数え方で磨く日本語 要約 解説 あらすじ

『数え方で磨く日本語』は、教科書・論理国語で学習する文章です。そのため、定期テストの問題にも出題されています。

ただ、本文を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、『数え方で磨く日本語』のあらすじや要約、意味調べなどを解説しました。

『数え方で磨く日本語』のあらすじ

 

本文は、五つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①私は幼稚園時代に、先生が出した「なぞなぞ」をきっかけに、数えるものによって数え方が違うことに気がついた。大人になって日本語のものの数え方を調べてみると、おもしろく奥が深いことにだんだんと気がついてきた。

②日本語でものを数える場合、適切な数え方(助数詞)を使うことで、数えるものがどんな状態にあるかを示すことができる。例えば、鮭は文脈や状況、状態に応じて「切れ」「本」「匹」のように数え方が変化する。日本語の助数詞は、話し手や書き手が数える対象をどのように捉えているかを映し出す繊細な鏡とも言える。この鏡が磨かれるほど、ものの捉え方は鋭くなり、多彩な数え方を使い分けることで、多くの情報を加えることができる。

③日本語のような数え方のシステムを持つ言語は、多くの東アジア・東南アジアの言語に見られる。一方、英語やフランス語などヨーロッパの諸言語には、豊富な数え方がない。数え方が豊富にある言語の共通点は、①冠詞がない③名詞の複数形がない③名詞のジェンダーが存在しないの「三ナイ特徴」と言える共通点がある。

④数え方の情報さえあれば、数えるものの名前が出て来なくても何を数えているのかがわかることがある。駅のアナウンスでは、「改札機に二枚入れて下さい」「無理をせず一台お待ちください」と言うことで、「切符」や「電車」のことは言っているのが分かる。広告のコピーなどは、商品名を出さずに数え方の情報を最大限に利用している好例である。

⑤数え方は、日本語を話す人たちが長い年月をかけて、文化の中で育んできたものである。数え方という仕組みを上手に使うことによって、日本語は想像していた以上に相手に情報を伝える力を持つことができる。そのためには、自分で意識して数え方を使っていくことが何よりも大切である。

『数え方で磨く日本語』の要約&本文解説

 

100字要約日本語では、物を数える際に助数詞を使うことで、どんな状態かを示すことができる。数え方は文化の一部であり、この仕組みを上手に使うことで、相手に情報を伝えられるため、意識して数え方を使うことが大切である。(100文字)

この文章では、日本語における「数え方(助数詞)」の奥深さと、その重要性について筆者が述べています。

助数詞とは、「本」「匹」「枚」のように、ものを数える際に使う言葉のことです。筆者は幼少期のなぞなぞをきっかけに、この数え方に興味を持ち、大人になってさらにその魅力に気づいたと語っています。

助数詞を使うことで、単に数を伝えるだけでなく、そのものの形状や状態、用途などを表すことができます。

例えば、「鮭」という言葉一つをとっても、「一匹の鮭」「一本の鮭」「一切れの鮭」と言い方が変わることで、鮭の状態が異なることがわかります。

つまり、助数詞を適切に使うことで、聞き手や読み手により細かい情報を伝えられるのです。

また、こうした数え方の仕組みは、日本語だけでなく、他の東アジア・東南アジアの言語にも見られます。しかし、英語やフランス語などのヨーロッパ言語では、助数詞のような仕組みがほとんどありません。

その理由として、筆者は「冠詞がない」「名詞の複数形がない」「名詞にジェンダーがない」という「三ナイ特徴」を挙げています。つまり、日本語の助数詞は、こうした特徴を持つ言語だからこそ発達したと言えるのです。

さらに、助数詞を活用することで、具体的な名詞を使わずとも意味が伝わる例も紹介されています。駅のアナウンスで「二枚入れてください」と言われれば、それが「切符」のことだとわかりますし、「一台お待ちください」と言われれば「電車」を指していると理解できます。

このように、日本語の数え方には、相手に余計な説明をしなくても伝わる便利さがあるのです。

最後に、筆者は「数え方は日本の文化の中で長い年月をかけて育まれたものであり、意識的に使うことが重要だ」と述べています。つまり、日本語をより豊かに使うためには、助数詞を意識的に学び、適切に使い分けることが大切だということです。

『数え方で磨く日本語』の意味調べノート

 

【適切(てきせつ)】⇒状況に合っていること。

【助数詞(じょすうし)】⇒数量を表す語につけて、数えられる物の性質や形状などを示す言葉。「一本・二本」の「本」、「一枚・二枚」の「枚」など。

【文脈(ぶんみゃく)】⇒文章や話の前後関係。

【お歳暮(おせいぼ)】⇒年末に感謝の気持ちを込めて贈る品物。

【繊細(せんさい)】⇒こまやかなさま。デリケート。

【多彩(たさい)】⇒種類が豊富で、変化に富んでいること。

【偏り(かたより)】⇒一方に集中して、不均衡になること。

【冠詞(かんし)】⇒名詞の前に付けて、特定や不特定を示す言葉。

【浸透(しんとう)】⇒広がって、全体に行き渡ること。

【たたずまい】⇒物の様子や雰囲気。

【好例(こうれい)】⇒良い例。模範となる例。

【育む(はぐくむ)】⇒成長を助けて育てること。

『数え方で磨く日本語』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

①子供がヨウチ園に通う。

ホウフなメニューがあって迷う。

③彼は早起きのケイコウがある。

④キップを買って、電車に乗った。

エキショウの画面がとてもきれいだ。

解答①幼稚 ②豊富 ③傾向 ④切符 ⑤液晶
問題2「このような偏り」とは、どのような偏りか?
解答言語によって、数え方のシステムが豊富であったり、豊富でなかったりするという偏り。
問題3「数え方という仕組みを上手に使う」には、どうすることが大切か?
解答自分で意識して数え方を使っていくこと。
問題4

次のうち、本文の内容を表したものとして最も適切なものを選びなさい。

(ア)日本語の助数詞は、話し手が対象をどのように捉えているかを反映する。

(イ)ヨーロッパの言語にも、日本語と同じように豊富な助数詞が存在する。

(ウ)数え方の違いは、文化には関係なく自然に生まれたものである。

(エ)広告のコピーでは、必ず商品名を明示しなければならない。

解答(ア)

まとめ

 

今回は、『数え方で磨く日本語』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。