公明正大 意味 わかりやすく 反対語 ビジネス 英語

「公明正大」という四字熟語をご存知でしょうか?主にビジネスシーンで使われ、最近では座右の銘として掲げている人も多いようです。

ただ、具体的にどのような意味を持つのか分かりにくい言葉でもあります。そこで今回は、「公明正大」の意味や語源、反対語、英語訳などを含めなるべく簡単に解説しました。

公明正大の意味・読み方

 

最初に、「公明正大」を辞書で引いてみます。

【公明正大(こうめいせいだい)】

私心をさしはさまず、公正に事を行うこと。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

公明正大」は「こうめいせいだい」と読みます。意味は「私心をさしはさまず、公正に物事を行うこと」を表したものです。

「私心(ししん)」とは「自分一人だけの考えや個人としての気持ち」を指します。そして、「公正」とは「隠すことなく、すべてを正しく立派に扱うこと」を意味します。

つまり、「個人的な考えをなくして、すべてを包み隠さず正しく扱うこと」を「公明正大」と言うわけです。

例えば、組織のリーダーを決める際に今までは密室で決められるなどして、不透明な部分が多かったとします。

そこで今度は、みんなで投票することにより、誰にでも分かるように正々堂々とリーダーを決めることにしました。

このような場面では、「組織の仕組みを公明正大にした」などと言うことができます。

あるいはビジネスシーンでなくても構いません。普段の生活の中で、もめ事を起こして喧嘩をしてしまった二人がいたとします。

そこで、どちらの側にも属さない平等で中立的な立場の人を間に立てたとします。このような場面でも、「公明正大な人物を間に立てた」などと言うことができます。

公明正大の語源・由来

 

「公明正大」は、「公明」と「正大」の二語から成る四字熟語です。

まず、「公明」とは「公平で私意のないこと・不正や隠し事がないこと」などを表します。これは「公(おおやけ)に明らかにする」と書くことからも分かるでしょう。

そして、「正大」とは「態度や行動などが、正しくて堂々としていること」という意味です。

「正大」は「正しくて大きい」と書きます。したがって、誰が見ても誇れるような堂々とした立派な行為を指すわけです。

「公明正大」の成り立ちを確認すると、不正や隠し事などのやましさを排除し、皆に誇れるような正しい行動を指した四字熟語である事が分かるかと思います。

なお、清の「顧棟高(ことうこう)」の『読春秋偶筆(どくしゅんじゅうぐうひつ)』には「光明正大」とあります。

現在日本で使われている「公明正大」はこの「光明正大」が転じたものだと言われています。

ただ、具体的にいつどこでどのように使われ始めたか?という細かい由来については諸説あり、はっきりとしたことは分かっていません。

公明正大の類義語

公明正大 類語 言い換え 別の言い方 反対語は

「公明正大」は、次のような「類義語」で言い換えることができます。

正々堂々(せいせいどうどう)】⇒正しい方法をとり、態度が立派な様子。「正正の旗、堂々の陣」の略。
公平無私(こうへいむし)】⇒一方に偏ることなく平等で、私心をもたないさま。「無私」は「私心がないこと」を表す。
是是非非(ぜぜひひ)】⇒よい事をよいとし、悪い事は悪いと公平な立場で判断すること。「是」は「正しいこと」、「非」は「正しくないこと」を表す。
厳正中立(げんせいちゅうりつ)】⇒厳しく公正を守り、どちらにも偏らない立場を守ること。「厳正」は「厳しく公正を守ること」、「中立」は「間に立って、どちらにも偏らないこと」を表す。
清廉潔白(せいれんけっぱく)】⇒心が清く正しく、私欲や偽りがまったくないこと。 「清廉」は「心が清らかで私欲がないこと」、「潔白」は「心がきれいで、やましいところがないさま」を表す。
品行方正(ひんこうほうせい)】⇒行いが正しく立派なさま。「品行」は「行いや振る舞い」、「方正」は「正しくきちんとしているさま」を表す。

