『辞書は生きている』は、高校教科書・現代の国語に載せられている評論文です。ただ、本文を読むと内容の分かりにくい箇所もあります。
そこで今回は、『辞書は生きている』のあらすじや要約、テスト対策などを簡単に解説しました。
『辞書は生きている』のあらすじ
本文は、内容により3つの段落に分けることができます。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。
①一口に国語辞典といっても、さまざまなものが出版社から出ている。そして、内容を読み比べてみても、同じ言葉でも説明が異なる。つまり、国語辞典によって、役に立つ部分が違うということだ。
②国語辞典には、学校の授業とまるで関係のない言葉も載っている。例えば、「やばい」は、明治時代に犯罪者たちが警察から逃げる際に使っていたが、今は「すばらしい」「感動や感激が強すぎて危ない」という場合にも使う。国語辞典は、学校の勉強のためだけでなく、知っておくと会話で役に立つ言葉なども載せているのだ。
③「名詞+る」の形の動詞があるが、スマートフォンの学割サービスの広告では、「学割る」は「がくわりる」ではなく「がくわる」という動詞だった。つまり、「がくわる」と読み、「割」の部分を活用して「割る」に変え、「学割る」という新語を作っていたのだ。「学割」が「学生割引」の略語であることから考えると、「割」が動詞の意味を取り戻したことが分かる。
『辞書は生きている』の要約&本文解説
筆者はまず、国語辞典にはさまざまなものがあり、それぞれによって説明が異なるのだと述べています。そして、国語辞典には学校で習うような言葉だけでなく、私たちが普段から使う会話の中での言葉も出てくるのだと続けます。例えば、「まじ」「がち」「めっちゃ」などの語です。
そして、最後の段落では新語の作られ方について触れています。筆者は、「学割ってる」という広告を目にした時、「がくわりる」と読むのではなく「がくわる」と読むことに軽く驚いたと述べています。
その理由は、「学割」が単純な名詞ではなく「学生割引」の略語であり、本来は「割」の動詞の意味が薄れていた言葉だからだと説明しています。この「割」が「学割る」という言葉では動詞の意味を取り戻したことに、筆者は驚いて「すごい」と思った、ということです。
『辞書は生きている』の意味調べノート
【一口に(ひとくちに)】⇒まとめて。
【国語辞典(こくごじてん)】⇒日本語の単語や句を集め、一定の順序で並べ、それぞれの意味や用例などを記した書物。
【出版社(しゅっぱんしゃ)】⇒書籍や雑誌などを製作する会社。
【載る(のる)】⇒書かれる。記録される。
【犯罪者(はんざいしゃ)】⇒犯罪行為をなした者。
【警察(けいさつ)】⇒警察官の略。警察上の執行を担当する警察職員。
【危険(きけん)】⇒あぶないこと。
【たずさわっている】⇒関係している。
【混乱(こんらん)】⇒色々なものが入り混じって、整理がつかなくなること。
【活用(かつよう)】⇒単語の終わりの部分が変化すること。
【新語(しんご)】⇒新しく作られた、また、使われ出した言葉。
【略語(りゃくご)】⇒語形の一部を省略して簡略にした語。
『辞書は生きている』のテスト対策問題
次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。
①本をシュッパンする。
②ケイサツ官を目指す。
③高所でのキケンな作業。
④コウコクを目にする。
⑤タンジュンな考え方。
⑥興味がウスれる。
次の内、本文の内容を表したものとして適切でないものを選びなさい。
(ア)一口に国語辞典といっても、さまざまな出版社のものがあり、それぞれの辞書に書いてあることは同じではない。
(イ)「やばい」は、明治時代には危険な場面で使われていたが、今では「すばらしい」「感動や感激が強すぎて危ない」などの場面でも使われている。
(ウ)国語辞典は、学校の勉強に役立つ言葉ではなく、みんながふだん使う言葉や知っておくと会話で役に立つ言葉なども多く載っている。
(エ)「学割」は「がくわり」と読むが、「学割る」という新語は「がくわる」と読むのではなく、「学割+る」の動詞、つまり「がくわりる」と読む。
まとめ
以上、今回は『辞書は生きている』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。