ふしぎと人生 テスト対策 筆者の主張 意味調べノート あらすじ

『ふしぎと人生』は、教科書・現代の国語で学習する文章です。そのため、定期テストの問題にも出題されています。

ただ、本文を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、『ふしぎと人生』のあらすじや要約、意味調べなどを解説しました。

『ふしぎと人生』のあらすじ

 

本文は、四つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①「ふしぎ」の反対は「当たり前」である。大人はだいたい「当たり前」の世界に生きているが、それを「当たり前」と思わない人がいる。ニュートンは、りんごが木から落ちるのを見て、努力して「ふしぎ」を追究していった結果、「万有引力の法則」を発見した。また、釈迦牟尼(しゃかむに)は、「人間はなぜ死ぬのか。」と考え続け、努力の結果、仏教という宗教が生まれた。ほかの人たちが「当たり前」と感じていることを「ふしぎ」と受けとめる人は、偉大である。

②子どもは「蝉はなぜ鳴くの。」などのように、大人に「ふしぎ」を聞く。子どもは身近な「はてな」に対して、大人に答えを聞いたり、自分なりに考えたりして、知識を蓄え、人生観を築いていく。ときに「ふしぎ」なことに対して自分なりの説明を考えつくときもある。「そのときに、その人にとって納得がいく」答えは、「物語」になる。外的な現象と、子どもの心の中に生じることが一つになって、物語に結晶しているのだ。

③人類は、言語を使い始めた最初から物語ることを始めた。古代ギリシャの時代に、人々は太陽のことを、四頭立ての金の馬車に乗った英雄として語った。これは、夜の闇を破って出現する太陽の姿を見た時の体験や感動を表現するのに、ふさわしかったからだ。神話は、「いかにして我々はここに存在するのか。」という根本的な「ふしぎ」に答えられる物語である。それは、存在全体に関わり、存在を深め、豊かにする役割を持つ。

④神話は、ある程度の「ふしぎ」を納得させてくれるが、すべての現象について説明するのは不都合である。現象を「説明」するための話は、なるべく人間の内的世界を関わらせない方が正確になる。その最たるものが「自然科学」である。これがあまりにすばらしいので、近代人は「神話」を嫌い、自然科学によって世界を見ることに心を尽くし過ぎた。自然科学は外的現象の理解に大いに役立つが、神話を放棄すると、自分の心の中のことや、自分と世界との関わりが無視されたことになる。自分の心や世界とのかかわりを示すものとして、神話や物語が必要である。

『ふしぎと人生』の要約&本文解説

 

200字要約「ふしぎ」とは「当たり前」の反対であり、「ふしぎ」を追究することで科学や宗教が生まれた。子どもは「ふしぎ」に疑問を持ち、自分なりに答えを作ることで物語が生まれる。神話もまた、世界の根源的な疑問に答える物語であり、人類は古くから語り継いできた。しかし、近代では自然科学が発展し、神話は軽視されるようになった。科学は外的世界を理解するのに役立つが、自分の心と世界の関係を考えるには神話や物語も必要である。(200文字)

この文章のテーマは、「ふしぎ(疑問)を持つことが人生や人類の発展において重要である」ということです。

大人は多くのことを「当たり前」と考えますが、偉人たちはそれを「ふしぎ」と捉えることで、科学や宗教、さらには物語を生み出してきました。

例えば、ニュートンは「りんごがなぜ落ちるのか」という疑問を持ち、万有引力の法則を発見しました。釈迦は「なぜ人間は死ぬのか」と考え、仏教を生み出しました。彼らのように「当たり前」を疑問視する人が偉大な発見をしてきたのです。

また、子どもは身近な「ふしぎ」に興味を持ち、考えることで知識や人生観を築きます。そして、自分なりに納得のいく説明を考え、それが「物語」になります。

これは人類が古くから行ってきたことであり、神話もその一例です。例えば、太陽を「金の馬車に乗る英雄」と考えた古代ギリシャの神話も、根本的な「ふしぎ」に答えようとしたものです。

