くだり 意味 例文 漢字 お笑い 使い方 類語

テレビのお笑い番組などをみていると、「くだり」という言葉がよく登場します。

この「くだり」ですが、漢字だとどう書けばよいのか、またどのような使い方をすればよいのか、といった疑問があります。

そこで本記事では、「くだり」の意味や例文、類語などを含めわかりやすく解説しました。

くだりの意味

 

「くだり」という言葉はいくつかあり、どの漢字表記をするかによって意味が異なってきます。

漢字が「下り」の意味

まず、漢字で「下(くだ)り」と書く場合、「上から下へ移動すること」「高い所から低い所への道・流れ」などを表します。

例えば、山の上から急な坂道を降りて歩くような場合は、「急な下りが続く」と言います。また、川の上流から下流へとボートで移動するような場合も「急な下りが続く」などと言います。

他には、「都から地方へ行くこと」「北から南へ移動すること」「電車の起点から終点」など複数の意味を持っているのが「下り」という言葉です。ただ、一般に使う際には「上から下へ移動すること」という意味で使うことが多いです。

漢字が「行」の場合

漢字で「行(くだり)」と書く場合、「三行半(みくだりはん)」という言葉の一部として用いられます。

「三行半」とは、江戸時代に夫から妻へ渡された離縁状を俗称で呼んだものです。

離縁する内容と、妻の再婚を許可する内容などが書かれており、夫婦や養親子の関係を解消する際に用いられていました。

この三行半ですが、実際に書く際には文章を三行半(さんぎょうはん)で書く習慣がありました。ゆえに、離縁状そのものを表す言葉として使われるようになったわけです。

現在ではそこから派生し、付き合っている恋人同士がお互いの関係を解消する際に用いられることもあります。

漢字が「件」の場合

漢字で「件(くだり)」と書く場合、「文章における記述の一部分・前に述べた事柄」などを表します。つまり、これがお笑いなどで使われる「くだり」の意味ということです。

「くだり」をお笑いで使う際は、主に漫才やコントなどにおける一部分のことを指します。例えば、ある漫才の中で特に面白い部分があれば、「○○のくだりが面白い」「○○のくだりは最高だ」などと言います。

逆に、コントの中で特に必要ない・繰り返す必要がない箇所などであれば「○○のくだりはいらん」「○○のくだりはしつこい」などと言ったりします。

他には芸人などがトークをする際に、「話の中の一連のまとまった部分」という意味で使われることもあります。

例えば、ある人がこれから紹介する物事の内容を長々と説明したとします。しかし、その後に「VTRを観た方が速いですね。ではVTRどうぞ」と言ったとします。

このような場面では、第三者が「Vあるんなら、その前の長いくだりいらなかっただろ」などと突っ込んだりします。つまり、「その前の長い説明はいらなかっただろ」という意味です。

単に「話」と言った場合、その人が説明した話全体を指すことになります。しかし、「くだり」と言った場合は、その話の中の一部分を指すことになります。

お笑いの意味での「くだり」は、一言で「」「流れ」などと言い換えると分かりやすいでしょう。

くだりの類義語

くだり 類義語 言い換え 別の言い方

「くだり」は、次のような「類義語」で言い換えることが可能です。

  • 降下
  • 下降
  • 下落
  • 流れ
  • 事項
  • 項目
  • 一部分
  • 一連

この中では、先ほども説明したように「」や「流れ」が「くだり」の意味としては近いです。漫才やコントで「○○のくだりが面白い」と言った場合は、「○○の話が面白い」「○○の流れが面白い」という意味になります。

逆に、「対義語」と呼ばれるものは特にありません。ただ、漢字で「下り」と書く場合に限っては、「上(のぼ)り」が反対語となります。

くだりの英語訳

 

「くだり」は英語だと「scene」と言います。「scene」は「場面・シーン」などを意味する名詞です。

ただ、もしその「くだり」が小説とかの一部分などであれば、「passage」や「paragraph」を用います。

「passage」は「文章の一節・一句・ひとくだり」、「paragraph」は「文章の節・段落・パラグラフ」を意味するので、それぞれ「くだり」を表す単語として使うことができます。

例文だと、次のような使い方です。

I always laugh at  that scene.(私はそのくだりでいつも笑ってしまう。)

I was very interested in the passage of the book.(その本の一節は大変興味深かった。)

The paragraph of the novel is my favorite part.(その小説の段落は私のお気に入りの部分です。)

くだりの使い方・例文

 

最後に、「くだり」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 帰り道は急な下りが続くので注意して歩くように。
  2. 川の上流からスタートし、急な下りを進んでいきます。
  3. 下りの列車は本日の午後5時に駅へ到着するようだ。
  4. 長年の結婚生活に別れを告げるために、三行半を渡した。
  5. 冒頭のが詳しく書かれているので、読みやすい文章であった。
  6. 彼らの漫才は最後にツッコミがキレだすが最高に面白い。
  7. 臆病な主人公が勇気を振り絞って立ち向かうは感動しました。
  8. 面白いコントだったが、最後のくだりが少し長いように感じた。
  9. このふざけるは、もう何回もやっているので慣れています。

 

「くだり」という言葉は、例文のようにどの漢字を当てるかによって意味合いが異なってきます。

「下り」の場合は「道や川、線路などの高い所から低い所」を指す際に使われます。また、「件」の場合はお笑いにおける流れや話の一部分を指す際に使われます。

「行」という漢字で使う場合もありますが、この場合は「三行半」などのように限定的な使い方をします。多くの場合、「下り」か「件」のどちらかだと考えて問題ありません。

また、漢字ではなくひらがなで「くだり」と表記することもあります。この場合は、「下り」の意味ではなく「件」の意味で使うことの方が多いです。

まとめ

 

以上、今回のまとめとなります。

下(くだ)り」=上から下へ移動すること高い所から低い所への道・流れ

行(くだり)」=「三行半(みくだりはん)」という言葉の一部として用いる。

件(くだり)」=文章における記述の一部分・前に述べた事柄

【お笑いで使う場合】⇒「」を用いる。漫才やコントの一部分。話の中の一部分。

一言で「くだり」と言っても様々な意味があります。状況に応じて使う漢字が異なりますので、ぜひ正しい使い分けを行って頂ければと思います。