恋愛に関することわざというのは、多くの種類があります。特に、出会いや別れ、片思い、結婚などを表した言葉は多いです。
本記事では、そんな恋愛に関する有名なことわざを一覧にしてまとめました。
恋愛のあるあるを表したことわざ
【惚れた欲目(ほれたよくめ)】⇒好きになって惚れた相手は、実際以上によく見えてしまうこと。
【逢い戻りは鴨の味(あいもどりはかものあじ)】⇒一度別れた男女が元の仲に戻ると、その仲は前にも増してよくなるということ。
【痘痕も靨(あばたもえくぼ)】⇒恋する者の目には、相手のあばたでもえくぼのように見えること。「あばた」とは、痘瘡 (とうそう) が治ったあとの皮膚に残る小さなくぼみを表す。
【秋のアラと娘の粗は見えぬ(あきのあらとむすめのあらはみえぬ)】⇒若い娘の欠点は、わりと見過ごされがちであるということ。魚のアラ(スズキ目ハタ科の海水魚)は、秋は岩陰に棲んで姿を見せないため、水揚げされることがなく、その姿を見かけることはない、ということから。
【惚れて通えば千里も一里(ほれてかよえばせんりもいちり)】⇒惚れた相手の所に通うのであれば、遠い道のりも短く感じられるということ。
【縁は異なもの味なもの(えんはいなものあじなもの)】⇒男女の縁はどこでどう結ばれるかわからず、だからこそ不思議でおもしろいものであるということ。
【恋路は縁のもの(こいじはえんのもの)】⇒男女の恋が生まれるのは、二人の間に不思議な縁がないと成り立たないということ。
【相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ(あいぼれうぬぼれかたぼれおかぼれ)】⇒人が人を好きになる時の形は、色々なものがあるということ。 相惚れは両思いの恋、自惚れはひとりよがりな恋、片惚れは片思いの恋、岡惚れはひそかな愛を指す。
【連理の枝(れんりのえだ)】⇒連理となった枝。転じて、夫婦や男女の仲のむつまじいさまをたとえた表現。
【好いた同士は泣いても連れる(すいたどうしはないてもつれる)】⇒お互いに好きになった男女は、辛さに泣きながらも離れず連れ添うものだということ。
【我を愛する者は我が犬をも愛す(われをあいするものはわがいぬをもあいす)】⇒真剣に人を好きになると、その人の家族や飼っている犬まで好きになるという意味。
【愛、屋烏に及ぶ(あい、おくうにおよぶ)】⇒人を愛すれば、その人の住む家の屋根にいる烏まで好きになる。愛する人の関係するすべてのものが好きになることのたとえ。
【男心と秋の空(おとこごころとあきのそら)】⇒秋の空模様は変わりやすいように、男の心も変わりやすいということ。
【顔に似ぬ心(かおににぬこころ)】⇒美しい顔をしているが心は冷たい人がいる一方で、鬼のような顔をしていても心の良い人はいるということ。顔と心は一致しないことのたとえ。
【近惚れの早飽(ちかぼれのはやあき)】⇒夢中になるのが早い人は、飽きるのも早いということ。「近惚れ」とは「惚れやすいこと」。
【遠くて近きは男女の仲(とおくてちかきはだんじょのなか)】⇒男女の仲は、遠く離れているように見えても、意外に結ばれやすいこと。
【憎い憎いは可愛の裏(にくいにくいはかわいのうら)】⇒口で憎い憎いと言うのは、逆に愛している証拠でもあるということ。
【思う仲の小諍い(おもうなかのこいさかい)】⇒仲の良い二人は、かえって小さなけんかをよくするということ。
【夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち)】⇒夜の暗がりで見るとき、遠くからみるとき、また笠をかぶって顔が陰になっているときなどは、はっきり見えないので、人の顔は実際よりもよく見えるものだということ。女性の容貌について言うことが多い。
【本木にまさる末木なし(もときにまさるうらきなし)】⇒いくら取り替えてみても、結局、最初のものよりすぐれたものはないということ。多く、男女関係について言う。
片思いの恋愛を表したことわざ
【鮑の片思い(あわびのかたおもい)】⇒自分が慕っているだけで、相手にはその気のない恋のこと。アワビは、二枚貝の片側だけのように見えるところから。
【及ばぬ鯉の滝登り(およばぬこいのたきのぼり)】⇒いくらがんばっても見込みのない恋のこと。また、とうてい不可能なことや及びもつかないことのたとえ。「鯉」に「恋」をかけたしゃれ。
【高嶺の花(たかねのはな)】⇒遠くから眺めているだけで、手に入れることのできない魅力的な人やもののたとえ。