しかし、近代では科学の発展により、神話はあまり重視されなくなりました。科学は自然現象を論理的に説明するのに優れていますが、それだけでは「人間が世界とどう向き合うべきか」といった根源的な問いには十分に応えられません。

だからこそ、現代人は「ふしぎ」に対して、科学的な理解だけでなく、物語の視点も大切にすべきだと筆者は主張しているのです。

『ふしぎと人生』の意味調べノート

 

【追究(ついきゅう)】⇒徹底的に追い求めること。

【貢献(こうけん)】⇒社会や人のために役立つことをすること。

【偉大(いだい)】⇒優れていて大きな影響を与えること。

【蓄える(たくわえる)】⇒将来のためにためておくこと。

【人生観(じんせいかん)】⇒人生についての考え方や価値観。

【外的(がいてき)】⇒外側に関係するさま。

【供給(きょうきゅう)】⇒必要なものを提供すること。

【英雄(えいゆう)】⇒勇気や功績で称えられる人物。

【かくて】⇒このようにして。その結果。

【内的世界(ないてきせかい)】⇒心の中の世界や精神的な領域。

【最たるもの(さいたるもの)】⇒最も顕著なもの。最も代表的なもの。

【自然科学(しぜんかがく)】⇒自然界の法則や現象を研究する学問。

【普遍的(ふへんてき)】⇒すべてに共通し、変わらないさま。

【周知(しゅうち)】⇒多くの人に知られていること。

【テクノロジー】⇒科学技術。

【神話(しんわ)】⇒昔から語り継がれる神々や英雄の物語。

【心を尽くす(こころをつくす)】⇒精一杯努力すること。

【放棄(ほうき)】⇒自らの権利や責任を捨てること。

『ふしぎと人生』のテスト対策問題

 

問題1

次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。

①新たな問題をツイキュウする。

②社会にコウケンする。

イダイな科学者の功績。

④彼はエイユウとして知られている。

⑤相手の説明にナットクする。

⑥途中で計画をホウキする。

解答①追究 ②貢献 ③偉大 ④英雄 ⑤納得 ⑥放棄
問題2ほかの人たちが「当たり前」と感じていることを「ふしぎ」と受けとめる人が、偉大である」のはなぜか?
解答ほかの人が「当たり前」と思うことを「ふしぎ」と受けとめることで、新たな発見につながり、人類に対する大きな貢献として認められるから。 
問題2「そのときに、その子にとって納得のいく答えというものがある。」とあるが、「納得のいく答え」とはどのような答えか?
解答外的な現象と、子どもの心の中に生じることが一つになって、物語に結晶している答え。
問題2「神話」と「自然科学」の意義について、筆者はそれぞれどのように考えているか?
解答神話は、「いかにして我々はここに存在するのか」という根本的な「ふしぎ」に答える物語であり、存在を深め、豊かにする役割を持つ。一方、自然科学は、現象を正確に説明する学問であり、外的世界の理解に大いに役立つが、心の中のことや世界との関わりを無視してしまう側面がある。
問題5

次のうち、本文の内容を表したものとして最も適切なものを選びなさい。

(ア)人類は自然科学の発展によって、すべての「ふしぎ」を解明し、神話の役割は完全に失われた。

(イ)「ふしぎ」と感じることが重要であり、それを追究することで、科学や宗教などの新たな発展につながる。

(ウ)神話は古代においては重要な役割を果たしていたが、現代では科学が進歩したため不要になった。

(エ)子どもが持つ「ふしぎ」の感覚は成長とともに失われ、大人になると当たり前の世界しか見えなくなる。

解答(イ)本文では、ニュートンや釈迦牟尼の例を挙げ、「ふしぎ」を追究することが新たな発見や思想の発展につながると述べている。

まとめ

 

今回は、『ふしぎと人生』について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。