第四段落:ルントウとの再会

 

非常に寒い日の午後、わたしは昼飯を済ましてお茶を飲んでいると、外から人が入って来た。

【ほかでもない】⇒それ以外の何ものでもない。

【身の丈(みのたけ)】⇒身長。背の高さ。

【深皺(ふかじわ)】⇒深いしわ。

【目許(めもと)】⇒目のあたり。

【地腫れ(じばれ)】⇒傷口やできものの周りの皮膚が、一面にはれること。

【海辺(うみべ)】⇒海のほとり。海の近辺。

【百姓(ひゃくしょう)】⇒農業に従事する人。農民。

【汐風(しおかぜ)】⇒海から吹く、塩けを含んだ風。

【棉入れ(わたいれ)】⇒防寒用に、表布と裏布との間に綿を入れて仕立てた衣服。

【みすぼらしい】⇒貧しげである。身なりが見苦しい。

【長煙管(ながきせる)】⇒刻みタバコを吸う長い道具。

【松皮(まつかわ)】⇒松の樹皮。

【裂け目(さけめ)】⇒亀裂の入っている箇所。

【亢奮(こうふん)】⇒感情が高ぶること。

【口を切る(くちをきる)】⇒話を始める。最初に発言する。

【連珠(れんじゅ)】⇒つらねた玉。つなぎ続けられた玉。

【弾く(はじく)】⇒寄せつけない。受けつけない。

【のそり】⇒動作が鈍くて遅いさま。のっそり。

【奉る(たてまつる)】⇒相手に敬意を表した表現。

【旦那様(だんなさま)】⇒奉公人や使用人などが主人を敬って呼ぶ語。

【身顫い(みぶるい)】⇒恐ろしさにより、からだがふるえ動くこと。

【隔て(へだて)】⇒厚い壁。

【水星(すいせい・すいしゅん)】⇒閏土の五男。

【お辞儀(おじぎ)】⇒頭を下げて礼をすること。頭を下げてするあいさつ。

【大奥様(おおおくさま)】⇒姑(しゅうとめ)を敬って呼ぶ語。姑とは「夫(ここでは私)の母」のこと。

【遠慮深い(えんりょぶかい)】⇒他人に対する態度や言動が非常に控えめである。

【先には(せんには)】⇒以前は。

【うぶ】⇒世間ずれしていないこと。

【さし招く(さしまねく)】⇒手招きをする。

【俄かに(にわかに)】⇒急に。突然に。

【卓(たく)】⇒机。テーブル。

【暮向(くらしむき)】⇒生活のようす。家計の状態。

【始終(しじゅう)】⇒絶え間ないさま。いつも。

【方途(ほうず) 】⇒進むべき道。物事を実現・解決するための方法。

【実り(みのり)】⇒穀物などが実を結ぶこと。

【種物(たねもの)】⇒穀類の総称。

【腐る(くさる)】⇒食物などがいたむ。腐敗する。

【思案に沈む(しあんにしずむ)】⇒深く考え込む。

【多忙(たぼう)】⇒非常に忙しいこと。

【察する(さっする)】⇒物事の事情などをおしはかってそれと知る。

【焚く(たく)】⇒米などの穀物を煮て食べられるようにする。

【境遇(きょうぐう)】⇒その人が置かれた、家庭環境・経済状態・人間関係などの状況。

【歎息(たんそく)】⇒悲しんだりがっかりしたりして、ため息をつくこと。

【飢饉(ききん)】⇒天候異変などで、農作物の収穫が少なく、食糧が欠乏すること。

【土匪(どひ)】⇒その土地に住みついて害をなす集団。

【兵隊(へいたい)】⇒下級の軍人。

【官吏(かんり)】⇒役人のこと。

【地主(じぬし)】⇒土地の所有者。

【木偶(でく)】⇒ 役に立たない人をののしっていう語。でくのぼう。

【ならしめる】⇒~にさせる。

【選り取る(よりどる)】⇒多くのものの中から選んで取る。

【入用(いりよう)】⇒必要。

【長卓(ちょうたく)】⇒長い机。

【香炉(こうろ)】⇒お香を焚くために使う器。

【燭台(しょくだい)】⇒ろうそくを立てるための台。

【天秤(てんびん)】⇒てこの原理を利用して、物体の質量を測るはかり。

【藁灰(ほうばい)】⇒藁(わら)を燃やしたあとに残る灰。

【肥料(ひりょう)】⇒作物の生育をよくするために、土壌などに施(ほどこ)す物質。

【格別(かくべつ)】⇒普通の場合とは程度が違っていること。特別。

第五段落:わたしの旅立ち

 

