情がわく 湧く 意味 漢字 類語 情が移る 恋愛

「情がわく」という言い方は、普段の文章の中でよく見かけます。友人や家族といった身近な関係から、彼氏や彼女といった恋人に対しても使われています。

この「情がわく」ですが、具体的にどのような心理を指すのでしょうか?

本記事では、「情がわく」の意味や使い方、類語、漢字表記などを解説しました。

情がわくの意味・語源

 

情がわく」とは「気にかける感情が芽生えること」を意味します。漢字だと「情が湧く」と表記します。

まれに「わく」を「沸く」と書いてしまう人がいますが、「沸く」とは書きません。「沸く」だと「お湯が沸く」などと同じ漢字になってしまうので注意してください。

「情がわく」という表現は、人や動物に対してよく使われます。

例えば、ある人がニワトリを飼うために夜店でヒヨコを購入したとします。最初は大きくなったら、肉にして食べる予定のつもりでした。

ところが、大きくなるにつれてだんだんとニワトリの事を可愛く感じ、食べることができない心情へと変化していきました。このような場面で、「情がわくようになった」などと言うわけです。

つまり、「情がわく」とは「最初はそうではなかったものの、だんだんと親しみや愛情が芽生えて行く様子」を表す語ということです。

元々、「」という字は「水などが地中からわき出る」という意味があり、「温泉が湧く」「石油が湧く」などのように用いられていました。「興味が湧く」「疑問が湧く」なども同じ使い方です。

そして、「」という字は「愛情」「友情」などの熟語があるように、その人の「感情や気持ちのこと」を指していました。転じて、感情がまるで湧き水のように湧いてくる様子を「情がわく」と言うようになったのです。

恋愛での使い方は?

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「情がわく」という表現は、恋愛においてもよく用いられます。

恋愛では、すでに付き合っている恋人に対して「感情が向けられる」という意味で使われることが多いです。

例えば、長年同棲して付き合っていたカップルがいたとしましょう。長く付き合っていれば、当然お互いに対しては良い意味でも悪い意味でも深い思い入れがあります。

その結果、すでに愛情は薄れているので別れようと思っても、なぜか情が湧いてしまうようなことがあります。最終的には、別れられない期間がしばらく続くということになりました。

このような場面では、「彼(彼女)に情が湧いて別れられなかった」などと言うことができます。

「情」というのは、「愛情」とはまた別物です。愛情は冷めたけども、情があることによりお互いの関係が続くということもあります。

これはお互いが長い期間付き合っていると、異性として相手を強烈に意識する時期はもはや過ぎ、いわば家族に近いような関係になるからだと言えます。

情がわくの類義語

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「情がわく」の「類義語」は以下の通りです。

  • 情が移る
  • 情が芽生える
  • 愛着がわく
  • 愛着が芽生える
  • 気掛かりになる
  • 同情し出す
  • 感情移入する

「情が湧く」という表現は便利ですが、別の言い方をすることも可能です。

この中では、「情が移る」はよく使われます。「情が移る」とは「自分の思いや感情が相手に対して乗り移ること」です。

「情がわく」と内容は似ていますが、情が湧き出るという瞬間ではなく乗り移るという過程を表している点がわずかに異なると言えます。その他、「愛着が芽生える」「気がかりになる」などの言い方も近い意味です。

なお、「情が芽生える」は全く同じ意味なので、「情がわく」の同義語だと考えて構いません。

情がわくの英語訳

 

「情がわく」は、英語だと次のように言います。

feel emotional

「feel」は「~を感じる」、「emotional」は「感情的な・情にもろい」などの訳です。両者を合わせることで、「感情的な気分になる」=「情が湧く」と訳すことができます。

例文だと、以下のような言い方です。

After 10 years with her, it’s natural to feel emotional.(10年も彼女と一緒にいれば、情が湧くのは当然である。)

「情」は「愛情」とは異なるため、「愛」を意味する「love」は使いません。

他には、「情が移る」だと次のような熟語を使うことも可能です。

become attached to」(~に愛着を覚える・~に情が移る)

「attach」は「~をくっつける・取り付ける」という意味ですが、「become」と合わせることで「情が移る」という訳になります。

After working with her, he gradually became attached to her.(彼女と一緒に仕事をしている内に、彼は次第に情が移ってきた。)

情がわくの例文

 

最後に、「情がわく」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 長年かけてじっくり育てた野菜なので、大変情がわくものである。
  2. 捨て猫はかわいそうだが、拾ってしまうと情がわくのでやめておこう。
  3. 楽しかった思い出を振り返ると情がわくので、なかなか彼とは別れられない。
  4. 恋人に対して情がわくと、お互いが別れられないということが多々ある。
  5. 結婚して20年も経つと、男性・女性問わず相手に対して情がわくものだ。
  6. 職場で出会った彼女だが、一緒に仕事をするうちに情が湧いてくるようになった。

 

「情がわく」という言い方は、例文のように様々な対象に使うことができます。人や動物、植物など感情を寄せられるものであれば、基本的に使うことができます。

動物であれば、犬や猫といった人が親しみを持ちやすい生き物、植物であれば、人が丹精込めて育てる野菜や果物なども含まれます。

ただ、一般的には人に対して使われることが多いです。その中でも、彼氏や彼女といった付き合っている恋人を対象とすることが多いです。

恋人に対して親しみや特別な思い入れなどが含まれているときに、この「情がわく」という表現がよく使われます。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

情がわく」=気にかける感情が芽生えること

恋愛での使い方」=「すでに付き合っている相手に感情が向けられる」という用例が多い。

類義語」=「情が移る・情が芽生える・愛着がわく・愛着が芽生える」など。

英語訳」=「feel emotional」「become attached to」

人間関係においては、情がわくことはよくあります。特に男女の関係においてはよく起こることなので、ぜひこの機会に正しい使い方を理解しておきましょう。