『詩と感情生活』の要約&本文解説、テスト対策問題

『詩と感情生活』は、教科書・文学国語で学習する文章です。高校の定期テストの問題にも出題されています。

ただ、本文を読むと筆者の考えが分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、『詩と感情生活』のあらすじや要約、語句の意味などをわかりやすく解説しました。

目次

『詩と感情生活』のあらすじ

本文は、三つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①詩は何の役に立つのか、と尋ねる人がよくいる。私たちが対象によって感動、感嘆させられるのは、対象そのものがそれ自身の美しさを持っているからであり、詩もそれ自身の「美」を持っている。したがって、詩を読むことに実際的に役立つことを求めるのは不適当で、むしろ、それ自身の「美」を享受することで、私たちは恵みや利益以上のものを受け取る。

②優れた詩作品が、なぜ私たちの心を魅惑するのかということは、解き明かしにくい問題だ。たとえば、唐詩「代悲白頭翁」の対句のように、詩は論理的に見ると矛盾の塊であることがある。それは、物事を指示する言葉が合理的に制限されつつ、そのはたらきをすることとは本質的に異なり、詩の言葉は情緒を呼び覚ますものだからだ。詩における論理の矛盾は作者の感動の幅を示すものであり、詩は私たちの感情を通して人生におけるさまざまな事柄を語っている。

③詩は学問的な知的体系の世界よりも感性の領域に属している。詩は日常生活において、私たちの心の中にある感情の流れと密接にかかわっており、詩によって人々の感情生活を知ることができるのだ。

『詩と感情生活』の要約&本文解説

100字要約

詩はそれ自身が「美」を持つものであり、実際的な利益を求めるものではない。詩は論理の矛盾を含みつつ情緒を呼び覚まし、感情を通して人生を語るものであり、私たちはそれにより人々の感情生活を知ることができる。

(100文字)

この文章の筆者が伝えたいことは、「詩は役に立つかどうかで考えるものではない」という点です。

詩は道具のように実用的な利益をもたらすものではありません。花がきれいだからこそ人は感動するのと同じように、詩もそれ自体に備わった「美」によって私たちの心を動かします。そのため、役に立つかどうかで価値を測るのはふさわしくないのです。

また、優れた詩が人の心を強く引きつける理由は、簡単には説明できません。詩には論理的に見ると矛盾している表現も多くあります。

たとえば、中国の詩「代悲白頭翁」の対句のように、意味だけを追うとおかしく見える部分もあります。しかし、詩の言葉は説明するための言葉ではありません。感情を呼び起こすための言葉です。論理の矛盾は、むしろ作者の感動の大きさや広がりを示しているのです。

そして筆者は、詩は学問のような知識の体系とは違い、感性の世界に属すると述べます。詩は私たちの日常の感情と深く結びついています。

うれしい時や悲しい時に詩を読むと、気持ちが重なることがあります。それは詩が人間の感情生活を映し出しているからです。つまり詩は、役に立つ道具ではなく、私たちの心を豊かにする存在だというのが筆者の主張です。

『詩と感情生活』の意味調べノート

【無益(むえき)】⇒何の利益にもならないこと。

【感嘆(かんたん)】⇒強く心を動かされ、すばらしいと感じること。

【享受(きょうじゅ)】⇒与えられたものを受け取り、味わい楽しむこと。

【魅惑(みわく)】⇒人の心をひきつけ、夢中にさせること。

【矛盾(むじゅん)】⇒二つの内容が食い違い、つじつまが合わないこと。

【合理的(ごうりてき)】⇒無駄がなく、道理にかなっているさま。

【対句(ついく)】⇒似た構造を持つ二句を並べること。

【論理的(ろんりてき)】⇒筋道が通っていて、考え方が整っているさま。

【科学的(かがくてき)】⇒実験や証拠にもとづき、客観的に考えるさま。

【巧妙(こうみょう)】⇒やり方がうまく、非常にたくみなこと。

【トリック】⇒人をだますためのしかけや仕組み。

【想念(そうねん)】⇒心に思い浮かべる考えや思い。

【秩序(ちつじょ)】⇒物事が正しい順序や決まりに従って整っていること。

【主観的(しゅかんてき)】⇒自分の感じ方や考え方を中心にしているさま。

【悲哀(ひあい)】⇒深い悲しみや切ない気持ち。

【根を下ろす(ねをおろす)】⇒ある場所や分野にしっかり定着すること。

【心を奪われる(こころをうばわれる)】⇒強くひきつけられ、夢中になること。

【心を動かす(こころをうごかす)】⇒感動させたり、強い気持ちを起こさせたりすること。

【定義(ていぎ)】⇒言葉や物事の意味をはっきりと決めて説明すること。

【体系(たいけい)】⇒ばらばらのものを一定の秩序でまとめた仕組み。システム。

【抒情詩(じょじょうし)】⇒作者の感情や気持ちを直接的に表現した詩。

『詩と感情生活』のテスト対策問題

問題1

次の仮名部分を漢字に直しなさい。

ヒマな時間を楽しむ。

カンタンの声が広がる。

ミワクあふれる舞台。

ジョウチョ豊かな詩だ。

キソから学び直す。

ヒアイを胸に抱く。

解答

①暇 ②感嘆 ③魅惑 ④情緒 ⑤基礎 ⑥悲哀

問題2

「そうした対象そのものがそれ自身の美しさを持っているといって、~」とあるが、「そうした対象」とは何か?本文中から二文字以内で三つ抜き出しなさい。

解答

建築 音楽 虹

問題3

「詩は何の役に立つのか」とあるが、「役に立つ」とはどういうことか?

解答

恵みや利益を受け取ること。

問題4

「科学的な合理精神」とは何か?本文中から30文字以内でそのまま抜き出しなさい。

解答

何事でも、論理的に割り切らなければ承知しない現代人気質

問題5

「おかしなところ」を言い換えた表現を本文中から5文字で抜き出しなさい。また、「おかしなところ」を生じさせているものは何だと考えられるか?

解答

論理の矛盾  作者の感動の幅

問題6

「感情生活」とは、どのような生活か?

解答

日常生活の中で、私たちの誰もが多少なりとも伴っている感情の動きや心に浮かぶ事柄がある生活。

問題7

次のうち、本文の内容を最も適切に表したものを選びなさい。

(ア)詩は実生活に役立つ知識を与える学問であり、論理的に正確であることが最も重要だ。

(イ)詩はそれ自身の美を持ち、論理を超えて情緒を呼び覚まし、感情を通して人生を語るものである。

(ウ)詩は論理の矛盾をなくすことで完成され、合理的であるほど価値が高まる。

(エ)詩は感情よりも事実を正確に伝えることを目的とする表現である。

解答

(イ)

まとめ

今回は、『詩と感情生活』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として活用していただければと思います。

この記事を書いた人

大学卒業後、国語の添削員として就職。その後、WEB運営会社を起業し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。
「保有資格」⇒漢字検定1級・英語検定準1級・簿記二級・宅建など。

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