『文化としての科学』は、高校教科書・現代の国語における評論文です。ただ、実際に本文を読むと意味の分かりにくい言葉が多く出てきます。
そこで今回は、本文中に出てくる語句や漢字の読み方などを一覧にしてまとめました。
第一段落の語句一覧
【物質的所産(ぶっしつてきしょさん)】⇒物質的な成果として生み出されたもの。
【科学(かがく)】⇒体系的な知識。広い意味では「知識や学問」を指し、狭い意味では「自然科学」を指す。「自然科学」とは自然について研究する学問のこと。
【諸相(しょそう)】⇒さまざまな姿や様子。
【中核(ちゅうかく)】⇒物事の中心。重要な部分。
【多重性(たじゅうせい)】⇒いくつも重なり合っているさま。
【彩る(いろどる)】⇒おもしろみや趣などを付け加える。
【技術(ぎじゅつ)】⇒科学の研究成果を生かして人間の生活に役立たせる方法。
【弁別(べんべつ)】⇒物事の違いをはっきりと見分けて区別すること。
【暗黙の裡(あんもくのうち)】⇒はっきりとは言わないまま。口に出して言わないまま。
【便宜(べんぎ)】⇒便利なこと。都合のよいこと。
【無機的(むきてき)】⇒生命力の感じられないさま。
【創成(そうせい)】⇒初めてつくり上げること。また、初めてでき上がること。
【追究(ついきゅう)】⇒未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。
【不可欠(ふかけつ)】⇒なくてはならないこと。ぜひ必要なこと。
第二段落の語句一覧
【成果(せいか)】⇒あることをして得られたよい結果。
【浄財(じょうざい)】⇒寺院または慈善事業などに寄付する金銭。
【対価(たいか)】⇒他人に財産・労力などを提供した報酬として受け取る財産上の利益。
【合意(ごうい)】⇒互いの意思が一致すること。
【真理(しんり)】⇒いつどんなときにも変わることのない、正しい物事の筋道。真実の道理。
【負託(ふたく)】⇒責任を持たせて、任せること。
【誠心誠意(せいしんせいい)】⇒うそいつわりなく、真心をもって事に当たること。副詞的にも用いる。
【享受(きょうじゅ)】⇒受け入れて味わうこと。
【寄与(きよ)】⇒社会や人のために役に立つこと。貢献。
【受容(じゅよう)】⇒受け入れて、とりこむこと。
【独善的(どくぜんてき)】⇒ひとりよがりであるさま。
【無縁(むえん)】⇒関係のないこと。
【円滑(えんかつ)】⇒物事が滞らず、すらすら運ぶさま。
第三段落の語句一覧
【内実(ないじつ)】⇒内部の実情。
【パラダイム】⇒ある時代における支配的な物の考え方。
【域を脱する(いきをだっする)】⇒一定の範囲や段階を越えて広がる。
【滞る(とどこおる)】⇒物事が順調に運ばない。流れがとまる。停滞する。
【創薬(そうやく)】⇒薬剤を開発すること。
【クローズアップ】⇒特定の事柄を大きく取り上げること。
【セラミックス】⇒熱処理によって作られる製品の総称。
【終始する(しゅうしする)】⇒同じ状態が初めから終わりまで続く。
【ナノテクノロジー】⇒一ナノメートル(10億分の一メートル)という極細な単位で加工・計測を行う超精密技術。
【マイクロマシン】⇒半導体の微細加工技術を応用した超小型機械。
【基礎科学(きそかがく)】⇒実用上の目的から独立し、真理の探究を目的とする学問。⇔応用科学。
【迎合(げいごう)】⇒自らの考えに沿わないことでも、他人の気に入るように調子を合わせること。ここでは、科学者が自分の考えにかかわらず、実用の役に立つことを目指す傾向に合わせようとする態度を表す。
第四段落の語句一覧
【技術的合理性(ぎじゅつてきごうりせい)】⇒科学の法則を使い人工物として製品化する際に、どういった方式が最も合理的であるかという考え方。「合理性」とは、むだなく能率的に行われるような物事の性質を表す。
【公共的な配慮(こうきょうてきなはいりょ)】⇒社会一般の利益に寄与する広い視点からの配慮。
【コスト・パフォーマンス】⇒費用対効果。少ない費用で得られる効果が大きい場合を「コストパフォーマンスがよい(高い)」、その逆を「コストパフォーマンスが悪い(低い)」と言う。
【経済的合理性(けいざいてきごうりせい)】⇒できるだけ費用を抑え、高い利益を上げるという経済的な価値基準から見た考え方。
【習い性となる(ならいせいとなる)】⇒習慣が、ついにはその人の生まれつきの性質のようになる。ここでは、企業の論理に従うことが当然のようになっていることをさす。
【危惧(きぐ)】⇒あやぶみ、おそれること。「危ぶむ(あやぶむ)」とは、物事の成り行きが悪い結果になるのではないかと不安に思う、という意味。
【癒着(ゆちゃく)】⇒好ましくない状態で強く固く結びつくこと。
【傲慢(ごうまん)】⇒おごりたかぶって人を見下すさま。
【収束(しゅうそく)】⇒混乱した状態を収めようとすること。
【罹患(りかん)】⇒病気にかかること。
【豪語(ごうご)】⇒いかにも自信ありげに大きなことを言うこと。
【責任転嫁(せきにんてんか)】⇒自分の責任を他の人のせいにすること。「転嫁」とは「自分の罪・責任などを他になすりつけること」を表す。
【限界強度(げんかいきょうど)】⇒物が耐えることのできる最大の強度。
【社会的責務(しゃかいてきせきむ)】⇒ここでは、技術に対して安全が保証される限度を社会にしっかりと伝えるという科学者が負うべき責任を意味する。
【割り切り(わりきり)】⇒例外などを無視して、きっぱりと結論を出すこと。ここでは、想定以上の地震や津波が来た場合の安全性を考えない妥協を表す。
【相違(そうい)】⇒違い。
【貫徹(かんてつ)】⇒考え方などを貫き通すこと。
【破綻(はたん)】⇒物事が、修復しようがないほどうまく行かなくなること。成り立たなくなること。
【自戒(じかい)】⇒自分で自分を戒めること。
まとめ
以上、今回は『文化としての科学』の重要語句についてまとめました。ぜひテスト対策用として見直して頂ければと思います。なお、本文の要約やあらすじについては以下の記事で解説しています。