき道。善悪などの判断において普遍的な規準となるもの。道徳。

【あたかも~のよう】⇒あるものが他によく似ていること。

【病理(びょうり)】⇒病気の原因・過程に関する理論的な根拠。

【空虚(くうきょ)】⇒内部に何もないこと。

【破綻(はたん)】⇒物事が、修復しようがないほどうまく行かなくなること。

【(~を)きたす】⇒結果として、ある事柄や状態を生じさせる。

【強制(きょうせい)】⇒その人の意思にかかわりなく、権力や威力によって、ある事を無理にさせること。

【放棄(ほうき)】⇒自分の権利や資格などを行使せずに捨てること。

『空気を読む』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

メンミツな打ち合わせをする。

コウテイ的な意見を言う。

③実力をハッキする。

チュウセイを誓う。

ヒボンな才能を持つ。

⑥経営がハタンする。

⑦権利をホウキする。

解答①綿密 ②肯定 ③発揮 ④忠誠 ⑤非凡 ⑥破綻 ⑦放棄
問題2『明確な意思をもって管理、支配する人がいるわけではないのに、誰もが自ら進んで目に見えない空気を読み、流れに従おうとしているのだ。』とあるが、具体的にどのように行動するのか?
解答例自分の意見や考えを主張することなく、各人がテレビ番組や視聴者から期待されていると思われる役割をこなし、発言を的確に行う。
問題3『テレビの情報番組での「出演者同士」の関係も、そこには見えないもののカメラの向こうにいる「視聴者」と「出演者」の関係も、これに相当するのではないだろうか。』とあるが、「これ」とは何を指しているか?
解答例職場ほど公的でもないが恋人や夫婦ほど私的でもない、「準パブリック」な関係。
問題4『だからこそ、~「準パブリック」な関係での評価や見られ方こそが、もっとも重要な意味を持つのだろう。』とあるが、なぜそう言えるのか?
解答例完全にプライベートな関係ではないので、行き違いがあると修正が難しく、パブリックな関係と違って、”素顔の自分”が評価されるので、失敗すると気になるため。

まとめ

 

今回は『空気を読む』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。