『盆土産』は、中学国語の教科書で学ぶ小説です。エビフライを手土産に父が盆に帰省する話で、定期テストの問題としてもよく出題されています。
ただ、作中に出てくる語句は辞書に載っていないものも多く、読解する上で分かりにくいです。そこで本記事では、『盆土産』に出てくる言葉の意味を一覧にして分かりやすくまとめました。
盆土産の言葉・語句一覧
【河鹿(かじか)】⇒カジカガエルの別名。かわしか(河鹿)の意。鳴き声が鹿に似ているところから付いた名前。
【ゴム長(ごむなが)】⇒ゴムながぐつ(長靴)の略。ゴム製の長靴。
【人声(ひとごえ)】⇒人が話をする声。
【敏感(びんかん)】⇒感じやすいこと。感覚や感度が鋭いこと。
【造作もない(ぞうさもない)】⇒大した手間も面倒もなく、たやすいさま。
【とんと】⇒(あとに打消しの表現を伴い)すこしも。
【なじみ】⇒なれ親しんで知っていること。
【存外(ぞんがい)】⇒物事の程度などが予想と異なること。
【唐突(とうとつ)】⇒突然。不意。
【なして】⇒「なぜ・どうして」という意味の方言。
【訂正(ていせい)】⇒誤りを正しく直すこと。特に言葉や文章・文字の誤りを正しくすること。
【分校(ぶんこう)】⇒学校の一部を本校の所在地以外の所に分設したもの。
【雑魚(ざこ)】⇒色々な種類の入り交じった小魚。
【とうの昔(むかし)】⇒とっくに過ぎ去った昔。ずっと以前。
【荏胡麻(えごま)】⇒シソ科の一年草。高さ60~90センチ。全体に白い毛があり、シソに似る。
【こさえる】⇒用意する。調達する。「こしらえる」の俗な言い方。
【生そば(きそば)】⇒そば粉だけで打ったそば。また、小麦粉などの混ぜものが少ないそば。
【速達(そくたつ)】⇒速達郵便の略。同種の他の郵便物よりも優先して、速やかに遅滞なく配達される。
【面食らう(めんくらう)】⇒突然の事に驚きとまどう。
【殺生(せっしょう)】⇒生き物を殺すこと。仏教では最も重い罪の一つとされる。
【釣る(つる)】⇒魚を釣り針にひっかけてとる。
【はらわた】⇒動物の内臓。
【囲炉裏(いろり)】⇒室内の床の一部を四角に切り抜いて、火をたくようにした場所。暖房・煮炊きに用いる。
【串焼き(くしやき)】⇒肉・魚貝・野菜などを串に刺して焼くこと。
【気が気でない(きがきでない)】⇒気がかりで落ち着かない。
【濁る(にごる)】⇒透明さがなくなる。
【スクーター】⇒腰かけた形で乗れる、車輪の小さい自動二輪車。
【不吉(ふきつ)】⇒不運の兆しがあること。
【伝票(でんぴょう)】⇒金銭の出入や取引内容などを記入する一定の様式を備えた紙片。
【濃淡(のうたん)】⇒色が濃いことと薄いこと。
【著しい(いちじるしい)】⇒はっきりしている。
【夜行(やこう)】⇒「夜行列車」の略。夜間運行する列車。
【土産(みやげ)】⇒外出先や旅先で求め、家などに持ち帰る品物。
【心もとない】⇒頼りなく不安で、心が落ち着かないさま。
【沼(ぬま)】⇒水深が浅く、泥深い池。
【すりつぶす】⇒すって細かく砕く。
【要領(ようりょう)】⇒物事の要点をつかんだ、うまい処理の仕方。
【すこぶる】⇒非常に。たいそう。
【川面(かわも)】⇒川の水面。
【夕立(ゆうだち)】⇒夏の午後に降る激しいにわか雨。雷を伴うことが多い。
【あばた】⇒小さなくぼみ。
【湾曲(わんきょく)】⇒弓なりに曲がること。
【肥えた(こえた)】⇒太った。ふっくらとした。
【あみだかぶり】⇒帽子などを前を上げて斜めに傾けてかぶること。
【ハンチング】⇒前びさしのついた丸く平たい帽子。
【ひさし】⇒帽子の額の上に突き出た部分。つば。
【生白い(なまじろい)】⇒肌などの色がいやに白い。その人の弱々しさについてもいう。
【流儀(りゅうぎ)】⇒物事のやり方。
【淡い(あわい)】⇒色や味などが際立たず、薄い。