【鳴かぬ蛍が身を焦がす(なかぬほたるがみをこがす)】⇒口に出して色々と言う人よりも、じっと黙っている人の方が心中では深く思っているということ。激しく鳴きたてる蝉よりも、鳴くことのない蛍はかえってその思いの激しさに身を焦がさんばかりに光っていることから。
恋愛の怖さを表したことわざ
【恋は盲目(こいはもうもく)】⇒恋におちると、理性や常識を失ってしまうということ。イギリスの劇作家、シェイクスピアのセリフから。
【恋は闇(こいはやみ)】⇒恋は人の理性を失わせるということのたとえ。
【愛は憎悪の始め(あいはぞうおのはじめ)】⇒愛と憎しみは紙一重で、一歩間違えば愛情は憎悪に変わってしまうということ。愛情にも節度が必要であることを戒めたことわざ。
【二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)】⇒同時に違った二つの事をしようとすれば、結局どちらも成功しないということのたとえ。西洋のことわざが由来。
【四百四病の外(しひゃくしびょうのほか)】⇒恋のやまい。恋煩い。四百四病は、仏教用語で人がかかるすべての病気のこと。恋の病はこれらのどの病気にも当てはまらないことからできたことわざ。
【悪女の深情け(あくじょのふかなさけ)】⇒醜い女のほうが美人に比べて情が深いということ。また、ありがた迷惑のたとえ。暗に執念深くて迷惑だけども、どうにもならないといったニュアンスで使われることが多い。
【秋の鹿は笛に寄る(あきのしかはふえによる)】⇒人は弱点につけ込まれて、利用されやすいことのたとえ。発情期である秋の鹿は、鹿笛にもすぐに近寄ってくることから。
【一生添うとは男の習い(いっしょうそうとはおとこのならい)】⇒「一生あなたのそばにいて愛し続けます」というのは、男が女を口説くときの決まり文句であるということ。逆に言えば、このセリフを鵜呑みにすると後で痛い目に遭う場合もあるということ。
【恋の遺恨と食い物の遺恨は恐ろしい(こいのいこんとくいもののいこんはおそろしい)】⇒恋人を取られた恨み、食べ物を食べ損なった恨みはいつまでも忘れないので、恨まれる方は油断ができないということ。色欲と食欲に関連した恨みは深いということ。
【恋の病に薬なし(こいのやまいにくすりなし)】⇒恋わずらいは病気ではないので、それを治す薬はないということ。いっそ薬で治せれば、という感慨も込められた言葉。
【恋は曲者(こいはくせもの)】⇒恋というものは人の分別を奪い、何をさせるか分からないとんでもないものであるということ。また、恋している人間はとんでもないことをしでかすということ。「曲者」は、悪者、変わり者などの意味。
【恋は思案の外(こいはしあんのほか)】⇒恋愛というものは、常識でははかれないところがあり、その成り行きがどうなるか、理性では予測不可能だということ。「色は思案の外」「恋は分別の外」とも言う。
【可愛さ余って憎さ百倍(かわいさあまってにくさひゃくばい)】⇒人を愛する気持ちが強ければ強いほど、一度憎いと思うようになったら、その憎しみの情は前にも増して強くなるということ。
【焼き餅焼くとて手を焼くな(やきもちやくとててをやくな】⇒嫉妬も度を過ごせば災いを招くため、ほどほどにせよ。焼き餅を焼くにしても自ら後の処置に困るような焼き方をするな、という教訓から。
恋愛の現実を表したことわざ
【出雲の神より恵比寿の紙(いずものかみよりえびすのかみ)】⇒男女の愛は、愛情よりもお金によって左右されるということ。出雲の神は「縁結びの神様」、恵比寿の紙は「明治時代の紙幣」を表すことから。「神」と「紙」、同じ読み方でかけたことわざ。
【合わせものは離れもの(あわせものははなれもの)】⇒合わせて一つにした物は、いつかまた離れるときがあるということ。カップルや夫婦の別れに対して使う。
【会うは別れの初め(あうはわかれのはじめ)】⇒人と会ったあとには必ず別れがくるということ。親子・夫婦と言えどもいずれは死別して別れなければならない。出会いが別れの始まりとなるのは世の定めということ。
【愛想尽かしも金から起きる(あいそづかしもかねからおきる)】⇒女が男と別れようとするときは、金銭問題が原因となることが多いということ。
【金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)】⇒お金があるときは関係のあった人も、こちらにお金がなくなるとてのひらを返すように離れていくということ。
