方言コスプレ現象 要約 国語 教科書 意味調べノート 解説

「方言コスプレ」現象は、田中ゆかりによる評論文です。教科書・論理国語にも採用されています。

ただ、本文を読むとその内容や筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、「方言コスプレ」現象のあらすじや要約、意味調べなどを解説しました。

「方言コスプレ」現象のあらすじ

 

本文は、四つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①「方言」と「方言」に付随するステレオタイプを使ったキャラの付け替え行動を「方言コスプレ」と名付ける。ここでいう「方言コスプレ」とは、「方言」のステレオタイプに基づく着脱現象のことである。この「方言コスプレ」現象は、日本語社会における「方言」の価値とわたしたちの言語活動の変化を映す鏡であり、単なる一時の流行ではない。

②「共通語」が優位で特別なことばで、「方言」がコンプレックスの源であった時代は、ほぼ終わりを告げた。1970年代ごろまでは、「方言」を笑われて傷ついたことによる物騒な記事もあった。だが、1980年代になると、「方言」が価値をもつ時代となった。

③1980年代以降の新聞記事では、「方言」と「共通語」のバイリンガル状態が完成し、「方言」に情的価値を見出すものが急増した。同時に、「方言」に経済的・商業的価値が認められるようになった。1990年代になると、大人のビジネス場面における「方言」の効能をうたった記事まで現れるようになった。2000年以降の新聞記事からは、若年層を中心に、「方言を楽しむ」感覚が前景化した。「方言コスプレ」の時代の本格的な到来である。

④「方言コスプレ」が出てきた要因の一つとして、「打ちことば」が進出してきたことが挙げられる。メールやブログ、SNSのような「打ちことば」が一般化するに従い、「方言コスプレ」のような私的言語活動が、広く「目につく」時代となった。「方言コスプレ」は、一見すると一時の流行に見える現象だが、実際は日本語社会におけることばの価値の変遷や、新しいメディアの言語への影響の反映であり、奥の深い現象である。

「方言コスプレ」現象の要約&本文解説

 

200字要約「方言コスプレ」とは、方言のステレオタイプを基にしたキャラの着脱現象を指し、日本語社会の方言の価値と言語活動の変化を映す鏡である。かつて方言は劣等感の原因であったが、1980年代以降はその価値が見直され、2000年以降は若者を中心に楽しむものとなった。「方言コスプレ」は一時的な流行ではなく、日本語社会におけることばの価値の変遷や、新しいメディアの言語への影響の反映であり、奥の深い現象である。(199文字)

筆者の主張は、「方言コスプレ」という現象が単なる一時的な流行ではなく、日本語社会の変化や言葉の価値の移り変わりを反映した重要な現象である、というものです。

かつて日本では、「共通語」が標準とされ、「方言」は劣ったもの、恥ずかしいものと考えられていました。特に1970年代までは、方言を話すことでコンプレックスを抱えたり、社会的に不利になることがありました。

しかし、1980年代に入ると状況が変わり、方言が「親しみやすさ」や「個性」として評価されるようになりました。この頃から、方言をポジティブに捉える動きが見られ、ビジネスシーンでも活用されるようになります。

さらに2000年代以降、メールやSNSなどの「打ちことば」が一般化したことで、方言がより気軽に使われるようになりました。特に若者の間では、方言をあえて使うことでキャラクターを演出したり、コミュニケーションを楽しむ文化が広がりました。

このような言葉の使い方の変化を、筆者は「方言コスプレ」と呼び、その背景には、方言の価値が大きく変化したことや、新しいメディアの影響があると指摘しているのです。

筆者が、「方言コスプレ」を単なる流行ではなく、「深い文化的・社会的背景がある」と主張していることを理解するのがポイントとなります。

「方言コスプレ」現象の意味調べノート

 

【付随(ふずい)】⇒ある物事が他の物事につき従っていること。

【ステレオタイプ】⇒ある物事に対して、多くの人が持っている決まりきったイメージや考え方。

【着脱(ちゃくだつ)】⇒取りつけたり取りはずしたりすること。また、衣服などを着たり脱いだりすること。

【根差す(ねざす)】⇒定着する。

【軽佻浮薄(けいちょうふはく)】⇒言動が軽はずみで浮ついているさま。

【四角四面(しかくしめん)】⇒まじめすぎて、面白みに欠けること。

【息が詰まる(いきがつまる)】⇒心の余裕がなくなり、苦しく感じること。

【威光(いこう)】⇒人をおそれさせ、従わせる力。他人を圧倒するような力。

【大勢(たいせい)】⇒全体の傾向や流れ。

【開口一番(かいこういちばん)】⇒話し始めてすぐに。口を開くやいなや。

【連鎖(れんさ)】⇒物事が次々とつながり、影響し合いながら続いていくこと。

【様相を呈する(ようそうをていする)】⇒物事のありさまを示す。そのような状態になる。

【臨時(りんじ)】⇒一時的であること。その期間だけであること。

【遭遇(そうぐう)】⇒不意に出あうこと。偶然にめぐりあうこと。

【影を潜める(かげをひそめる)】⇒姿が見えなくなる。

【回避(かいひ)】⇒避けること。

【方略(ほうりゃく)】⇒目的を達成するための計画や策略、戦略。

【前景化(ぜんけいか)】⇒前の方に出てくること。目立ってくること。

【アクセント】⇒話し方の調子。

【イントネーション】⇒言葉を話すときの声の高低や抑揚。

【水面下(すいめんか)】⇒表面には現れないところ。

【変遷(へんせん)】⇒時の流れとともに移り変わること。

【インパクト】⇒影響。印象。

「方言コスプレ」現象のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

①衣類のチャクダツを行う。

②弱点をシテキされる。

イコウのある発言。

ブッソウな世の中。

ケイタイ電話を使う。

解答①着脱 ②指摘 ③威光 ④威光 ⑤物騒 ⑥携帯
問題2こんな行動は、最近ふいっと出てきた単なる言葉遊びで、~」とあるが、「こんな行動」とは何か?
解答場面や気分に合った方言を使い、様々なキャラを演じること。
問題3「方言コンプレックス」とは、どのような感情か?本文中から3つ抜き出しなさい。
解答「恥ずかしい」「かっこわるい」「隠したい」
問題4「ちょっとしゅんとする」とあるが、なぜか?
解答特別なことばである「方言」をもつ学生と比べると、普通でつまらない「共通語」しかもたない自分たちは、ことばの面において「残念な人」であると認識するから。
問題5筆者は、「方言コスプレ」にはどのようなことが表れていると述べているか?
解答日本語社会におけることばの価値の変遷や、新しいメディアがわたしたちの言語生活に影響を与えたこと。

まとめ

 

今回は、「方言コスプレ」現象について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。