【谷風(たにかぜ)】⇒日中、谷底から山頂に向かって斜面を吹きのぼる風。
【上がり框(あがりかまち)】⇒玄関で靴を脱いであがる段差の側面部分に張り付けられた板のこと。
【とたんに】⇒すぐに。その瞬間に。
【もうもう】⇒煙やほこりなどが立ちこめるさま。
【はずみ】⇒何かをしたその拍子。
【せっかち】⇒忍耐強くなく、先を急いで気ぜわしいさま。
【炉端(ろばた)】⇒囲炉裏 (いろり)のそば。
【停留所(ていりゅうじょ)】⇒バスや路面電車が客の乗り降りのために止まる一定の場所。
【道中(どうちゅう)】⇒旅の途中。
【鮮度(せんど)】⇒肉や野菜、野菜などの新鮮さの度合い。
【寸断(すんだん)】⇒長く続いているものをきれぎれに切ること。
【目を見張る(めをみはる)】⇒驚いたりして目を大きく見開く。
【毛ずね(けずね)】⇒毛深いすね。
【くるまえび】⇒日本各地の沿岸の浅海底にすむえび。体長約20センチほど。
【首をすくめる】⇒驚いたり恐れ入ったりしたときに、思わず首を縮めるしぐさをする。
【よどみ】⇒水や空気などが流れずにたまっている所。
【漬ける(つける)】⇒水などの中に入れておく。ひたす。
【畦道(あぜみち)】⇒田と田の間の細い道。
【横縞(よこじま)】⇒横方向に通った縞模様。
【ぎこちない 】⇒動作や話し方などが滑(なめ)らかでない。
【気勢(きせい)をそぐ】⇒何かを行おうとする意気込みが弱まるさま。
【きょとん】⇒びっくりしたり事情がのみこめなかったりして、目を見開いてぼんやりしているさま。
【支度(したく)】⇒準備。用意。
【配分(はいぶん)】⇒割り当てて配ること。
【明快(めいかい)】⇒筋道があきらかでわかりやすいこと。
【肴(さかな)】⇒酒を飲むときに添えて食べる物。つまみ。
【はらはらする】⇒心配する。どうなるか気になりどきどきする。
【緻密(ちみつ)】⇒きめが細かいこと。
【きしむ】⇒物と物とがすれ合って、きしきし、みしみしなどと音を立てる。
【えもいわれない】⇒何とも言えない。言葉で言い表せない。
【精進(しょうじん)】⇒肉食を断って菜食をすること。
【同調(どうちょう)】⇒他人の意見・主張などに賛同すること。
【案の定(あんのじょう)】⇒予想通り。
【あらかた】⇒全部とまではいかなくても、ほぼそれに近い部分。大部分。
【尋常(じんじょう)】⇒特別でなく、普通であること。
【盛り土(もりつち)】⇒土を盛って地面を高くすること。また、その土。
【供え物(そなえもの)】⇒神仏に供える物。
【迎え火(むかえび)】⇒客人や神霊をむかえるためにたく火のこと。
【絶え間なく(たえまなく)】⇒ずっと。
【念仏(ねんぶつ)】⇒仏の名を口に唱えること。「南無阿弥陀仏 (なむあみだぶつ) 」と口に唱えること。
【くべ足す(くべたす)】⇒火の火力を増すために燃やすものを追加する。
【不明瞭(ふめいりょう)】⇒はっきりしないこと。あいまいなこと。
【食卓(しょくたく)】⇒食事用のテーブル。
【谷間(たにま)】⇒谷の中。
【河原(かわら)】⇒川の流れに沿う平地。普段は水の流れていない石や砂の多い所。
【取って付けたよう(とってつけたよう)】⇒言葉や態度などが不自然でわざとらしい様子。
【しゃくりあげる】⇒声や息を何度も激しく吸い上げるようにして泣く。
【とっさに】⇒その瞬間に。
【わしづかみ】⇒ワシが獲物をつかむように、手のひらを大きく開いて荒々しくつかむこと。
【手荒い(てあらい)】⇒扱い方や動作が荒々しい。
【車掌(しゃしょう)】⇒電車・汽車などに乗り、車内の事務を取り扱う者。
【痰(たん)】⇒気管から出る粘液。
【野太い(のぶとい) 】⇒声が太いさま。
まとめ
以上、今回は『盆土産』に出てくる語句を一覧にしてまとめました。言葉の意味が分かれば本作のあらすじも理解しやすくなります。ぜひワークシート代わりにして何度も読み返して頂ければと思います。