【押し付けた縁は続かぬ(おしつけたえんはつづかぬ)】⇒むりやりに押し付けて結婚させた男女は、所詮長続きしないということ。
【思うに別れ思わぬに添う(おもうにわかれおもわぬにそう)】⇒好きな人とは結婚できないで、そうでない人と一緒になること。男女の恋は思い通りにならないこと。
【去る者は日日に疎し(さるものはひびにうとし)】⇒親しかった人であっても、遠く離れてしまうと次第に情が薄れるものだ、ということ。
【添わぬうちが花(そわぬうちがはな)】⇒結婚して共に生活するようになると、お互いの欠点が目立つようになるため、結婚前が一番楽しい時期だということ。
【釣り合わぬは不縁の基(つりあわぬはふえんのもと)】⇒身分や家柄、財産などがあまりに違うと、結婚しても価値観や考え方が違いすぎて、結局はうまくいかないということ。
恋愛のテクニックを表したことわざ
【愛は小出しにせよ(あいはこだしにせよ)】⇒人を長く愛するためには、少しずつ愛したほうがよいということ。
【恋は仕勝ち(こいはしがち)】⇒恋は相手の事情などを考えずに積極的にしかけたほうがうまくいくということ。競争相手への遠慮などは無用であるということ。
【将を射んと欲すれば先ず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずうまをいよ)】⇒大きな目的を達するには、それに直接あたるより、周辺のものから手を付けていくべきである。敵の大将を射止めようとするときは、先にその乗馬を射るのが上策であるということのたとえから。
【愛してもその悪を知り、憎みてもその善を知る(あいしてもそのあくをしり、にくみてもそのぜんをしる)】⇒人を愛してもその人の欠点を認め、また、人を憎いと思ってもその人の長所を認めようとすること。
【恋に師匠なし(こいにししょうなし)】⇒恋の道は誰かに教えられるということもなしに、年ごとになれば自然と覚えるものだということ。
【愛は惜しみなく与う(あいはおしみなくあたう)】⇒真の愛は、自分の持つすべてのものを相手に与えても惜しいものではないということ。
【愛は惜しみなく奪う(あいはおしみなくうばう)】⇒人を愛するということは、相手のすべてを奪って自己のものにしようとすることであること。大正時代の小説家、有島武郎の評論『惜しみなく愛は奪う』の中の言葉。19世紀ロシアの代表的な小説家トルストイの「愛は惜しみなく与う」をもとにしたもの。
【一押し二金三男(いちおしにかねさんおとこ)】⇒女性を口説くには押しが強いことが第一条件で、金の力、男振りのよいことは第二・第三の条件である。
【弱気が美人を得た例はない(よわきがびじんをえたれいはない)】⇒美人を得るには、押しの強さが大事だということ。
【悋気は女の七つ道具(りんきはおんなのななつどうぐ)】⇒焼きもちを焼くことは女の武器の一つであり、男性を操縦する武器にもなること。
恋愛に希望を持てることわざ
【恋に上下の隔てなし(こいにじょうげのへだてなし)】⇒恋愛には身分や地位の上下による区別はないということ。
【蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)】⇒人の好みは様々であるということのたとえ。辛い蓼を好んで食べる虫があることから。「蓼」とは「植物の名」を指す。
【捨てる神あれば拾う神あり(すてるかみあればひろうかみあり)】⇒見捨てて相手になってくれない人もいる一方で、助けてくれる人もいるということ。悪い目に遭って神に見捨てられたと思っても、そのようなときに助けてくれる神もいることから。
【破れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)】⇒どんな人にも、それにふさわしい伴侶があることのたとえ。破損した鍋にもそれ相応の蓋があることから。
【魚は海に幾らでもいる(さかなはうみにいくらでもいる)】⇒一度機会を逃しても、またチャンスはいくらでも来るということ。
【焼け木杭には火が付き易い(やけぼっくいにはひがつきやすい)】⇒以前に関係のあった者は、一度縁を絶っても、またもとの関係に戻りやすいというたとえ。多く男女の関係について言う。「焼けぼっくい」とは一度燃えて炭化した杭(くい)のこと。燃えさしの杭には簡単に火がつくことから。
まとめ
以上、今回は恋愛に関することわざをまとめました。人は経験だけでなく言葉からも学ぶことができます。ぜひ今後の人生の糧にしてみてください。