「公明正大」と似た四字熟語はいくつかありますが、この中だと「公平無私」「品行方正」「清廉潔白」は比較的意味も近くよく使われます。ただ、全く同じ意味の言葉(同義語)というのはありません。

例えば、「公平無私」は「無私」という言葉があるように「私心を持たないさま」を強調するような際に使われます。対して、「公明正大」は「隠し立てがないこと」「正しく堂々としていること」を強調するような際に使われます。

また、「清廉潔白」は「正しい心のあり方」を表すのに対して、「品行方正」は「正しい行い」を表すという違いがあります。

「公明正大」は、正しい心と行いの両方を表したり、正しく堂々としているさま自体を指したりするような時に使います。

公明正大の対義語

 

逆に、「対義語」としては以下の言葉が挙げられます。

不正不公(ふせいふこう)】⇒正しくない上に、不公平なこと。「不公」とは「不公平なこと」を表す。
依怙贔屓(えこひいき)】⇒一方にだけ心をかたむけ、公平でないこと。また、好きなほうにだけ心を寄せ、肩入れすること。
専断偏頗(せんだんへんぱ)】⇒勝手に正しいと解釈をして、考えが偏っていること。「専断」は「勝手に決めること」、「偏頗」は「考えが一方に偏っているさま」を表す。

反対語は、「正しくない考え」や「公平でない行動をすること」を表したものとなります。この中だと、「依怙贔屓」がよく使われる言葉です。

ただ、実際にはひらがなで「えこひいき」もしくは「贔屓」と略して使われることが多いです。

公明正大の英語訳

 

「公明正大」は、英語だと次のような言い方があります。

  • fair」(公正な・フェアな)
  • honest」(正直な・誠実な)
  • just」(正しい・公正な・適切な)
  • square」(正々堂々の・公平な)
  • equitable」(公平な・公正な)
  • upright」(まっすぐな・正直な)
  • straight」(まっすぐな・正直な)

どれも使われてはいますが、特に「fair」や「honest」はよく使われる単語です。また、やや硬い表現ではありますが「just(公正な)」もよく使われます。

他には、「fair」と「square」を合わせて「fair and square」などの表現を使うことも可能です。

「square」は主に「正方形・四角」などを表す単語ですが、「公正な・公平な」という意味もあります。そのため、同じような意味を重ね合わせることで、「公明正大」と訳すことができます。

公明正大の使い方・例文

 

最後に、「公明正大」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 私は以前から「公明正大」を座右の銘としています。
  2. 裁判官という職業は、常に公明正大であることが求められる。
  3. 弊社では公明正大に利益を追求することを経営理念としています。
  4. あの会社は社員の仕事に対して公明正大な評価をしているので信頼できる。
  5. 以前、直接会った時に公明正大な対応をしてくれたので、感謝しています。
  6. 今回の問題はややこしいので、公明正大な人物を間に入れた方がいい。
  7. ビジネスだけでなく恋愛においても公明正大な人というのは好かれる。

 

例文のように、「公明正大」は良い意味として使うのが基本です。主に、正直で誠実な人、不正を許さない人、正義感のある人などを対象とします。

特に、ビジネスシーンでこの四字熟語を使うケースが多いです。ビジネスでは、正々堂々と立派な人や正しい方法で稼ぐ会社などを称賛するような時に使います。

逆に、悪い意味として使うことはありません。悪い意味として使う場合は、対義語である「えこひいき」などを使うようにします。

まとめ

 

以上、本記事のまとめとなります。

公明正大」=私心をさしはさまず、公正に物事を行うこと。

語源・由来」=「公明」は「不正や隠し事がないこと」、「正大」は「言動が正しくて堂々としていること」から。

類義語」=「正々堂々・公平無私・是是非非・厳正中立・清廉潔白・品行方正」

対義語」=「不正不公・依怙贔屓・専断偏頗」

英語訳」=「fair」「honest」「just」「square」「equitable」「upright」「straight」

「公明正大」は、人や会社の本来あるべき立派な姿を表した四字熟語です。意味を理解したからには、ぜひ公明正大な行動を心がけてみてはどうでしょうか?