九日目にわたしどもの出発の日が来た。~

【一掃(いっそう)】⇒一度にきれいに片付けてしまうこと。

【青山(あおやま)】⇒草木が青々と茂っている山。

【たそがれ】⇒夕方の薄暗い時。夕暮れ。

【深黛色(しんたいしょく)】⇒深く青黒く見える色。

【装いを凝らす(よそおいをこらす)】⇒飾り整えることに専念する。

【船後の梢(せんごのこずえ)】⇒船の後ろの部分のこと。「梢」とは「物の先端」を表す。

【退く(しりぞく)】⇒消える。その場所から去る。

【船窓(せんそう)】⇒船内にあかりを取り入れる窓。

【行き著く(いきつく)】⇒行って着く。

【黒目勝ち(くろめがち)】⇒黒目の目立つ美しい目のさま。

【灰溜(はいだめ)】⇒灰の山。

【皿小鉢(さらこばち)】⇒皿や小さな鉢など、台所で使う瀬戸物類の総称。

【論判(ろんぱん)】⇒議論して判定すること。

【挙句(あげく) 】⇒結果。

【埋める(うずめる)】⇒埋める。

【纏足(てんそく)】⇒中国で、女性の足を大きくしないため、子供の時から親指を除く足指を裏側に曲げて布で固く縛り、発育をおさえた風習。

【養鶏(ようけい)】⇒肉用または採卵用のために鶏を飼育すること。

【木盤(もくばん)】⇒木の板。

【木柵(もくさく)】⇒木材で作った柵。

【餌(え)】⇒えさ。

【嘴(くちばし)】⇒鳥類の口の部分。

【啄む(ついばむ)】⇒鳥類がくちばしで物をつついて食う。

【閊える(つかえる)】⇒じゃまなものがあったり行きづまったりして、先へ進めない状態になる。

【山水(さんすい)】⇒山と水。山と水のある自然の景色。

【未練(みれん)】⇒あきらめられないこと。心の残ること。

【せせらぎ 】⇒水の流れる音。

【隔絶(かくぜつ)】⇒かけ離れていること。遠くへだたっていること。

【一脈(いちみゃく)】⇒ひとすじ。ひとつづき。

【思念(しねん)】⇒思い考えること。常に心に深く思っていること。

【隔膜(かくまく) 】⇒動植物の細胞や組織を区切っている膜。転じて、ここでは「壁や隔て」をたとえた語。

【凡て(すべて)】⇒すべて。

【辛苦(しんく)】⇒つらく苦しい思いをすること。

【展転(てんてん)】⇒めぐること。

【麻痺(まひ)】⇒ここでは、「心が打ちひしがれて正常でなくなること」を表す。

【放埒(ほうらつ)】⇒勝手気ままでしまりのないこと。

【然る可き(しかるべき)】⇒当然である。当たり前だ。

【内々(ないない)】⇒ひそかに。心の中では。

【偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)】⇒偶像を信仰の対象として崇拝・礼拝すること。「偶像」とは「神仏などに似せて、信仰の対象として作られた像」を表す。

【相違(そうい)】⇒違い。

【夢うつつ(ゆめうつつ)】⇒夢か現実か自分自身ではっきりと判断できない状態。

【野広い(のびろい)】⇒場所がやたらに広い。ひろびろとしている。

まとめ

 

以上、本記事では『故郷』に出てくる漢字や重要語句をまとめました。一つ一つの意味が分かれば、話の流れやあらすじなども理解しやすくなるはずです。ぜひノート代わり、プリント代わりにして頂ければと思います。